2022年9月7日634 ビュー View

【取材】車椅子のラブミックスは今日も笑顔で相棒と走る! -ケネディ亜梨「ゴルの魅力VSラブの引力」

アニマルコミュニケーターのケネディ亜梨さんが2020年に出会ったのは、ラブラドールミックスと思われる半身不随の保護犬でした。亜梨さんに大きな気持ちの変化をもたらしたというラブ似のマイロくんのストーリーを、マイロくんの兄貴分でありペアとも言える存在のブルーノくんとの暮らしぶりとともに紹介します。

レトリーバー,取材

推定45歳のラブ似の保護犬を預かってみると

「一時預かりの期間中に、下半身麻痺のマイロのおむつの交換や圧迫して尿を出させることを覚えました。

 

はじめは、介護や看護などを仕事とされている里親さんにご縁があるのがマイロにとってベストだと思っていました。

 

でも、ふと『あれ? 私もじょうずに介護できてるよね? 我が家に迎えても大丈夫じゃない?』と気づいて()

 

一時預かり先として出会ってからそのまま、ケネディ家に正式譲渡となったマイロくんのお尻を刺激してうんちをさせながら、ケネディ亜梨さんはそう語ります。

 

マイロくんはうんちが出てすっきりしたようで、ニコニコ笑顔で亜梨さんを見つめています。

レトリーバー,取材

電車との接触事故にあい、下半身が不随になってしまったマイロくん

 

20228月現在、マイロくんは推定7歳。

 

ラブラドール・レトリーバーとジャーマン・シェパード・ドッグのミックス犬であるシェプラドールにそっくりな風貌を持つ、ケネディ家の三男坊です。

 

「長男は、11歳の私の息子。次男は、ドイツ在住だった頃に動物愛護団体をとおして出会った10歳のブルーノ。ブルーノはスペインで保護され、ドイツ、そして日本へ。

 

体重は8kgほどで大きなミニチュア・ピンシャー風ですが、スペインのマヨルカ島にルーツがあると伝わる、ラテロ・マヨキーンという犬種です」(亜梨さん)

 

マイロくんとブルーノくんは、心が通じ合っていてとても仲が良いそうです。

レトリーバー,取材

マイロくんとブルーノくんは仲良し兄弟

 

車椅子は身体の一部!

マイロくんの朝は、ブルーノくんと一緒に出かける1時間ほどの散歩からスタートします。

 

亜梨さんの一挙手一投足をじっと観察していて、散歩だと察知すると2階のリビングから1階の玄関まで、2頭はあっという間に階段を駆け下りて玄関ドアの前でスタンバイ。

 

「マイロは自宅では車椅子はつけていませんが、外出時には車椅子を装着します。毎日の散歩がとても好きなんですよ」

レトリーバー,取材

「早くお散歩行こうよ!」といった具合で、階段を下りてアピール

 

車椅子をつけたマイロくんは、ブルーノくんとスピーディーに並走します。

 

きっと、車椅子は自分の体の一部のように感じているのでしょう。目を輝かせ、軽やかに街路樹のたもとを駆け抜けます。

 

そんなマイロくんを見て「お! がんばってるねー」と、道行く人が笑顔になることもめずらしくありません。

 

その様子を見たマイロくんも、うれしそう。

 

「マイロは多くの人たちに応援してもらったから、たくさんのことができるようになったそうです」と、アニマルコミュニケーターでもある亜梨さん。

 

「マイロはまた、自分と同じようにケガや病気で身体が不自由になった犬や猫と暮らす飼い主さんに、次のように伝えたいと、アニマルコミュニケーションでの対話をとおして教えてくれました。

 

『身体が以前のように動かせなくなると、初めてチャレンジする動作が増えるんだ。

 

最初のトライでは勇気がいるけど、がんばってそれを達成できた時の喜びはすごく大きい。

 

だから、飼い主さんは大丈夫! きっとできると、笑顔で目の前の動物たちを応援してあげてね』」

レトリーバー,取材

ペアとも呼べるブルーノくんと一緒に楽しくお散歩

 

感動と学びが、飼い主さんへのギフト

朝の散歩から帰ったら、マイロくんは朝ごはんを食べて、リビングの真ん中にある自分のベッドへ。

 

日中はそこで日向ぼっこをしたり、ケネディ家の長男や長女と引っ張りっこ遊びをしたり……

 

マイペースで楽しく過ごします。

 

夕方にも30分ほど散歩に行き、夜はブルーノくんと寄り添いながら亜梨さんの足元で就寝。

レトリーバー,取材

おもちゃ遊びタイムも、マイロくんの楽しみのひとつ

 

「私はマイロを迎えてから、感動と学びが増えました。

 

チャレンジしてできないことはないと思っているマイロの姿を見ながら、前向きな気持ちになりましたね。

 

そして、『こうだったら良かったのに……』と、過去を振り返ったり現状に不満を感じたりしなくなったんです。

 

今の自分ができることを、真摯に取り組もうと意識できるよう変化しました」

 

そう言って亜梨さんがマイロくんに目を向けると、マイロくんはおもちゃ箱から引っ張り出してきた恐竜のぬいぐるみをガジガジかじって解体ショーを繰り広げています。

 

「ちょっとちょっと、派手に中綿出してー! あとで、ママが手術して治さないと」

その場にいたみんなの注目を集め笑いを誘ったマイロくんは、どこかドヤ顔に見えます。

レトリーバー,取材

おもちゃであり“獲物”である恐竜を抱えてご満悦の表情

 

車椅子姿で今日も人々に、勇気と元気を与えながら

マイロくんは、亜梨さんとカフェに行ったり、家族とハイキングを楽しんだりもします。

 

アニマルシェルターに保護されるまでは野山で暮らしていたというマイロくんが、屋外にいると自信に満ちた顔になるのも想像にかたくありません。

 

「マイロがかつて親しんだ大自然を満喫してもらおうと、車椅子で高尾山ハイキングにも挑みました。

 

マイロは予想よりはるかにじょうずに車椅子をあやつり、高低差も気にせず、ブルーノと一緒にパワフルに山登りをエンジョイしていましたね」

レトリーバー,取材

たっぷり遊んで満足してお昼寝

 

マイロくんの性格は、その見た目どおりラブラドール・レトリーバーに似て穏やかで、とても朗らかで前向きだとか。

 

「この変形した身体で、人に勇気を与えられるとわかってうれしいよ」

 

このようなメッセージを亜梨さんに伝えてもくれたというマイロくんは、今日もマイロくん自身が笑顔になれる青空のもとで、出会う人を明るい気持ちに導き、車椅子姿で近くに寄り添いながら心を癒していることでしょう。

レトリーバー,取材

マイロくんは屋外で自然や出会う人と触れ合うのが大好き!

 

 

執筆者:臼井京音

ドッグライター・写真家として約20年間、世界の犬事情を取材。30歳を過ぎてオーストラリアで犬の問題行動カウンセリングを学んだのち、家庭犬のしつけインストラクターや犬の幼稚園UrbanPaws(2017年閉園)の園長としても活動。犬専門誌をはじめ新聞連載や週刊誌などでの執筆多数。

 

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