2019年7月11日899 ビュー View

【取材】『カヌー工房の看板犬はセラピードッグでもあるマルチなゴル』― [ゴルの魅力VSラブの引力]

埼玉県の前野洋子さんは、大のゴールデンラバー。現在は4頭目のゴルと、職場でも一緒に過ごしています。ときにはカヌー工房の看板犬、ときにはセラピードッグ、また最近は子どもたちの本の読み聞かせ相手……。たくさんの顔を持つ、ビッグサイズなゴルのりんごくんのストーリーを紹介します。

ゴールデンばかり迎えること、4頭目

前野さんが現在一緒に暮らしているりんごくんは、4頭目のゴールデン・レトリーバー。

 

「ほかの犬種は考えられないほど、ゴールデンが大好きなんです。今11歳のりんごは、我が家のゴールデンでは初の男の子。いくら穏やかなゴールデンとはいえ、やっぱり今までの女の子よりは最初からやんちゃで少しハイパーでした」と、前野さんはパピー時代のりんごくんを振り返ります。

「10頭の兄弟姉妹の中から一番大きくなりそうな男の子を選びました」(前野さん)

 

そのため、最初の1年間はトレーニングに力をいれたとか。

 

「重視したのが“おいで”でした。飯能市に市町村合併される以前は名栗村だった、自然豊かな人口の少ないところに住んでいるので、ロングリードをりんごにつけて、私のあとをついてくるように徹底して練習しましたね。“おいで~”と言いながら。そばまで来たら、とびきりほめてあげました」と、前野さん。

 

その甲斐あって、りんごくんは今でも一日中前野さんのあとをついて歩くほどになったそうです。

 

「オスは甘えん坊っていうけど、本当に、りんごのベタベタしてくる感じがたまらなくかわいいんですよね」と、前野さんは頬を緩めます。

「ママ~、待って~!」と、前野さんのあとを追うりんごくん

 

子犬期に目指せ! 100人との触れ合い

りんごくんは前野さんの職場である“名栗カヌー工房”に生後2ヵ月頃から一緒に出勤するようになり、1歳までに100人を超える人と触れ合えたと言います。

 

「パピー期に貴重な社会化レッスンができましたね。私はりんごを迎えたとき、みかんという名のゴールデンとともに、JAHA(公益社団法人 日本動物病院協会)のアニマル・アシステッド・アクティビティ(AAA)活動を、月に3回ほど老人ホームなどに訪問して行っていたのですが、人慣れができたりんごも、さっそく同伴させることにしたんです」とのこと。

 

人が大好きなりんごくんが、ゴールデン特有の柔和な表情で訪問先の人々に自分から近づき心なごませてきたのは、想像にかたくないでしょう。

 

生後8ヵ月でセラピードッグとしてデビューしてから、りんごくんはこれまで10年間、AAA活動を続けてきたそうです。

名栗カヌー工房の看板犬としても活躍

 

看板犬としてもセラピードッグの本領を発揮

名栗カヌー工房の扉を開くと、ライオン風のしっぽを振り、筆者を出迎えてくれたりんごくん。

 

「おはよう。今日は暑いね。でもライオン風のサマーカットだし、この床は涼しそうでいいね」と、つい筆者はりんごくんに語りかけずにはいられませんでした。

 

そして、気づけばサラサラと輝く黄金色のコートを撫でていました。

扉を開けるとりんごくんの姿がありました

 

「お客さんに『わぁ、ライオンだ』とイジられることもありますね(笑)。それにしてもゴールデンって、人の話を聞くのがすごく上手だと思いませんか」と、前野さん。

 

確かに、「わ~いっ!」という大歓迎ではなく、そっと来客を見つめながら「いらっしゃい」と言ってくれているかのようなりんごくんの雰囲気は、ゴル独特なのか、ゆったりと落ち着いています。

 

りんごくんは、カヌー工房内では自由に過ごしています。

 

たいがいは前野さんの視界に入るところにいますが、ときにはカヌーを作っているお客さんのところをへ足を運び「撫でて~」と、アピールしていることもあるとか。

 

「りんごと触れ合うのを楽しみに訪れるお客さんも多いんですよ」という、前野さんの言葉にも納得です。

こうやって、カヌー製作中の方のもとをまわりながらあいさつ

 

りんごくんは、ほかの犬との接し方も上手だと言います。

 

「レンタルのカヌーに愛犬と一緒に乗って、名栗湖をめぐられるお客さんも多いんです。ワンちゃんによっては、40キロを超える大きなりんごを怖がることも。そんなワンちゃんには、りんごは目を合わせないように気遣い、半径50センチ以上は近寄らずじっとしています。反対に、りんごと遊びたい様子で近づいてくるワンちゃんには、しっぽを振って笑顔で対応しています。相手の犬の態度によって、接客の態度を変えられるりんごは、えらい!」と、前野さんは微笑みます。

りんごくんには絶大な信頼感を寄せる前野さん

 

泳ぎも大好き! 読み聞かせもされちゃう

“ママ命”なりんごくんは、前野さんが湖で泳いでいたら、「ママ、待って~」とばかりに自分から飛び込んで泳ぐようになったそうです。

 

「作戦成功でした(笑)。それは、生後4ヵ月位の時でしたね。以来、泳ぐのが大好きになりました」。

 

そんなりんごくんのために、カヌーを漕ぐパドルを模した小さなダンベルを作ってもらい、それを湖に投げてよく遊んだそうです。

 

「なんといっても、レトリーバーですからね。水に飛び込んで取ってくる時は、どこか誇らしそうな表情でしたよ」と、前野さん。

「ママ、今日はミニパドル持ってきてないの?」byりんごくん

 

10歳を過ぎてからは、りんごくん自ら泳ぐことはしなくなったそうですが、カヌー工房で過ごす時間はこれまでどおり楽しんでいる様子。

 

「私とならば、カヌーにも乗りました。今は、足腰が少し衰えてしまいましたが、看板犬として、そしてセラピードッグとしてはまだまだ現役です」とのこと。

湖をわたる風のにおいを嗅ぎながら、湖畔で過ごすのが大好き

 

さらに、3年前からはりんごくんは新しいことにもチャレンジしているとか。

 

「JAHAの、読み聞かせプログラムに参加しているんですよ。子どもたちが本を読むのを、横でじっと聞いているという一種のセラピー活動ですね。実は、最初に迎えたゴールデンのももは、セラピー活動があまり好きではありませんでした。そのあとの、めろんとみかんは生き生きとセラピー活動に取り組んでいましたけどね。りんごは、みかんの背中を見て育ったし、シニアになって動きがゆっくりになってきたのもあるかもしれませんが、読み聞かせプログラムに参加するには適任だと思います」(前野さん)。

「ぜひ遊びに来てね~! 待ってるよ」byりんごくん

 

ゴールデンをこよなく愛する前野さんとりんごくんが見つめあう姿を見ていると、ゴールデンの良さがひしひしと伝わってきました。

 

りんごくん、これからもたくさんのみんなの心をなごませてね!

(text/photo:Kyone Usui)

 

 

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