2019年9月6日9,082 ビュー View

【子犬の時期にしておきたいことBEST10】飼い主がすすめるライフステージ別健康ケア ー特集「レトを迎えたら」

レトの飼い主が、子犬のころ 「やってよかった」あるいは 「やっておけばよかった」 と思っていることとは?

今後子犬を迎える人、今子犬と暮らしている人は獣医師の近藤悦子先生のアドバイスとあわせて、参考にしてみましょう。

この時期に大切なのは社会化と関係づくり

Africa Studio/shutterstock

レトの飼い主に「子犬のころやってよかった、もしくはやっておけばよかったと思うことは?」と聞いた結果、返ってきた回答がこのベスト10。

 

10のうち8つがしつけに関連する回答と、皆さんがしつけに真剣に取り組んできたことがわかる。

 

「ベスト1が“基本的なしつけ”ですが、これは人によって思い浮かべていることがさまざまでしょうね。この時期に特に大切なのは、社会化と、飼い主さんとの関係づくりの二つです。この時期の過ごし方が、成犬になってからの生活に大きく影響するので、がんばりましょう」

 

ちなみに、実際の回答には、子犬期に「甘やかしすぎた」「もっと甘えさせればよかった」という声もあったが、どちらが正解なのだろう。

 

「性格によって異なりますが、依存心の強いコは甘えさせすぎると家族と離れて過ごすことに強いストレスを感じるようになることも。家の中でいつもべったりではなくメリハリをつけて、ガムやオモチャを与えるなど独りの時間も設けましょう」

 

Best1 基本的なしつけ

BIGANDT.COM /shutterstock

◎しつけ教室に夫婦で通ったこと。ゴリゴリにしつけるのが目的ではなくて、どうやればいいコに育つかを正しく教えてもらい、とても勉強になりました(Y・Sさん)

 

◎人と一緒に行動するのに困らないしつけをひと通りやっておいたのはよかった(T・W さん)

★Advice!

子犬の時期にパピークラスやしつけ方教室に通って、しっかりとした関係性を築いておきましょう。正の強化を用いたほめるしつけを、愛犬と一緒に楽しく学ぶことをおすすめします。

 

Best2 問題行動の解決

レトリーバー子犬

Vladimir Gjorgiev/shutterstock

◎子犬のころから基本的なコマンドはしっかり教えたので  お散歩中困ることはあまりないのですが……拾い食いだけは……?「出して」と言うと1頭は出してくれるのですが、もう1頭は出してくれません(Y・O さん)

 

◎嬉しいと他人に飛びつくのがなかなか直らない(M・Y さん)

★Advice!

まだ何も学習していない子犬の時期に、環境を整えて問題行動を予防することが大事です。拾い食いの場合、無理やり口から取り上げると、放さない、飲み込むという行動を強化させてしまうこともあります。

 

Best3 他の犬に慣れさせること 

レトリーバー子犬

DTeibe Photography/shutterstock_

◎ もっと他の犬としっかり遊ばせておけばよかった。子犬のころに、小型犬ばかりいるドッグランで追いかけ回されてから、ランなどで他の犬と遊ぶのが苦手に(M・M さん)

 

◎ いろんな人や犬とたくさん触れ合わせたことは本当によかったと思う(N・H さん)

Advice!

社交性に関してはかなり個体差も大きく、無理をさせないよう、そのコに合った慣れさせ方をすることが大事。もし愛犬が社交的でなくても、他の犬を気にしたりほえたりしないコに育てば、問題ありません。

 

Best4 写真・動画の撮影

レトリーバー,ふせ

NotarYES/shutterstock

◎ 写真はたくさんあるのですが、動画をもっと撮っておけばよかったです(K・H さん)

 

◎1頭目に比べて2頭目は写真が少ないのを反省しています(T・M さん)

Advice!

子犬の時期はあっという間なので、ついつい忘れがちですよね。この時期に、アイコンタクトや呼ぶと見てくれるように練習しておくと、ばっちりカメラ目線の写真を撮るのに役立ちますよ!

