2021年10月19日1,140 ビュー View

【取材】買い物のお手伝いが大好きな15歳のフルラ。東洋医学、生食、旅…その生活はイキイキと生きるヒントだらけ #7 フルラ

平均寿命が10〜12歳と言われる大型犬のレトリーバーたち。しかしそんな平均を物ともせず、年齢を重ねても元気なレトリーバーを憧れと敬意を込めて“レジェンドレトリーバー”と呼んでいるRetriever life。その元気の秘訣をオーナーさんに伺うのが、特集『レジェンドレトリーバーの肖像』です。今回は15歳のフルラちゃんが登場。病院選びから同居犬選びの方法など、そのライフスタイルは何から何まで、犬が健康で楽しく生きるためのヒントにあふれていました。

レジェンドレト

フルラちゃんプロフィール

黒ラブ

年齢&性別

15歳の女の子(2006年8月7日生まれ)

体重

25.5kg(MAX 28kg)

大好きなこと

ボールレトリーブ、食べること全般、買い物のお手伝い

既往歴

・2歳で股関節形成不全と診断される(それ以前よりモンローウォークをしていたので病院へ行ったが2歳まで確定診断できないと言われていた)。

・2歳頃、プールではしゃぎ過ぎたせいか、後脚の前十字靭帯部分断裂。運動によってガッチリ筋肉を付けることで改善。

・3歳半で原因不明の自己免疫疾患に。

・12歳頃、初めて下痢と血便。かかりつけ医に相談し、腸の状態を改善するサプリ『クロノーブ』などで“腸活”を行ない改善。

・13歳頃から腎臓の数値が悪くなる。服薬や水分を多めに摂るなどして、悪化しないよう気を付けている。

 

シャイでナイーブな頑張り屋さん

黒ラブ

 

以前はシェパードと暮らしていた島本さん。また犬を迎えたいと思ったのは50歳手前のころでした。

 

「大型犬に魅力を感じていたものの、年齢的に世話が大変だろうと抵抗がありました。

 

でも娘から“今飼わなかったら、もう大型犬は飼えないよ”と背中を押されて。

 

今度はシェパードのように訓練訓練ではなく、旅行なども一緒に楽しめるような犬をと思い、ラブラドールを選びました。

 

当時はフルタイムの仕事をしていたので、付きっきりになるパピーは難しかったのですが、1歳くらいまでの子が良いなと思っていたんです。

 

そんな私の希望にぴったりだったのが、8カ月だったフルラでした。

 

その後2カ月間、家庭や社会で暮らすためのトレーニングをしてもらい、10カ月で我が家にやってきました」。

 

規模の大きなブリーダーさんのところで、たくさんの犬の中から選ばれたというフルラちゃん。

 

性格はラブには珍しくシャイでナイーブ。オンとオフがはっきりしていて、お仕事モードになるととっても張り切る頑張り屋さんです。

黒ラブ

買い物のお手伝いをするフルラちゃん。

 

「オンのときは激しくオンなので、何かやらせないとエネルギーがあり余って大変だと思いました。

 

散歩や遊び、買い物したものを運ぶお手伝いはもちろんやらせたのですが、それだけではフルラの旺盛な作業意欲を満たせていないようでした。

 

それに私もフルラともっと濃密に向き合いたいという思いがあり、一緒に参加するトレーニングに通うことにしたんです。

 

おかげで長時間の“待て”などしっかりしつけができ、パブリックアクセステストC級※ も取れて、どこに行っても安心して過ごせるようになりました」。

 

※アジアワーキングドッグサポート協会認定資格

黒ラブ

 

治療も病院選びも積極的に

黒ラブ

 

お利口で元気いっぱいのフルラちゃんでしたが、5歳くらいまでは脚回りや免疫機能に不安があったそうです。

 

そんな状況を好転させたのは、新しい病院や治療法を積極的に探す島本さんの姿勢でした。

 

「脚のことも免疫のことも、最初はかかりつけ医に相談しました。ですが、より症状に合う病院を探して、専門的な病院も受診。

 

脚の治療はネットで探した整形外科で、ケアしながら運動量を増やし、筋肉で脚を固めるという方針で治療してもらいました。

 

具体的には、普段はできるだけ負担の少ない芝生などで過ごし、筋トレとして砂浜や坂道を歩くといった感じです。

 

