2019年4月23日264 ビュー View

【レポート】シニアレト熱中!ノーズワークのセミナーに潜入

最近流行のノーズワークを楽しむレトが増えていると聞き、レトが参加するレッスンに潜入取材。

1年ほど前は病後に歩く元気もなかったという13歳の黒ラブの玄太郎くんですが、ノーズワークを始めてから、表情も動きもイキイキとしてきたそうです。

シニアでも身体に障害があっても楽しめるというノーズワークの魅力を、たっぷり探ってみましょう。

レトリーバーはノーズワークが好き!

ノーズワークは、もともとはアメリカで保護犬の生活の質を向上させるために、考案され導入されたもの。

 

人の指示に従う正確性を競ってきた、これまでの訓練競技会やドッグスポーツなどとは違い、ノーズワークは犬の自主性を重んじる競技。犬のすぐれた嗅覚によって示されるサインを、逆に人が犬の行動から読み取ります。

 

トレーニングされていない犬でも行えることと、視力や聴力が弱かったり体が不自由でも、嗅覚さえ使えればどんな場所でも楽しめるのが、ノーズワークの人気の理由といえるでしょう。

「ボク玄太郎。最近ノーズワークに夢中なんだよね~」

今回取材をした、Akiホリスティック動物病院(東京都八王子市)で開催されたノーズワークレッスンの講師の松下裕子さん(ドッグトラスト代表)によると、

 

「レトリーバーは比較的粘り強い性格なのと、労働欲求が高いのでノーズワークに向いています。とくに、ラブラドールは意欲満々で、毎回驚きの集中力を発揮してくれています(笑)」

 

とのこと。

 

セミナーに月に1回のペースで約1年間参加しているという、13歳の黒ラブの玄太郎くんの飼い主さんは「あと、ラブは食欲旺盛ですからね。それも原動力になっているかも」と笑います。

シニアドッグでも楽しめるのがノーズワークの魅力

 

飼い主からの指示は不要

松下さんは日本でノーズワークを広めるべく2015年に設立された『ノーズワークファンフレンズ』のメンバー。

 

ノーズワークの発祥地アメリカには、ハンドラーが愛犬のリードを操ったり、犬に探させる目標物としてアロマの香りを用いたり、手法やルールが異なるグループがいくつか存在しているそうですが、松下さんたちのグループでは、目標物(ハイド)は犬のレベルや飼い主さんの希望によってアロマも使いますが、フードやトリーツを用いるのが多いことと、決して飼い主さんは犬のリードを引いたり指示を出したりしないのが特徴だとか。

 

「食べ物を嗅覚で探すのは、犬の本能です。そして、食べ物を探せたという達成感を犬たちに味わわせてあげたいですからね」と、松下さんは語ります。

松下さんの所属する団体の競技会では、フードをこの容器に入れて目標物として隠します

 

狭い場所でもできるのが魅力

今回ノーズワークレッスンが開催された動物病院の一室は、およそ6畳ほどの空間。最初は室内で、段ボール箱の中にそれぞれの犬専用のフードを隠して練習します。

 

「箱を整列させて配置するか、それともランダムに置くかでも、犬によって得意不得意が生じるんですよ。においの流れが変化するので、とても繊細なワークなんです」と、松下さんは教えてくれました。

 

においをキャッチする能力が高くなってきたら、段ボール箱のほか、家具の隙間などに目標物を隠します。

 

「コンペ(競技会)でも、インテリア・サーチと呼ばれる室内での目標物サーチを行います。時間制限内に行うこと、そして犬が目標物を嗅ぎ当てた瞬間をハンドラーがいかにすばやく正確にジャッジに伝えられるかがポイントです」(松下さん)。

インテリアサーチの様子。ハイドはソファの下面にあります

 

シニアレトが鼻息荒くハッスル!

翌月行われるコンペに向けた本格的な練習にと、まずは玄太郎くん専用のトリーツをコンペで使用する容器に入れて、ソファの座面の裏やクッションの隙間などに隠した松下さん。

 

「玄太郎君は、地面のにおいをキャッチするのは上手なんだけど、少し高い場所のにおいを探せるかなぁ」と、つぶやきながら控室の扉をオープン。

扉をオープン。右手が松下さんで左手が玄太郎くんの飼い主さん

「スンスンスンスンッ」と、玄太郎くんはすごい勢いの鼻息を室内に響かせながら、部屋中を行ったり来たりしています。

 

「アラート!」と、飼い主さんが合図するも、松下さんから「違います」との返答。

 

引き続きにおいを嗅ぐ玄太郎くんの様子を瞬きもせず観察しながら、再度「アラート」と、飼い主さんは声をあげました。

 

今度は松下さんから「はい。正解です」の言葉が。

 

飼い主さんは玄太郎くんのもとへすかさず駆け寄り、隠してあったのと同じトリーツを玄太郎くんに手からあげていました。

 

「すごいすごい!」と、飼い主さんもうれしそうです。

 

なぜわかったかという筆者の問いに対しては、「ふふふ。同じ場所を、2回嗅いだんですよ」と、飼い主さんは教えてくれました。

源太郎くん、ハイドを発見できました!

 

屋外でのエクステリア・サーチ

コンペを想定したレッスンなので、室内の次は難易度の上がる屋外のエクステリア・サーチも実施。

 

玄太郎くんの飼い主さんは握ったリードを決して張ることなくたるませたまま、玄太郎くんの動きに寄り添いながら観察をしています。

 

玄太郎くんは集中してハイドをサーチしていますが、風向きでにおいが不安定なのか、またはほかのにおいが風に乗って運ばれてくるからか、なかなか見つけられずにいます。

 

そして、残念ながら制限時間切れに。

 

松下さんによると「玄太郎くん、実は一度気づいていたんですよ。そのサインをママが見逃してしまったかも……」とのこと。

「それから、実は玄太郎くんに『ここから後ろへは行かないで』というようなメッセージを送ることになってしまう場所に、ママが立っていたんですよ。

 

玄太郎くんが、サーチする場所全体を自由に動けるようなポジショニングも大切ですね」とも、松下さんはアドバイス。

難易度がアップする屋外でのエクステリア・サーチ

少し休憩してから再チャレンジした玄太郎くん。今度は飼い主さんの位置取りも良好なようで、「アラート」と、時間通りにハイドを見つけられました。

 

「ハイドのにおいをキャッチした玄ちゃんが、くるっと勢いよく頭部を回す“ヘッドターン”を見せたんです。それでわかりました」と、飼い主さんは教えてくれました。

隠したおやつと同じおやつを、飼い主さんがご褒美にすかさずあげます

 

なかなか奥が深い、ノーズワーク!嗅覚を使うことは犬の喜びでもあります。

 

ぜひみなさんも自宅で、愛レトの脳トレを兼ねて、ノーズワーク的な遊びを気軽に取り入れてあげてください。

 

もちろん、本格的にレッスンに通って、コンペに出場するのも楽しいでしょう。

 

 

こちらの記事も合わせてチェックしてみてくださいね。

知っておきたい、レトリーバーの【5大ストレスサイン】

 

臼井京音 プロフィール

ドッグライター・写真家として約20年間、世界の犬事情を取材。30歳を過ぎてオーストラリアで犬の問題行動カウンセリングを学んだのち、家庭犬のしつけインストラクターや犬の幼稚園UrbanPaws(2017年閉園)の園長としても活動。犬専門誌をはじめ新聞連載や週刊誌などでの執筆多数。

いいなと思ったらシェア

おすすめ記事