【レトも楽しめない】自転車散歩は危険!罪になるケースも
レトリーバーは豊富な運動量が必要なので、長距離を走らせてあげようと、飼い主さんが自転車に乗って愛レトを散歩させているというケースもあるでしょう。でも、ちょっと待って。法律上、それはアウトの可能性があります。それに、愛レトにとっても安全とは言えません。
自転車散歩をしているレト仲間にさりげなく注意する方法も、頭に入れておきたいものです。
愛レトの体を傷める可能性がある散歩法
レトリーバーは運動欲求の高い犬種です。とくに、一説によるとラブラドールはゴールデンの5倍以上の運動量を必要とするとも言われています。
そこで、愛レトのために自転車で散歩をするというアイデアを思いつく飼い主さんも少なくないようです。
ところが獣医師に聞くと、自転車による散歩が原因で頚椎をねんざしたりして受診する大型犬が少なくないとか。
自転車に乗った飼い主さんと走ったり歩いたりしていても、レトたちはうんちがしたくなったりして、急に立ち止まることがあるでしょう。その際に、自転車がレトと同じタイミングでストップしないと、首をグキっとやってしまうのです。
歩みが遅くなって自転車に引っ張られている状態が日常的に続くと、頚椎ヘルニアの原因になる可能性もあると獣医師は指摘します。
首だけでなく、背骨や四肢に負担がかかる可能性も否定できません。
自転車が停車できなかった場合、愛レトが地面に引きずられてケガをしてしまう危険性もあります。
そう考えると、自転車散歩は愛レトの健康を損ねるかもしれないハイリスクな散歩法だと言えるでしょう。
もしかして自転車散歩は楽しくないかも
愛レトにたくさん運動させてあげられるというメリットが、自転車散歩にはあります。ただし、前述のとおり愛レトを危険にさらしてしまうのも事実。
そのうえ、歩調を自転車に合わせなければならないので、場合によっては走りたくなくても走らねばならず、自由ににおい嗅ぎもできず、愛レトとしては自転車での散歩が楽しめないどころか、苦痛に感じているかもしれません。
もしかすると、たくさんの運動量を確保できたと満足しているのは、飼い主さんだけという可能性も……。
実際に、欧米では自転車散歩の犬をまず見ることがありません。それどころか、「自転車に引かれて散歩している犬がいる」と、アニマルポリスなどに通報されてしまうケースも多いとか。どうやら欧米人の感覚では、自転車散歩は動物虐待に当てはまるようです。
条例違反や法律違反に当たる!?
2015年6月から、改正道路交通法が施行されました。これによって自転車の道路交通法違反に対する取り締まりが強化されています。
犬を引いての自転車運転は「危険運転」に該当するケースがあります。
そもそも、自転車は法律上、車両扱いです。そのため、人が歩きながら自転車を押している場合を除いて、通常は車道を使用するという決まりがあるのです。
けれども犬は車両ではないので車道を歩くことはできません。ここに矛盾が生じるのはおわかりかと思いますが、犬を引いて歩道を走る自転車も、自転車に引かれて車道を走る犬も法律上あり得ないというわけなのです。
ただし、歩道に「自転車通行可」の道路標識や道路標示がある場合や、歩道に「普通自転車通行指定部分」の道路標示がある場合などは、例外として自転車が歩道を通行することが認められています。
また、私道には法律が適用されません。そのため、自転車散歩をしている犬を実際には見かけることになるでしょう。
結論として、公道を自転車で犬を引いて走ることは「道路交通法違反」になるというのは、まぎれもない事実なのです。
また、自転車に引かれている犬は、飼い主さんの予測できない動きをすることがあります。なにかに驚いて逃げたくなったり、ほかの犬を見つけて近づきたくなったりしたときなどでしょうか。
そのとき、歩行者にぶつかって歩行者をケガさせてしまう恐れもあります。
そうなると、自転車に乗っていた飼い主さんは「業務上過失傷害罪」に問われてしまいます。この罪に対しては、5年以下の懲役、禁固、または50万円以下の罰金が科せられます。
当然、ケガを負わせてしまった被害者に対して、治療費や通院費などを支払わなければなりません。持ち物を破損してしまった場合は、弁償する必要もあります。
愛犬のコントロールをしにくいという点でも、自転車散歩はとても危険だと言えるでしょう。
もし、身近に自転車散歩をしているレト仲間がいるようであれば、「犬を引きながら自転車に乗るのは道路交通法違反になるみたい」と、さりげなく教えてあげてください。
愛レトをたくさん運動させてあげるには
自転車散歩という手段ではなく、散歩中に愛レトにたくさん運動をさせてあげるならば、公園でのロングリードがおすすめです。
もちろん、ほかに公園を利用している人に迷惑をかけたり、ロングリードに足を引っかけてケガをさせてしまったりしないように細心の注意を忘れずに。
なるべくならばあまり人がいない時間帯の公園を狙い、ロングリードを愛レトにつけてボール遊びなどをしてあげるのがよいでしょう。
こちらの記事も合わせてチェックしてみてくださいね。
臼井京音 プロフィール
ドッグライター・写真家として約20年間、世界の犬事情を取材。30歳を過ぎてオーストラリアで犬の問題行動カウンセリングを学んだのち、家庭犬のしつけインストラクターや犬の幼稚園UrbanPaws(2017年閉園)の園長としても活動。犬専門誌をはじめ新聞連載や週刊誌などでの執筆多数。
おすすめ記事
-
【掃除機革命!】ゴミ捨て不要・抜け毛がからまない・ナノイーX搭載のパナソニック『セパレート コードレス掃除機』に驚愕
レトリーバーにどっぷりハマって見えた、新たな事実…。それは彼らの換毛期はバラバラで、一年中抜け毛が激しいということ。しかも在宅時間が増えたから、今まで以上に抜け毛が気になって仕方がない…!
