【レトリーバーを守りたい】しかし“病気への思い込み”がそれを邪魔したこと~子宮蓄膿症とてんかんを例に~
レトリーバー大好き! レトリーバー最高! そんなレト愛の深い読者のみなさまは病気についてもたくさんの知識をお持ちのことと思います。私もできるだけアンテナを張って勉強しているつもりですが、逆にその努力が「そのことはもう知っている」というバイアスになり、落とし穴になった経験があります。命は助かりましたが、今思い出しても後悔してしまう出来事です。
目次
未避妊だから気をつけていたはずでも…「子宮蓄膿症」
子宮蓄膿症に関しては未避妊のメスにだけ該当するものですが、「思い込み」に関しては誰もが持つ可能性があります。
私の「思い込み」が招いた失敗はこのようなものでした。
Ruby(ゴールデンレトリーバー、メス)は未避妊のまま11歳を過ぎ、そのことによっていくつかの病気のリスクがあることは理解していましたが、ヒート後の変化に気を付けていれば何とかなると思って日々を過ごしていました。
そう、私は「大事に至る前に気がつくことが出来る」と思い込んでいたのです。
異変に気が付いたのは11歳3か月を少し過ぎた旅先でのことでした。
いつもより少し元気がないような気がしていたのですが、元々おとなしい子でしたしシニアなので、実はその時はそれほど重要視していませんでした。
けれど帰宅後に食欲がなくなり、これはおかしいと不安になります。
そして翌朝食事を抜いて病院へ連れて行きました。
レトに食欲がないというのは緊急事態ですから、検査および万が一手術ということになることを考えてのことでした。
結果「子宮蓄膿症」と判断され、即入院、そして手術となりました。
「その病気のことは知っている」という勘違いが生んだ失敗
子宮蓄膿症が怖い病気だということは知っていました。
膿が溜まった子宮が破裂してしまったら助からないことも多い、ということも理解していました。
ですからヒート後はマメにティッシュで拭いて汚れが付かないかどうかチェック
するなどして、陰部の変化に気をつけていたのです。
ですが、致命的な知識不足がありました。
子宮蓄膿症には「開放性」と「閉鎖性」があることを知らなかったのです。
私の頭の中には「子宮蓄膿症になると陰部から膿のようなものが出る」ということだけがインプットされていて、その知識を疑うことがありませんでした。
運悪くRubyは膿の出ない(出づらい)上に破裂のリスクが高いと言われている「閉鎖性子宮蓄膿症」でしたので、私はすっかり「今回も大丈夫」と思っていたのです。
先生に閉鎖性の話を聞いた時は晴天の霹靂ともいえる思いでしたが、冷静になってみると思い込みによって生まれたミスであり、ただの勉強不足だったと思うようになりました。
Rubyは11歳のシニアでも健康状態は良く体力もあったのですぐに手術をして事なきを得ることができましたが、持病などがあったらと考えると恐ろしくなります。
早期発見という意味でRocca(トイプードル)はヒート後にエコー検査をするようにしました。(今は避妊手術済みなので検査は不要になりました)
てんかんはけいれんを起こすもの、という思い込み
恥ずかしながら「思い込みその2」です。
てんかんはレトリーバーにも多くオスメス関係なく起こる病気なので、気にしている方も多いのではないでしょうか。
この「てんかん」に関しても私の思い込みがありました。
<てんかん→発作→痙攣>
こんな図式が出来上がっていたのです。
しかし痙攣を起こしたわけでもないのにRubyは「てんかん」と診断されました。
14歳6か月の時のことです。
症状としては「突然落ち着かなくうろうろと歩き回る」というものでした。
10歳を超えたころからでしょうか、1年に1度くらいそのようなことがあり、何件か病院にも行ったのですがすぐに治まることと頻繁ではなかったことから、どこに行っても「様子を見ましょう」ということで終わっていました。
けれど14歳半のある日、いつもより異常を感じて病院へ行くと「動き回るタイプのてんかん」と言われてそのまま入院することになります。
私の思っていたてんかんとは逆。
てんかんは動けなくなるのだと思っていましたから…。
てんかん以外の脳疾患の可能性? 脳腫瘍・髄膜炎・脳炎の疑い
てんかんにも種類があるのだと知ったものの、その原因は何かということは不明のままでした。
何となくもやもやしながら退院後は神経の専門医に往診に来てもらい診察とリハビリを行う日々。
そしてそこでてんかん以外の脳疾患の疑いがあると告げられることになります。
