【連載】料理の効能ー「kitchen Dog!」南村友紀のハッピークッキング#9
「Kitchen Dog(キッチンドッグ)」代表の南村友紀さんは、ゴールデンレトリーバーと暮らす生粋のレトラバー。 Kitchen Dogは、犬の消化・吸収・代謝を考えて、安心安全な犬のゴハンを真面目に製造・販売する犬用食品ブランド。 さらに美味しさも追求しているため、多くの愛犬家に親しまれています。 レトと暮らし、さらに犬ゴハンのプロともいえる南村友紀さんの連載、第9回目!
料理の効能
私たちは、『食べることの大切さ』について色々な場面で見聞きしますが、『料理をするということの大切さ』というのはあまり聞くことがありませんね。
人でも犬でも、誰かのために料理をすることは、その相手を育て、生命を維持し、生きていくのを助けることと言えます。
アメリカ科学財団大学院研究員であるマシュー・リッチオ氏によると、料理をすることは、生命を維持する食べものを提供することで、相手を支援する社会的な行動なのだそうです。
「そのような行為をすることは、信頼、コミュニティ、目的、帰属意識、親近感、そして親交を高めるのを助ける可能性があります。これらすべては幸福感の増幅、うつの減退、また一般的な健康状態の向上に関係しています」ということだそうですよ。
世の中には、料理セラピストなる職業を名乗る博士もいるほどです。私もこれから、その肩書を使おうかな!
美味しくなぁれ!
犬の身体を養う食べ物は、栄養的観点ばかりを考えがちですが、彼らだって栄養のみを食べているのではなく、それ以上の何かを受け取れる素養があるのは明らかです。
それで、私は家族のように同じ屋根の下で一緒に暮らす自分の犬のゴハンを『餌』とは言わず、『ゴハン』や『食事』と言うのです。
料理したゴハンは、ドッグフードのような加工食品の工業製品とは明らかに違いがあるものです。
家庭での日々の料理は、自然や、季節や、犬や家族のその日の顔色などを鑑みて、喜んでもらえることを願って作られます。
誰もが、料理に集中しているときには「美味しくなあれ、美味しくなあれ!」という呪文を、心の中で無意識に唱えているはずです。
作る人の心の状態がダイレクトに現れ、曝け出される、ちょっとドキドキするようなコワイものでもあります。
犬も家族も、目の前に出てきたお皿の奥に込められた、作り手の気持ちや愛のような『何か』を無意識に感じとりながら食べていて、その積み重ねが現在と、そして未来の健康状態です。
そして、何より違うのは、情緒という側面ではないでしょうか。
センスを磨こう!
生き物の身体は水素、酸素、炭素、窒素などの29種類の元素からできていて、必要な栄養を食べて、膨大な微生物の力を借りながら化学反応によって代謝しています。
だけど、機械に油をさすように、栄養素だけを補給していれば良いわけではなく、何世紀たっても明確に解明できない命や心という物質以外の何かがあり、それは肉体と同じくらいの大切な要素で、両者の絶妙なバランスが健康を左右しています。
料理は、想像と創造=イマジネーションとクリエイティビティの賜物ですが、その自信のもとになるものは、最新の正しい栄養の知識とサイエンス、そして、命や心を洞察するセンスです。
このセンスというのは、難しく考えることではなく、普段の生活の中で、何気無く感じることです。
これって、自分とは違う種の動物と一緒に暮らすことによって、自然と感じることが多くなるのではないかと私は思っています。
親友のピカ
ところで、我が家のバビンカにはピカちゃんという親友(人間)がいます。
朝、ピカちゃんがシベリアンハスキーのルーちゃんと一緒にお散歩帰りに我が家に遊びにきて、ルーちゃんをうちに置いて、ピカちゃんだけが食事の支度やゴミ捨てのためなどに帰ります。
その間、バビンカとルーちゃんは一緒にプロレスごっこをやったり、鼻と鼻でコミュニケーションをとったりし、一緒に朝ごはんも食べます。
そのうち、ルーちゃんを迎えにピカちゃんが来ると、ピカちゃんとあらゆる方法でコミュニケーションをとりますが、それは本当に見ていて興味深いものです。
ピカちゃんが犬に近いのか、バビンカが人間よりなのかわかりませんが、その表情や行動を見ていると、何を言っているのかが本当によくわかります。
夜は夜で、バビンカは私を引っ張って一目散にピカちゃんの家に行き、これまた散々遊んだり、夕飯やおやつを食べさせてもらったり、話をしたりしてピカちゃんとコミュニケーションをとっています。
ピカちゃんも、毎日欠かさず犬のゴハンを料理していて、バビンカは彼女が作るゴハンが大好きです。
能力を開発しよう!
我が家だけではなく、どの家の犬たちにもこのようなコミュニケーションがあることでしょう。
育ったそれぞれの家庭の習慣やリズムに、見事に適応している犬たち。
野生動物というものは、食べるために一日中行動をしているものです。
人間だって、基本的には食べるために毎日仕事をしているものです。
しかし、もはや家庭のペットたちは食べるために能力を発揮する必要はほとんどないので、別の分野に能力を使う余裕があるのではないかと思ってしまいます。
犬という種の能力としては、嗅覚を使ったものや、聴力を使ったものが考えられるので、それらの能力を伸ばすような訓練をしてくれるお預かりサービスができるといいですよね!
まあ、私としては、そんなことよりもヒマで寝ているくらいなら、お掃除やお料理をしてくれる能力があればいいのにな、と夢見ていますが。
南村友紀 プロフィール
2001年に犬のためのビスケット&デリカテッセンショップ「キッチンドッグ!」をオープン。手作りごはんに悩む飼い主さんたちを正しい知識でサポートしながら、「愛と幸福とおいしいゴハンを!」をモットーに活動している。
お料理教室も大人気!
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