レトがうんちを食べてしまう理由と防止法【犬の食糞症】
愛レトがうんちを食べてしまって困っているという飼い主さんも少なくないでしょう。なぜ、食糞をするレトリーバーがいるのか、そして予防する方法はあるか。知っておけば、飼い主さんのストレス軽減にも役立つはずです。
目次
犬にとって食糞は異常なことではない
犬たちは生まれてしばらくの間、母親が育児放棄でもしない限りは母犬から母乳をもらい、排泄の世話をしてもらいながら成長します。
母犬はまだ体温調節ができない新生児を抱いて温め、まだ目も見えず自力で排泄ができない子犬のおしりをなめて刺激することで排泄を促し、なめ取った排泄物をそのまま食べてしまいます。
それは、野生の環境下では排泄物の臭いによって天敵が犬の巣穴の場所を探り当て、子犬たちを食べられてしまう危険性があるので、なるべく自分たちの存在が気づかれそうな強い臭いを放つものは巣穴に残さないためです。
もうひとつは、犬はもともと寝床から離れた場所で排泄をして、寝床を清潔に保とうとする動物だから。ただ単に寝床と子犬の体を汚さないためだとも考えられます。
いずれにしても、母犬にとっては子犬のおしっこやうんちを食べることは本能的な行為なのです。当然、排泄物を口にすることへの抵抗感もありません。
余談ですが、イヌ科の動物であるオオカミはカモシカの糞を食べることがあるとか。オオカミは草食動物の胃を食べることで食物繊維を摂取していると言われますが、糞からも栄養分や繊維質を補っているのかもしれません。
現代のレトリーバーに食糞はデメリットばかり
子育てをする母犬を除いて、現代を生きる家庭犬には食糞をする必要はありません。
それどころか、口臭の原因になったり、新生児期の子犬の便よりも多い便を食べるわけですから、体内に入った大腸菌のせいで体調を壊したり、最悪のケースでは同居犬や散歩中の犬の便に含まれていた寄生虫やウイルスなどに感染する危険性もあります。
食糞にはメリットはありません。もし、愛レトにうんちを食べる癖があるようならば、健康のためにも早期にストップさせてあげましょう。
現代レトたちがうんちを食べるワケ
ではなぜ、うんちを食べてしまうレトリーバーがいるのでしょうか。
子犬期に、食糞の癖がついてしまっていたかもしれません。母犬や兄弟姉妹犬と早期に離されてしまってひとりになり、遊び相手や遊び道具が身近になくて、たまたまうんちで遊び始めてしまったところ、癖になってうんちをかじったり食べたりするようになる可能性があります。
親兄弟から離れてペットショップに移動してから、食糞を始める犬もいます。
多くのペットショップは閉店後から翌日の開店時間近くまでは無人になりますが、その間に空腹を覚えた子犬が、食欲を満たすために自分の糞を食べてしまうケースがあるようです。
それらの習慣が成犬になっても残り、退屈になったりお腹が空いたりすると、つい自分のうんちを食べてしまうというワケです。
獣医学的には、便を食べる癖を「食糞症」と呼びます。
食糞の防止前に気を付けておきたいこと
食糞をやめさせる前に、まず、以下に当てはまっていないかを思い起こしてください。
1)愛レトのごはんが足りているか。
2)食糞のほかの嘔吐や異食癖がないか。
1番目に関しては、愛レトが痩せていないかのチェックもあわせて行ってください。食事量がそもそも不足している場合、栄養を補うために食糞をすることがあります。
まずは、適切な食事管理によって愛レトを適正体重に導いてあげましょう。
そのポイントを見直すだけで、食糞がストップする例もあります。
2番目については、寄生虫がお腹にいる可能性が考えられます。寄生虫による胃腸への刺激や胃腸の不快感が原因で、それを解消しようと食糞をしたり、食べ物ではない身近なものをあれこれと異食をしてしまうことがあるとか。
レトリーバーは胃に内容物がある状態で運動をすると胃捻転にもなりやすく、食べ物以外のものが胃腸に入ると腸閉塞になる危険性もあります。
もし食糞と同時に異食や嘔吐などが見られる場合は、早急に獣医師に相談しましょう。
うんちを食べないようにするには

RelentlessImages/shutterstock
愛レトが食糞しようとした瞬間を目撃したら、どうしますか?
実は食糞を助長させてしまう飼い主さんの行為は、「コラーッ」と声を出したり、うんちを口から放させようと追いかけたりすること。うんちをくわえると飼い主さんの注意を引けて、追いかけっこ遊びにまで発展できる可能性があると、愛レトは学習してしまっているかもしれません。
もし愛レトがくわえたものを放す「オフ(放せ)」のトレーニングを習得しているのであれば、うんちをくわえた愛レトに低い声で冷静に「オフ」と声をかけ、追いかけずに、その場でうんちを床に落とすのを待ちます。
愛レトを信じながら! いざ愛レトがうんちを口から放したら「そう、いい子~」とほめて、名前を呼んで飼い主さんの足元に呼び寄せ、一旦「オスワリ」をさせて愛レトの気持ちを落ち着けてから、ごほうびのおやつをあげましょう。
排便後はすぐに片づけるのが予防法としては効果的ですが、留守番時間があるなど、うんちをすぐに片づけられない環境下で愛レトと暮らしている場合もあるでしょう。
そんなときは、市販されている食糞を予防グッズを使用するのもひとつの解決策です。うんちに、まずい味がする液体などをふりかけたり混ぜたりして、「うわっ! 自分のうんちってまず過ぎて食べられない」と、愛レトに思ってもらうアイテムです。
うんちの中に唐辛子やワサビなどを隠して練り込み、食糞をストップさせたというレトリーバーの飼い主さんもいます(※健康被害が生じる可能性があるので注意してください)。
これらを試しても食糞が続く場合、行動治療などに詳しい獣医師やドッグトレーナーに相談を。愛レトの健康で快適な生活のために、なるべく早期に食糞癖を解消してあげたいものです。
こちらの記事も合わせてチェックしてみてくださいね。
臼井京音 プロフィール
ドッグライター・写真家として約20年間、世界の犬事情を取材。30歳を過ぎてオーストラリアで犬の問題行動カウンセリングを学んだのち、家庭犬のしつけインストラクターや犬の幼稚園UrbanPaws(2017年閉園)の園長としても活動。犬専門誌をはじめ新聞連載や週刊誌などでの執筆多数。
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