2018年12月31日2,423 ビュー View

子犬の迎え方いろいろ。盲導犬ボランティアという選択肢もアリ

ラブラドール・レトリーバーやゴールデン・レトリーバーの子犬を迎えたいと思ったら、みなさんはどうしますか?

ブリーダーさんから直接と言う方法もあれば、ペットショップ、保護団体からという方法もあります。さらには、盲導犬の育成団体から1歳くらいまで預かるというシステムを利用することも可能かもしれません。

どこから迎えるにしても、次のポイントはおさえておきたいものです。

ヨーロッパやオーストラリアには子犬を売るペットショップはほぼない

レトリーバー子犬

DTeibe Photography/shutterstock_

イギリスやドイツや北欧など動物愛護先進国のペットショップは、いわゆる生体販売をほとんど行っていません。ペットショップに置かれている商品は、ドッグフードやおもちゃや首輪類といったペット用品です。

 

2018年から、オーストラリアのヴィクトリア州の法律でも、ペットショップの店頭で犬猫を販売することが禁止されました。保護施設に保護されていて、新しい家族を探している犬猫のみショップに展示してよいとされています。

 

それでは、ヨーロッパやオーストラリアの人々がどこから犬を手に入れているかというと、目当ての犬種がいる場合や子犬から育てたい場合はブリーダーから直接。そうでない場合は、アニマルシェルターと呼ばれる愛護団体から迎えるケースが多くなります。

 

犬種ごとのレスキュー団体も数多く存在するので、そういった施設から望む犬種の保護犬を迎えるケースもめずらしくないでしょう。

 

ヨーロッパやオーストラリアの法律が誕生したのには、生後2カ月齢まで親犬や兄弟姉妹犬と一緒に過ごすことで、適切な社会化ができるという理由が挙げられます。

 

子犬の社会化不足が招く問題は軽視できず、ほかの犬とのコミュニケーションがうまくできなくなったり、噛む力加減がコントロールできなくなったり、臆病で自信のない性格に育ってしまったりします。

 

子犬の心身の健全な発育のためには、生後2カ月齢まで親犬や兄弟姉妹犬とたっぷり触れ合いながら過ごすのが理想的なのです。

 

営利目的で乱繁殖を行う、パピーミルと呼ばれるような業者を撲滅させたいという狙いも、法律施行の背景にあります。

 

日本ではペットショップでの生体販売を禁止する法律はありません。また、生後2カ月未満の子犬の販売が禁止されている国が多いなか、日本は2018年時点では生後49日齢規制に留まっています。

 

今後は日本も、ヨーロッパやオーストラリアのように、ペットショップで子犬を購入できなくなる方向に進むのではないでしょうか。

 

ブリーダー選びで大切なこと

レトリーバー子犬

Zayats Svetlana/shutterstock

ネット検索をすると、ブリーダーは多く見つかるかと思います。そのなかから、優良なブリーダーを探すポイントは次のとおりです。

 

ホームページを見て信頼が置けそうなこと

ホームページなどを見てチェックしたいのが、まずはレトリーバーだけ、あるいは似たタイプの犬種のみを繁殖しているかどうか。

 

ブリーダーは、欧米では「犬種の番人」などと言われます。その犬種を愛し、その犬種についての知識が豊富で、遺伝病を持つ血統を排除して健康な子犬が誕生するように計画繁殖に努めています。犬種の番人としての職務をまっとうするとなると、タイプの違う数多くの流行犬種ばかりを同時に扱うのはむずかしくなるでしょう。

 

また、後世に子孫を残せる健康優良犬というお墨付きを審査員からもらえる場でもあるドッグショーへの出陳を行っていて、実際に評価を得ているブリーダーも、優良ブリーダーである可能性が高くなります。

 

犬舎を訪れた際に衛生的で犬の吠え声がうるさすぎない

いざ親犬や子犬を見せてもらいに犬舎を訪れた際、犬の吠え声がいつまでも続くようなことがなく、衛生的であるかも大切なポイント。親犬がフレンドリーでおおらかであれば理想的です。

 

実際の説明で遺伝病がないことが判断できる

ブリーダーさんの説明では、遺伝病への取り組みも聞いておきましょう。レトリーバーであれば股関節形成不全や進行性網膜萎縮などの遺伝病のチェックを、親犬や祖父母犬などに対して行っていて「クリア」であることや、遺伝性の病気を発症した犬を繁殖ラインからはずしていることがわかれば、安心材料のひとつになります。

 

保護犬を迎える際に心得ておくこと

レトリーバー子犬

Vladimir Gjorgiev/shutterstock

保護犬のレトリーバーを迎えることを検討している方は、まず、次のことを心得ておくとよいかと思います。

 

ひとつは、保護犬がもしかすると将来、股関節形成不全など遺伝が関係する病気の症状を示す可能性があるということです。

 

不衛生な環境で母犬の身体に負荷がかかるような乱繁殖が行われている、パピーミル(子犬工場)と呼ばれるような場所で誕生していた場合、先天的に遺伝性の疾患を抱えている可能性が否定できません。

 

一緒に暮らしていくなかで病院通いが増えたり治療費などがかかる可能性があることは、覚悟しておく必要があるでしょう。

 

もうひとつは、早期離乳やパピーミルで育ったことによって社会化が不足している可能性があること。社会化を行うには、警戒心よりも好奇心が旺盛な子犬のうちが黄金期と言われています。

 

自信がなくて受け入れられるものが少ないと、飼い主さんが苦労するシーンが出てくるかもしれません。それも受け入れる覚悟が重要です。

 

もちろん、保護犬でも遺伝性疾患や社会化不足の心配がまったくないレトリーバーもいます。

 

念のため、上記のことを心得てから、家族にぴったりの保護犬を探すのをおすすめします。

 

盲導犬候補生のパピーをボランティアで預かることもできる

レトリーバー子犬

DTeibe Photography/shutterstock_

レトリーバーサイズの大型犬と暮らすのは、飼い主さんの力も必要になりますし、金銭的にも物理的にも大変です。

 

もしも、5~10年先にライフスタイルの変化などが訪れそうで、そのときに大型犬と暮らすのがむずかしく思われる場合や、ぜひ社会に貢献する活動をしてみたいと思う場合などは、盲導犬の育成団体から盲導犬候補犬のパピーを飼育ボランティアとして預かるという方法を検討してみるのもよいでしょう。

 

団体によっては「パピーウォーカー」や「飼育奉仕」などと呼ばれるシステムで、だいたい生後2カ月くらいから1歳すぎまで預かります。飼育ボランティアになるには条件があるので、それがクリアできなければ実現しませんが、興味があればホームページなどで検索してみてください。

 

いずれにしても、時間的にも金銭的にも余裕を持って、家族にぴったりの方法でレトリーバーを迎えたいものです。レト愛を持って探せば、きっとすばらしい縁がつながるに違いありません。

 

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