 

Best5 コマンドを教えること

◎ 基本的に悪いことはしませんが、もう少しパピーのときにコマンドを入れておけばよかったと思います(T・K さん)

 

◎ 呼び戻しのしつけ。これだけできれば、とりあえず大丈夫。呼ばれたら戻る、すぐに来る。小さいころにオヤツの入れ物を振って音を出して教えました(T・O さん)

Advice!

指示に従わせることがしつけと思いがちですが、特に子犬期に大切なのは、まず関係性を作ること。しっかりほめる、楽しいことを一緒にする、してほしくないことをさせない環境を作ることを意識してみて。

 

Best6 パピークラス・幼稚園に行く

レトリーバー病気

Dariia Pavlova/shutterstock

◎ 動物病院のパピー教室に行ったおかげで、病院大好きになりました(Y・Kさん)

 

◎ 基本的なしつけをしないと他人にケガをさせてしまうことがあるので、子犬のころから犬の幼稚園に入れていました。基本的なしつけを学ぶとともに、いろいろな犬たちと出会い、触れ合うことで、社会性が身につきました。散歩などで他の犬とすれ違ってもほえたり、攻撃的になったりはしません(K・Sさん)

Advice!

生後3〜12週の時期に社会化をしっかりしておくことは、何より大切です。レトの場合、一緒にお出かけをしたい人も多いと思うので、パピークラスなどで家族以外の人や犬に慣らしておくといいでしょう。

 

Best7 室内でのトイレトレーニング

Dariia Pavlova/shutterstock

◎やってよかったこと=トイレのときのコマンド。やっておけばよかったこと=室内でのトイレ(ペットシーツを嫌がってできない)。(S・Mさん)

 

◎ 散歩の前に庭で排泄させること。トイレマットの上に人工芝を乗せた場所でするようにしつけたので、とてもラクです(K・F さん)

Advice!

散歩に出られない子犬のうちに、一度は室内トイレを教えることが多いでしょう。外で排泄し始めるとついトイレを片付けがちですが、室内トイレ習慣も残しておくと、後々足腰が弱ったときに困りません。

 

Best8 動物病院に慣れさせること

レトリーバー,病院

all_about/people:shutterstock

◎ もっと病院に通わせておけばよかったと思います。病院嫌いで毎年の狂犬病予防接種がひと苦労(H・M さん)

 

◎ 獣医さんがどこでも触れるようにしておけばよかったと後悔してます(Y・O さん)

Advice!

病院でオヤツをもらうなど、子犬期から慣れさせて。病院で開催されるパピークラスに参加するのもおすすめ。病院スタッフとの関係性を築き、診療を受けやす

くすることは、病気の早期発見にもつながります。

 

Best9 歯磨きをする

Vudhikrai/shutterstock

◎ 先代犬は奥歯に歯垢が溜まりやすかったので、今の愛犬は週に3回、歯ブラシで裏表を磨いています(T・N さん)

 

◎ 歯磨き、爪切り、耳掃除は 子犬のころからやっておいてよかったです(Y・S さん)

Advice!

歯磨きに限らず、子犬のころからカラダ中触られるのに慣らしておくと、ケアや治療をしやすくなります。垂れ耳のレトは外耳炎も多いので、子犬期から耳のケアも意識しておくといいでしょう。

 

Best10 クレートトレーニング

レトリーバー,服

Artem Kursin/shutterstock

◎ ケージで過ごすための訓練はやっておいてよかった。大きくなってからも、ケージでおとなしくしていられます(H・O さん)

 

◎ やっててよかったのは、サークル内でのお留守番(N・Y さん)

Advice!

子犬期にクレートで過ごすことに慣らしておきましょう。クルマに乗るときなどに使う他、万が一災害が起きてクレートで過ごさなければいけない状況になっても、ストレスを抑えることができます。

 

 

 

監修=近藤悦子

こんどうえつこ。獣医行動診療科認定医。大学時代に獣医動物行動学を学び、動物病院での臨床獣医師を経て、往診専門クリニック『神戸いぬ・ねこ問題行動診療』を開業。

https://kobekoudou.jimdo.com/

 

文=山賀沙耶

 

※この記事は、雑誌『RETRIEVER vol.91(エイ出版)』からの転載です。一部加筆・修正をし、公開しています。

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