可能性としては、脳腫瘍・髄膜炎・脳炎。
頭の中が真っ白になりましたが、脳疾患からの異常行動と考えるとその可能性は確かに否定できません。(今だから冷静に考えることができますが当時はプチパニックでした)
その後の詳細は割愛しますが、結果としてはそのいずれかでもなくほっとしたものの、原因は今も不明のままです。
てんかんの特効薬はないのでしょうし、それは仕方がありません。
ですが、てんかんの種類や起こりうる症状についてもう少し詳しく知っていたら早い段階で何かしらの手を打てたのではないかという気持ちがあるのも確かです。
「てんかんだったらこういう症状」という思い込み。
そのことで病院に行くタイミングや先生への伝え方が間違ってしまったということはないか? と今でも考えてしまうことがあります。
多少知識があることに対しても疑ってみることはとても大切
私は医療の専門家ではないので病気についての解説はできませんが、経験は宝だと思っているので今回は私(Ruby)が経験した病気を例にとって書かせていただきました。
もしかするとまだ「思い込み」があって、間違えていることがあるかもしれません。
でも病気そのものの知識よりも、知識の付け方や考え方の見直しのきっかけにしていただきたいのです。(病気については専門家に相談しましょう)
普段から特殊な病気ではないものに関しては情報がたくさんあり、友人知人からも話を聞くことがあると思います。
ですが、情報は日々更新され、医療は進歩しています。
大切なのは「自分はわかっていると思わないこと」ではないでしょうか。
執筆者:Roco
『ヒトとイヌ』を永遠のテーマにしているフォトグラファー&ライター。
撮影・執筆の他、写真のレッスンも行う。
フォトグラファーになるきっかけを作ってくれた英国ゴールデンのRubyは15歳2か月で虹の橋へ。 現在の愛犬はトイプードルとオーストラリアン・ラブラドゥードル。
子供の頃からの夢は「ドリトル先生になること」
Facebook:Roco ~LoveLetters~ 写真と言う名のラブレター
おすすめ記事
-
【レトオーナー必見!】カインズでしか手に入らない、こだわりのベッド・ウェア5選!【カインズわんわん祭り2024・開催中!】
「カインズ」と聞くと、ホームセンターのイメージが強い方も多いかもしれませんが、実は獣医師が監修したペット用品や、こだわりの設計が詰まったアイテムが勢ぞろい!
今回は、レトリーバーに最適な、カインズオリジナルのベッドとウェアをご紹介。実際に商品を使用しているレトリーバーオーナーの声とともに、その魅力をお届けしちゃいますよ。
さらに、10月23日(水)から12月2日(月)まで、まとめ買いでお得に商品がゲットできる「カインズわんわん祭り」も開催しています!
この機会に、ぜひ愛レトにぴったりの商品を探してみてください。
(PR 株式会社カインズ)
PR -
【掃除機革命!】ゴミ捨て不要・抜け毛がからまない・ナノイーX搭載のパナソニック『セパレート コードレス掃除機』に驚愕
レトリーバーにどっぷりハマって見えた、新たな事実…。それは彼らの換毛期はバラバラで、一年中抜け毛が激しいということ。しかも在宅時間が増えたから、今まで以上に抜け毛が気になって仕方がない…!
今回ご紹介するのは「スティック本体のゴミ捨て不要/抜け毛がからまない/ナノイーX搭載/超軽量」の革命的な掃除機。
編集部も驚愕した、今の時代にふさわしい掃除機の全貌をご覧あれ!(ハッキリいって、見なきゃソンです)
(sponsored by パナソニック株式会社)
PR -
【累計1億2000万食突破!完食率95%】「ココグルメ」がレトリーバーの夏バテ予防にぴったりな理由とは!?
みなさんは、犬も夏バテになることを知っていますか。とくにレトリーバーは、厚い被毛や活動的な性格から注意が必要です。
夏バテと上手に向き合う秘訣は、なんといっても食事。
累計1億2000万食を突破し、完食率95%。フレッシュフードの王道といえる「ココグルメ」は、夏を元気に乗り越えたいレトリーバーにぴったりなのです!
「今だけ初回限定500円」のキャンペーン情報もありますので、最後までお見逃しなく!
(PR 株式会社バイオフィリア)
PR -
【取材・看板犬】大型犬の聖地!湘南のドッグカフェ&ラン〜看板犬はゴールデンのマーリー〜
レトをはじめとした大型犬オーナーが頭を悩ませるのは、彼らが存分に楽しめるドッグラン探し。広いのはもちろんのこと、そこに集まる犬種だって私たちには重要!
