【取材】もうすぐ18歳のスーパー長寿!東洋医学などを取り入れた工夫満載のハイシニアライフとは #11ドリー
平均寿命が10〜12歳と言われる大型犬のレトリバーたち。しかしそんな平均を物ともせず、年齢を重ねても元気なレトリバーを憧れと敬意を込めて“レジェンドレトリバー”と呼んでいるRetriever life。その元気の秘訣をオーナーさんに伺うのが、特集『レジェンドレトリバーの肖像』です。
今回登場してくれるのは5月18日で18歳を迎える、17歳のドリーくん。1年前に全く歩けなくなったものの、ママさんがレト友から教わったアイデアと工夫で寝たきりにさせない介護を実践中!
目次
ドリーくんのプロフィール
年齢&性別
17歳の男の子(2004年5月18日生まれ)
体重
19.3kg(以前は33kg前後)15歳頃から月ごとに体重が減るように。
大好きなこと
食べること。食欲は今も旺盛。
既往歴
・6〜7歳の時に口内に線維腫性歯肉腫、切除手術。2年後に再発し再切除。麻酔を伴う手術をしたのはこの時だけ。
・14歳の頃、散歩中突然嘔吐して倒れ痙攣発作。おそらくてんかんだろうとの診断。また同じ頃には慢性気管支炎に。
・16歳で貧血、現在は改善。この頃から後ろ足の衰弱が顕著に。16歳の1月1日に歩いたのを最後に歩けなくなる。
・昨年6月には巨大食道症に。また同時期に肛門周囲腺腫を発見。治療を継続中。
わずか2kgで迎えた小さなパピーは、14歳まで病気知らずの健康優良児!

去年(2021年)、17歳を迎えた誕生日の記念写真。
まもなく、なんと18歳という年齢を迎えるドリーくん。
迎えたときはわずか2kgという小さな体でしたが、そこからは持ち前の食欲を発揮し、最盛期は33kgの体重を誇る威風堂々とした姿に成長しました。
シニアになる前の大きな病気は口の中にできた良性の線維腫性歯肉腫くらいで、ずっと健康そのものだったそう。
「今でこそSNSでつながったレトのオーナーさんから色々な情報を得ているけれど、若いときはこれといって健康に関する特別なことはしていませんでした。
そういえば留守番中に、カゴに入っていた袋ラーメンの袋を破って麺を完食、スープの小袋をそのまま丸呑みしてしまった事件がありました。
すぐに小袋は吐き戻したので良かったけど、思い返せば冷や汗ものの悪戯もよくしていましたね」(ドリーくんママ=以下「」内同)。

とにかく食いしん坊だったドリーくん。
若い頃から食欲旺盛でなんでも食べるため、シニアになるまではさほどフードにこだわりはなし。しかしシニアになるにつれ食や健康維持に様々な工夫を取り入れるようになったそうです。
「ドリーが14歳の時、元気に散歩している途中に突然嘔吐して倒れ痙攣したことがありました。
初めてのことに私もパニックになりながらも、どうにか口に手を入れて舌が喉につまらないよう処置をしたのですが、その後病院でてんかんによる発作だろうと診断されたんです」。
すでに高齢だったので、負担の大きいMRI検査はしませんでした。
また、この頃には10歳頃から兆候が出始めていた白内障が進行し、目もほとんど見えず、耳も聞こえなくなっていたため、そこから健康を強く意識し始め、ママさんの情報収集がスタートします。
Instagramを始めたことでレト関連の情報が集まるように

鍼治療の様子。
14歳を皮切りに、その後慢性気管支炎や軽い貧血など、様々な不調に襲われるようになったドリーくん。
そんな時ママさんの頼りになったのがSNSで繋がったレト友からの情報でした。
「2年くらい前にInstagramを始めましたが、今思えばもっと早くからやっておけば良かったと(笑)。
他のレトオーナーさんの投稿を見て“よその子は健康のためにこんなことをしているんだ”と知れ、ドリーにももっとできることがあるんだと思いました。
貧血と診断されたときはエコー検査の精度に定評のある病院を友人に紹介してもらったり、貧血改善にモリンガパウダーが良いと知って試すなど、体にいいことは積極的に真似するようになったんです」。
その結果、貧血はみごと改善。同じ頃から犬の整体や鍼灸にも通うようになったそう。
「同犬種のオーナーさんがどういう風にしているのかを拝見し、それを実践したことが結果的にドリーの長寿に活きているのかも。
犬の鍼治療を知ったのもInstagram。2020年頃から目に見えて後ろ足が弱ってきたなと感じ、1年前からは全く歩けなくなったんですが、今も月に1〜2度のペースで鍼治療を受けています。
寝たきり状態だとどうしても血流が悪くなり体が硬くなるのですが、鍼をした後は首回りなどがすっかり柔らかくなっているんですよ。
西洋医学はもちろんですが、東洋医学の視点からのケアができるとヘルスケアの選択肢が増えますよね」。

