【連載】オーガニック野菜への意識改革をー「kitchen Dog!」南村友紀のハッピークッキング#12
「Kitchen Dog(キッチンドッグ)」代表の南村友紀さんは、ゴールデンレトリーバーと暮らす生粋のレトラバー。 Kitchen Dogは、犬の消化・吸収・代謝を考えて、安心安全な犬のゴハンを真面目に製造・販売する犬用食品ブランド。 さらに美味しさも追求しているため、多くの愛犬家に親しまれています。 レトと暮らし、さらに犬ゴハンのプロともいえる南村友紀さんの連載、第12回目!
オーガニック給食の波
フランスでは、2022年までに学校給食や病院食、職員食堂など、公共の集団食に使う食材の半分までを、オーガニックにするという法律が可決されています。
そもそも、幼稚園生でも小学・中学生でも、給食を食べないで家に帰って食べてきても良し! という素敵な選択肢。
もともと、BIO(オーガニック)に対する意識が高いフランス人は、食材の価格が高くても生産者に敬意を払って対価を支払う考えが浸透している…とはいえ、羨ましいですね。
でも今や、世界中でその流れが来ています。
2021年から、ソウル市内のすべての小・中・高校で、オーガニック給食が、しかも無料で始まるそうです。
サンパウロでは2015年からオーガニック給食、フィンランドはベジタブル食やヴィーガンメニューも選べる無料の給食。
アメリカでは『全粒穀物はたっぷり含まれて、カロリーやトランス脂肪酸、飽和脂肪酸、ナトリウムの少ないメニュー』が提供され始めています。
カリフォルニアのサウサリートマリン郡では、地産地消の非遺伝子組換えで100%オーガニック食材だとか!
世界中でオーガニックや、政府が経済的にも補助する給食ブームがヒタヒタと湧き上がっているのです。
それだけ、子供の頃からの食事は人生にとって大切なキーだということがわかり始めたのですね。
例えば野菜がオーガニックなものになっただけで、今まで給食を残していた幼稚園の子でさえ「美味しかったよ! 残さず食べちゃった!」と言うのだそうです。
食育はどう影響するのか?
オーガニック給食を食べて育った子供が大人になったとき(26歳)に行なわれたインタビューがあります。
その中では、彼らは食材について、産地や生産者、添加物のこと、ゴミのことについてとても意識していると言う結果が出たそうです。
子供の頃にきちんと食育を受けると、一生の大きな財産になるのだということです。
オーガニックとそうでないものの違いが何かと言うと、例えば玉ねぎなどではフラボノールの量がオーガニックの方が断然多いのだそうです。
日本で集団食を製造する場合、有機栽培の野菜は規格が揃わないからカッティングマシーンに弾かれるため、手作業で行わなければならずにコストが上がります。
また、天候に大きく左右されるために量が揃わないなどの理由もあり、なかなか実現しないことが多いです。
そもそも、日本は有機野菜が高いですよね!
高いからあまり売れない、売れないから鮮度が落ちるまで店頭に並んでいる、という悪循環も見られます。
Byron Bay
先日、オーストラリアのバイロンベイという場所に行きました。
ここは、私の中で、住みたい町リストの5つの中に入る町!
試しに一軒家と車を借り、2週間だけ暮らしてみました。
週に3日は、近くのどこかでマーケットが開催されています。
だから、スーパーマーケットに行くよりも早朝からファーマーズマーケットに。
近隣の農家の人たちが作った野菜や、飼育した肉類や卵、地元の小さな会社で作られた加工品が買えるのです。
その種類の豊かさには、本当に感激しました。
大きさのまちまちさなどは、一切気にせず山のように盛られた野菜たち。
これは、オーガニックでは当たり前。
鶏肉や卵もフリーレンジしかないし、
ラムやビーフも、グラスフェッド(放牧で牧草だけを食べて育っている)で当たり前。
小さな町の近隣には広大な牧場や畑が広がり、農家も立派で、おしゃれな建物で裕福そう。
何を育てるにも、まずは土地の広さが日本とはかけ離れているんだなと思いましたよ!
これは普通の農家の家のファサードです。
そして明るい。山に入ったとしてもユーカリの森なので、明るいのです。
乾燥した気候とユーカリの森が原因で起こるブッシュファイヤーの問題は非常に気の毒ですが、農作物や畜産についての条件は、日本はとてもかなわないなとつくづく感じました。
あとは、購買者の意識です。
意識が高いとか低いとかの問題ではなくて、自分が何を食べたいのか? 何を身体に入れたくないのか? という意識です。
こんな話をここでするのは、飼い主さんの考え方が、ダイレクトに犬の健康を左右するからなのです。
自分の身体に入れたくないものを、自分の子供や犬にも入れたくはないはず。
狭い日本でオーガニックの畑で固有種の種、というのは大変ですが、日本の良さは特有の気候で、様々な種類の野菜がたくさん育ち、寒さで甘みも作れることです。
もしも身近でオーガニックの野菜を見つけられるなら、積極的に購入して、生産者と消費者の関係を築きたいものですね。
次回も続きを!
南村友紀 プロフィール
2001年に犬のためのビスケット&デリカテッセンショップ「キッチンドッグ!」をオープン。手作りごはんに悩む飼い主さんたちを正しい知識でサポートしながら、「愛と幸福とおいしいゴハンを!」をモットーに活動している。
お料理教室も大人気!
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