今回取材をしたのは、大型犬が多く集まるドッグカフェ&ラン「Ven! (ベン)kitchen&dog garden」。ここの看板犬はゴールデンレトリーバーのマーリー。だからなのか、集まるワンコたちも大型犬が多数!
取材 -
【取材】「今日はノリが悪い」で炎症発見。12歳&14歳、2頭をレジェンドにしたのは小さな違和感も見逃さない観察力。 #2 大吉
平均寿命が10〜12歳と言われる大型犬のレトリーバーたち。そこで10歳を過ぎたレトリーバーを憧れと敬意を込めて“レジェンドレトリーバー”と呼んでいるRetriever life。その元気の秘訣をオーナーさんに伺うのが、特集『レジェンドレトリーバーの肖像』です。今回は、つい最近まで14歳の黒ラブ・カノンちゃんと暮らしていた大吉くん12歳が登場します。2頭のレジェンドレトを育てあげたオーナーさんのお話には、きっと長生きのヒントが隠れているはず。
連載 -
やんちゃな子犬に優しく寄り添い、大きな心で受け入れてくれたゴールデン。【ほっこり動画】
今回ご紹介するのは、パピーに優しく接するゴルの動画。ウトウトしているところに突撃されても、文句も言わずに受け入れてくれるのです。さらには笑顔って…紳士すぎ!
-
「まだかな…」大好きなパパの帰宅を待つラブラドール。健気な後ろ姿が愛おしすぎた【動画】
今回は、どうしたって愛おしく感じてしまうラブのお出迎えシーンをご紹介。オーナーさんの帰宅を察して一目散に駆けてきたり、帰宅前からソワソワと待ち続けていたり。こんなお出迎えをしてもらえたら、一日の疲れなんて吹き飛ぶでしょうね!
-
【インタビュー】マンボウやしろ〜究極のラブラドール愛と、女性に“飼われてみた”日々〜
元お笑い芸人の「マンボウやしろ」さんは、大のラブラドール好きとして知られています。ラブラドールが大きく描かれたTシャツを5着も所有し、将来の夢を聞かれたら「ラブラドールで軍隊をつくること」と答えるほど。
今は環境柄ラブラドールと暮らせないとのことで、今回はたっぷり触れ合っていただき、ラブラドール愛を語っていただきました。
取材 -
(スイー…)泳ぎが苦手なゴールデンが浮き輪を使って上手に遊んでた。これは可愛すぎる【動画】
ゴルは水や泳ぐのが好きな犬種。水上に落ちたおもちゃを回収したり、水飛沫をあげて楽しむ姿を想像するのは難しくありません。しかし、人にも得意不得意があるように、中には泳ぎが苦手なゴルもいるようで…。
-
「イヤだなぁ…」カッパを着せられて雨散歩だと察したラブラドールから漂う哀愁がスゴい。【動画】
いつもは明るい性格のラブですが、たまにはテンションが低くなってしまうことがあるのです。それはお天気が雨の日。お散歩で濡れることがイヤだったり、お散歩に行けず拗ねた姿が子どものようでクスッとしちゃいます!
特集
-
ゴールデン・レトリーバー とは
ゴールデンのからだの特徴や性格、歴史など基本情報をご紹介!
-
ラブラドール・レトリーバー とは
ラブのからだの特徴や性格、歴史など基本情報をご紹介!
-
【特集】新・家術〜進化型家電と、新しい愛情物語
愛犬たちとのかけがえのない生活をもっと楽しく快適に暮らすために。
-
【特集】15歳を目指す健康術
レトが長生きする秘訣は、まだまだ世界中にあふれているはずだ。
-
【特集】レジェンドレトの肖像ー10歳を超えて
-
【マンガ連載】今日も父はレトバカです
-
【特集】ゴルの魅力 vs ラブの引力
それぞれをこよなく愛する人たちが、その思いを存分に語ります!
-
【特集】レト愛が止まらない!
隠れた著名人のレトファンをインタビュー!
-
【特集】レトを迎えたら。
レトを迎えたらしたいこと。アドバイスも!
-
レトリーバー 病気辞典
獣医師監修のRetriever Lifeオリジナル病気辞典。あなたの愛するレトを守るための情報満載
-
レトリーバー里親/保護犬情報
Retriever Lifeでは、保護犬を一頭でも多く救うための活動支援をしています。
-
RETRIEVER LIFEとは
レトリーバーが、好きだから。国内最大級のレトメディア