ベビーベッドですやすや。
そして寝たきりになった後もInstagramで繋がったレト仲間のアイデアがとても参考になったのだとか。そのひとつがベビーベッド。
「実は自力で立てなくなったあとも、しばらくは前足などを使い部屋中を動き回っていたんです。なのでケガをしないか心配で…」。
現在はベビーベッドに寝かせ、動き回るのを防止しているそう。
「完全に寝たきり状態にさせないために、ご飯の時と、そのほか日に数回は車椅子に乗せて立ち姿勢を取らせているのですが、大型犬だから抱えて乗せるまでが大変なんです。
ベビーベッドだと床から抱き上げるより高さがあるためラクだし、四方にゲートがついているので、寝ているときに動いても落ちずに安心です」。
ちなみに去年の春から使い始めた車椅子もレト友さん経由で導入を決めたものなのだそうです。

車椅子に乗って立ち姿勢に。
ヤギミルクや野菜スープで栄養も水分も補給

歩けなくなった今はカートでお散歩を楽しむ。
食事も年齢に合わせて改良。お水をほとんど飲まないドリーくんのため、栄養豊富なヤギミルクの初乳をあげるほか、ドライフードの上に野菜を煮込んだスープをかけて水分をたっぷり取れるように工夫をしています。
「昨年巨大食道症と診断されてからは、消化しやすいようフードと野菜スープをミキサーでペーストにし、おやつも飲み込みやすいちゅーるを選ぶようになりました。
もう目と耳は機能していないけど鼻は健在で“寝ているかな?”という時でも鼻先におやつを持っていくと夢中でかぶりつくんですよ。

今でも鼻はよくききます。
食と水分は生きる上で必須なので、美味しく、かつ十分栄養が取れるように意識しています。
これをしたから長生きだというのは正直分かりませんが、シニア期以降に得た情報で良さそうなものを実践してきたこと、これが奏功したと思うのです」。
またアンチノールやコンドロイチンといったサプリも、シニアになってから取り入れ始めたとのことです。
後悔はただひとつ。もっと一緒に出掛けていれば…

初めてのプールで大はしゃぎ。
ドリーくんには4年前に旅立ったマルチーズとヨーキーのミックス犬、ムーくんという弟がいました。
ドリーくんを迎えた1年後に家族になり常に寄り添っていたふたり。そんな弟が居なくなってからは、少し元気がなくなった様子でした。
「我が家は夫婦ともに働いているので、今も仕事中は留守番をしています。2頭の時は寂しくなかっただろうけど今はどうなんだろう。
ドリーが15歳の時、レト友さんに誘われてプールへ行ったのですが、今もその時の大喜びで泳ぐドリーの姿を覚えています。
そしてその姿を見ながら“もっと一緒に出掛けていれば良かった”と悔やみました。
それまではレト友もいないし、何より子育ての真っ最中で時間が取れなくて…。
子供たちが手を離れた今、遠出はできないくても時間が許す限りドリーをバギーに乗せて一緒に出掛けたいと思っています」。
取材の最後、「パピーの頃ももちろん可愛かったけど、おじいちゃんになった今の方がもっと可愛いんです。不思議ですよね」。
ママさんはこう言って笑いました。ママさんの隣に置かれたベビーベッドにはドリーくん。
耳はもう聞こえていないというけれど、きっとこの言葉はしっかり届いたんじゃないかな。
だってその時のドリーくんの表情がとても幸せそうだったから。
取材・文/横田愛子
★「#レジェンドレト」で投稿お待ちしています!
レトリーバーライフでは、取材にご協力頂けるレジェンドレトを探しております!
12歳を超えたレトたちは、「#レジェンドレト」をつけてInstagramに投稿してみてくださいね。
編集部から取材のお声がけをさせて頂くかも!?
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