【取材/レトとカヌー】臼井晴行さん、も〜り〜(8歳)の場合 ー特集「この夏、レトとこう遊べ!」
酷暑がつづく昨今の夏。タフなレトリーバーたちだって、熱中症には充分気をつけなければなりません。 お散歩の時間を短くしたり、お出かけを控えたり。とはいえ…レトたちにとって、カラダを動かせないことの方が、もっと過酷なのかもしれません。
夏の遊びは、水のあるところへ。初心者でもチャレンジしやすいカヌーなどいかがでしょうか。
この夏、レトとこう遊べ!
【レトとカヌー】臼井晴行さん、も〜り〜(8歳)の場合
[カヌー歴]
臼井さん 22年
も〜り〜 8年

さぁ、今日はどのくらいまで行きたいかな!?
緑が映える静かな湖面にレトが元気よくたてる水しぶき
福島県の裏磐梯で『四季の森 山荘』を営む臼井さん。
雰囲気ある石造りの建物は森に溶け込むように建ち、背後に6千坪の森、目前に美しい桧原湖が広がり、愛犬たちにとって最高の遊び場となっている。
臼井さんがこの場所に住まい、カヌーを始めて二十数年。そのほとんどは愛犬と一緒だ。

臼井さんのパドルが止まるまでじっと待つも〜り〜
「犬をカヌーに乗せるようになったのは、初代のハナを飼い始めた頃。あるとき、私が湖面にカヌーを浮かべ、妻とハナは水辺で遊んでいました。すると突然、ハナが夢中で私のところまで泳いできたんです! それがもう嬉しくて嬉しくて……」
制止の声も振り切り、一直線に臼井さんへと泳いでいったハナ。
ハァハァと息を弾ませ、嬉しそうにしていたハナの姿を、「今も忘れられません」と臼井さんが振り返る。
そんなきっかけから、彼らは一緒にカヌーを楽しむようになった。
「当時は世間的にも、ラブと人がこんなにフレンドリーな関係を築くことができるという認識が浅くて。私自身、ハナに遊び方を教えてもらったようなものです」
ハナの思い出話をしながら、カヌーの準備をする臼井さんのもとに、も〜り〜が駆け寄ってくる。
湖に行くことを予感し、大好きなおもちゃをくわえ、早く行こうと急きたてる。
それを横目に、臼井さんが言った。
「愛犬とカヌーというと、静かな森陰の水辺を、スーッと流れていくイメージかもしれませんが……も〜り〜の場合は、飛んで跳ねて泳いでびしょ濡れになる遊び方ですよ(笑)」
実は、カヌーに乗ることは、犬にとっては少し退屈。
飼い主と一緒にいられる充足はあるが、活発なコは、じっとしているより遊びたいものだ。