それから良くないこととして、アスファルトの道で自転車引きはしないようにと言われました」。

黒ラブ

 

年齢や症状によって治療法は変わってきますが、当時のフルラちゃんには最適だったようで、これ以降、脚の心配はなくなりました。

 

「3歳半で原因不明の自己免疫疾患になったときは、蕁麻疹やアナフィラキシーが出たため、かかりつけ医でステロイドや免疫抑制剤などで治療しました。

 

しかしこれがフルラには合わなかったようで、体重が減って脱毛もあり、苦しい時期が1年近く続いたんです。

 

そんなときに、介助犬トレーニングをしてもらったトレーナーさんから、東洋医学やホリスティック医療を取り入れた病院を紹介されて。

 

今まで飲んでいた化学薬品をやめ、そこで処方してもらった漢方のサプリに変えたところ、体重や毛並みが戻り、自己免疫疾患の症状もかなり少なくなりました。

 

それから1年もすると症状は完全に出なくなり、それ以降現在まで出ていません」。

 

その後はこの病院がかかりつけになりました。

黒ラブ

 

「ここではほかにも色々な治療をされていて、オゾン療法(腸からオゾンを注入)や“熱針”という刺さない針治療など、体調に合わせてお願いしています。

 

夏バテのときにオゾン療法をしてもらったことがあったのですが、たった数時間で元気になるのでびっくりしました」。

 

かかりつけ医を変えるのも新しい治療法を試すのも、簡単な決断ではありません。ですが、フルラちゃんのために積極的に動いたことが良い結果に繋がりました。

 

なお、今のかかりつけ医とは何でも話せる関係とのこと。

 

愛犬のことは何でも知っておきたいオーナーとして、これほど心強いことはありませんね。

 

生食に手作りごはん…丈夫な体を作ってきた食事内容とは

黒ラブ

 

良い病院とも出会えて、健康な体づくりに成功したフルラちゃん。食事はどんなものを摂っていたのでしょう。

 

「食事は一日3食で、朝は7〜8時、昼は13時、夜は19時と、だいたい決まった時間にしています。いつも良く食べて、今でも完食しています。

 

2歳まではドライフードをあげていたのですが、何となく合っていない感じで、時々吐いたりすることもありました。

 

そこで、訓練をしてくれたトレーナーさんなどに相談して、生食の『バーフダイエット』に変えました。すると体調や毛艶が良くなり贅肉も落ちたんです。

 

うちにはもう一頭、テリアミックスで13歳の“ブリ”という子がいて、フルラの調子が良かったので、ブリも生食に変えました。

 

ただ、生食しか食べられなくなると旅行のときなどに困ると思い、野菜や魚を煮た手作り食などもあげていました」

黒ラブ

 

この島本さんの備えが、後に思わぬ形で役に立ちました。

 

それは東日本大震災のときのこと。旅行で日光に滞在していた島本さん一家は、被害こそ免れたものの、何日も帰宅できなくなってしまいます。

 

フルラちゃんのご飯どころか、自分たちの食事もままならない状況でした。

 

「食料が調達できるのは道すがらのコンビニだけで、パンとかおでんとか、あるものを食べるしかありませんでした。

 

フルラたちが何でも食べられる子で本当に助かりました。助かったといえば震災時、私たちは本当は福島にいたかもしれなかったんです。

 

でも途中の日光にドッグランがあったので、この子たちを遊ばせてから福島に行くことになって。そうでなければどうなっていたか⋯」。

 

その後は家族揃って無事に帰宅された島本さん。犬たちのためにと計画変更したことが、一家を救ってくれたのかもしれません。

 

2頭はベストパートナー。3日間ブリーダーさんに預け、一番仲良くなった子を迎える

黒ラブ

 

後輩犬・ブリちゃんとの暮らしやご自宅のリフォームなど、生活環境についても伺いました。

 

「ブリはフルラが3歳のときに迎えました。フルラがとても良い子だったので、同じブリーダーさんにお願いして。

 

フルラがシャイということもあり相性がとても大事だと思ったので、フルラを3日間ブリーダーさんのところに預けて、一番仲が良かったブリに決めたんです」。

 