今回ご紹介するのは「スティック本体のゴミ捨て不要/抜け毛がからまない/ナノイーX搭載/超軽量」の革命的な掃除機。
編集部も驚愕した、今の時代にふさわしい掃除機の全貌をご覧あれ!(ハッキリいって、見なきゃソンです)
(sponsored by パナソニック株式会社)
PR -
【取材・看板犬】大型犬の聖地!湘南のドッグカフェ&ラン〜看板犬はゴールデンのマーリー〜
レトをはじめとした大型犬オーナーが頭を悩ませるのは、彼らが存分に楽しめるドッグラン探し。広いのはもちろんのこと、そこに集まる犬種だって私たちには重要!
今回取材をしたのは、大型犬が多く集まるドッグカフェ&ラン「Ven! (ベン)kitchen&dog garden」。ここの看板犬はゴールデンレトリーバーのマーリー。だからなのか、集まるワンコたちも大型犬が多数!
取材 -
【取材】「今日はノリが悪い」で炎症発見。12歳&14歳、2頭をレジェンドにしたのは小さな違和感も見逃さない観察力。 #2 大吉
平均寿命が10〜12歳と言われる大型犬のレトリーバーたち。そこで10歳を過ぎたレトリーバーを憧れと敬意を込めて“レジェンドレトリーバー”と呼んでいるRetriever life。その元気の秘訣をオーナーさんに伺うのが、特集『レジェンドレトリーバーの肖像』です。今回は、つい最近まで14歳の黒ラブ・カノンちゃんと暮らしていた大吉くん12歳が登場します。2頭のレジェンドレトを育てあげたオーナーさんのお話には、きっと長生きのヒントが隠れているはず。
連載 -
やんちゃな子犬に優しく寄り添い、大きな心で受け入れてくれたゴールデン。【ほっこり動画】
今回ご紹介するのは、パピーに優しく接するゴルの動画。ウトウトしているところに突撃されても、文句も言わずに受け入れてくれるのです。さらには笑顔って…紳士すぎ!
-
「まだかな…」大好きなパパの帰宅を待つラブラドール。健気な後ろ姿が愛おしすぎた【動画】
今回は、どうしたって愛おしく感じてしまうラブのお出迎えシーンをご紹介。オーナーさんの帰宅を察して一目散に駆けてきたり、帰宅前からソワソワと待ち続けていたり。こんなお出迎えをしてもらえたら、一日の疲れなんて吹き飛ぶでしょうね!
-
【インタビュー】マンボウやしろ〜究極のラブラドール愛と、女性に“飼われてみた”日々〜
元お笑い芸人の「マンボウやしろ」さんは、大のラブラドール好きとして知られています。ラブラドールが大きく描かれたTシャツを5着も所有し、将来の夢を聞かれたら「ラブラドールで軍隊をつくること」と答えるほど。
今は環境柄ラブラドールと暮らせないとのことで、今回はたっぷり触れ合っていただき、ラブラドール愛を語っていただきました。
取材 -
(スイー…)泳ぎが苦手なゴールデンが浮き輪を使って上手に遊んでた。これは可愛すぎる【動画】
ゴルは水や泳ぐのが好きな犬種。水上に落ちたおもちゃを回収したり、水飛沫をあげて楽しむ姿を想像するのは難しくありません。しかし、人にも得意不得意があるように、中には泳ぎが苦手なゴルもいるようで…。
-
「イヤだなぁ…」カッパを着せられて雨散歩だと察したラブラドールから漂う哀愁がスゴい。【動画】
いつもは明るい性格のラブですが、たまにはテンションが低くなってしまうことがあるのです。それはお天気が雨の日。お散歩で濡れることがイヤだったり、お散歩に行けず拗ねた姿が子どものようでクスッとしちゃいます!
特集
-
ゴールデン・レトリーバー とは
ゴールデンのからだの特徴や性格、歴史など基本情報をご紹介!
-
ラブラドール・レトリーバー とは
ラブのからだの特徴や性格、歴史など基本情報をご紹介!
-
【特集】新・家術〜進化型家電と、新しい愛情物語
愛犬たちとのかけがえのない生活をもっと楽しく快適に暮らすために。
-
【特集】15歳を目指す健康術
レトが長生きする秘訣は、まだまだ世界中にあふれているはずだ。
-
【特集】レジェンドレトの肖像ー10歳を超えて
-
【マンガ連載】今日も父はレトバカです
-
【特集】ゴルの魅力 vs ラブの引力
それぞれをこよなく愛する人たちが、その思いを存分に語ります!
-
【特集】レト愛が止まらない!
隠れた著名人のレトファンをインタビュー!
-
【特集】レトを迎えたら。
レトを迎えたらしたいこと。アドバイスも!
-
レトリーバー 病気辞典
獣医師監修のRetriever Lifeオリジナル病気辞典。あなたの愛するレトを守るための情報満載
-
レトリーバー里親/保護犬情報
Retriever Lifeでは、保護犬を一頭でも多く救うための活動支援をしています。
-
RETRIEVER LIFEとは
レトリーバーが、好きだから。国内最大級のレトメディア