おもちゃを投げると、「待ってました!」とばかりに飛び込み、水を掻き出す。も〜り〜にとって濡れることは勲章なのだ
「二代目のモモが本当に活発で、おとなしくしてると思ったら作戦を立ててきて、そーっとボールを落としたりする。そして『取りに行っていい?』って顔をして(笑)」
三代目のも〜り〜もまた、活発な女のコ。臼井さんがカヌーをこぎ出すやいなや、威勢よく飛び込んでいく。
投げられたおもちゃを追いかけ、くわえて臼井さんの元へと戻る。
何度か繰り返すと、カヌーに足をかけ、引っ張り上げてもらう。
そしてブルブルっと水を払い、臼井さんの横にちょこんと座る。
端から見ても、その一部始終に愛情と信頼が伝わってきた。
「犬の性格や個性によって、遊び方は変わりますが、犬と一緒に、全身でこの大自然を感じられること。素晴らしい環境のなかで、も〜り〜が最高に喜ぶ姿を見られること。それが何よりの喜びだと思っています」
もっと知りたい レトと一緒にカヌーのあれこれ
Q始めたきっかけは何ですか?
「30年前に参加したカヌー体験会のおもしろさが忘れられず、『四季の森 山荘』を開くとき、カヌーができる水辺のある森を探しました」。
以来カヌー歴二十数年の臼井さん。ある日カヌーに乗っていたら、初代ラブのハナが、突然岸からカヌーまで泳いできたという。その日から、犬とカヌーに乗るようになった。
Q道具は何が必要ですか?
「私はTシャツ&短パンが基本です。水上は日差しを遮るものがないので、帽子も必須ですね。犬もときどき木陰に上陸させてあげてください」
また、犬にも必ずフロートコートを。犬も何かに驚いて溺れかけることはあり、さらに人間が溺れたとき、フロートコートを着用した犬がそばに来れば、捕まることもできる。
「何でも動きやすさと安全を考えて選んで。水辺までの道では長靴が重宝しますが、カヌーに乗るときには要注意です。他にサングラスやタオル、虫除けなどもあると便利。長時間のときは水分補給も考慮して」
Qレトのトレーニングは必要でしたか?
基本のしつけができることは旅の前提として、「沈せずにツーリングするためには、犬がカヌーでおとなしくしていられるかどうかがカギ」。
とはいえ、初めてのときは犬だって落ち着かないもの。様子をよく見てあげる必要がある。
「おとなしい性格のコで、そのままカヌーに慣れてしまえそうなら、漕ぎ出して問題ないでしょう」。
Qお金はかかりますか?
カヌーとパドル、ライフジャケットなどを一式買いそろえるとなると、決して安い買い物ではない。
「保管場所や維持の問題もあるので、最初はレンタルなどで始めてみては」。
全国には1時間1,000円台〜のレンタルカヌーがあるほか、初心者指導付きの体験ツアーもある。ペット歓迎、犬用フロートコートの貸し出しがあるところも多いので安心だ。
Q1回でどれぐらい時間をかけますか?
「2時間ぐらいです。犬の性格によって遊び方は違いますが、も〜り〜はじっとカヌーに乗っているより、隙あらば飛び込んだり、泳いだり。カヌーに乗って頭を空っぽにしてぼーっとしたいと思うときもありますが、も〜り〜はさせてくれないですね(笑)」。
犬は泳ぐことより投げたものを回収するのが好きなので、飼い主がぼーっとするのは難しい。
Qどの季節でもできますか?
「5月中旬から10月いっぱい、陽気がよければ11月初旬の連休くらいまでがベスト」。
人間が「もう水遊びのシーズンじゃないな」と肌で感じたら、無理をしない方がよい。涼しい時期なら人間は厚着をして、カヌーは絶対に沈させないこと。
「も〜り〜は残雪がある時期でも平気で水遊びしますが、濡れた後は素早くよく拭いてあげるのが大事です」
Q気をつけていることはありますか?
「犬がカヌーに慣れて遊び出すと、沈する可能性が格段に高まります。犬が飛び込んだり、這い上がったりするたびに、船体が揺れるんです」。
特に上がるとき、犬は前足をかけても自力で上がれず、人が引っ張り上げなければならない。その際、カヌーの一点に重さがかかってしまうと、転覆しやすくなる。
慎重に、重心を分散させる配慮が必要だ。
Qこれから始める人にアドバイスを
「犬とカヌーに乗るときは、落ちたり濡れたりするのはあたりまえと思って」と臼井さん。沈したり、びしょ濡れになることを事前に想定しておけば、万一の時もパニックにならずに済む。「できれば愛犬と乗る前にカヌーを体験しておくと安心」。
また、安定性に優れたフローターを使えば、愛犬との密着度もアップ! 臼井さんイチオシのグッズだ。
写真=松永光希 文=藤咲茂
Photos:Koki Matsunaga Text:Shigemi Fujisaki
※この記事は、雑誌『RETRIEVER vol.88(エイ出版)』からの転載です。一部加筆・修正をし、公開しています。
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