家族に迎える前に一緒に過ごしてみることは、人と犬の間ではあるかもしれませんが、犬同士で、しかもたくさんの犬と過ごすことは中々ないかもしれません。

 

どのブリーダーさんでもお願いできるわけではないと思いますが、一緒に暮らす犬たちにとってとても良い方法だと思います。

黒ラブ

 

「家に来てからもずっと仲良しなので、本当に良かったです。ただ、フルラに変化もありました。

 

すごく気をつかっている感じではないのですが、お腹を見せて寝る“ヘソ天”はしなくなりました。それから他の犬との社交性がアップした気がします。

 

ブリももちろんフルラの影響を受けて、ブリの成長にはフルラが一役買ってくれたと思いますし、大人になってからはお互いに頼り合うような関係になりました。

 

病院から帰ってきたらすごく歓迎したり、フルラがシニアになってからは、若いラブが寄ってきたりすると、小さなブリがフルラを守るようなこともあります。

 

大きなラブに向かっていくブリを見たときは、伊達に小さい時からフルラとプロレスしてないな、と思いました(笑)」。

 

家族が増えることには不安も付きものだと思いますが、お互いにバッチリなパートナーになってくれて、こんなに嬉しいことはないですね。

黒ラブ

 

それから、お家の方にも環境の変化があったそうです。

 

「3年前に自宅をリフォームしたのですが、フルラは3カ月くらい落ち着かない様子でした。

 

そのとき犬たちのために床をタイルフロアにしたのですが、まだ滑るようだったので、さらにタイルシートを貼りました。

 

それから、当時寝ていた『バリケンネル』(移動できる大きなカゴ。クレート)は頭を下げないと出入りできなかったので、介護のことも考えてマットレスだけにしました。

 

これに慣れるのも2カ月くらいかかったと思います。ブリとの暮らしにはすぐ慣れたのですが、こういうところはナイーブなんでしょうね。

 

マットレスは『ブレスエアー』という、厚さが5センチくらいある高反発のものを2枚重ねて敷いています。

 

立ち上がるときが少し辛そうだったのでこのマットにしたのですが、通気性も良く、粗相したときも洗い易いのでシニア犬にはおすすめです」。

 

リフォームなど大掛かりな対策だけでなく、フルラちゃんたちの様子を見ながら、色々と改善方法を探して工夫されています。

 

楽しいシニアライフを!

黒ラブ

 

まだまだ元気なフルラちゃん。とはいえ、やはり変化は訪れています。

 

「フルラとは、四季折々の風景を楽しみながらよく旅行をしていました。那須や富士五湖に伊豆の河津桜など、車で色々なところに行ったものです。

 

今はコロナ禍やフルラの老化で中々余裕がありませんが、フルラの調子が良いうちに、どこか最後の旅に出たいなと思っています」。

 

今も1日2回散歩に行き、元気にボールレトリーブ(取ってこい)を楽しむ様子は、とても15歳には見えません。

黒ラブ

 

それでも、以前は1時間あった散歩の時間を少し短くしたり、いつもフルラちゃんと遊びたがるブリちゃんを適度に抑えたりと、少しづつシニアライフに移行してきました。

 

フルラちゃん自身も散歩中には無理せず休憩し、車にも飛び乗らずゆっくり乗り込むようになりました。

 

賢いフルラちゃんのことですから、自分の体の変化をちゃんと分かっているのでしょう。

 

「車に長時間乗るのは少しきつい感じになってきましたが、それでも楽しそうにしているんです。

 

好きな食べ物やボールレトリーブもそうですが、ずっと我慢したり安静にして1分1秒でも長く生きるより、好きなことを思いっきり楽しんでほしいと思っています」。

黒ラブとその家族

 

長寿や元気の秘訣は特にないという島本さん。そのときどきで良いと思うことを選び、それがたままたまフルラちゃんに合っていたのだろうと仰います。

 

ですが、それは「ここまでやればOK」「これ以上は無理」などと決めず、いつも犬たちのことを考えながら、やれることをすべてやってきたからこそ言える言葉だと、お話を伺って感じました。

 

シニアになった今も、そしてこれからも、フルラちゃんやブリちゃんの“楽しい時間”を探す島本さんの旅は続きます。

黒ラブ

 

 

取材・文/橋本文平(メイドイン編集舎)

 

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