【取材】バナナとパパママが大好きな16歳。病から何度も立ち上がれたのは「食いしん坊&寂しがり屋パワー」のおかげ! #17ロビン
平均寿命が10〜12歳と言われる大型犬のレトリーバーたち。しかしそんな平均を物ともせず、年齢を重ねても元気なレトリバーを憧れと敬意を込めて“レジェンドレトリーバー”と呼んでいるRetriever life。その元気の秘訣をオーナーさんに伺うのが、特集『レジェンドレトリーバーの肖像』です。今回登場するのは、16歳のロビンくん。食いしん坊&寂しがり屋パワーで、倒れる度に立ち上がっている男の子です!
ロビンくんプロフィール
年齢&性別
16歳の男の子(2006年7月22日生まれ)
体重
27kg(MAX 31kg)
大好きなこと
食べること、人、川遊び、おでかけ
既往歴
・6歳で肥満細胞種の疑い。
・11歳で右耳の外耳炎。
・12歳で左眼にメラノーマ 。
・13歳で腰椎ヘルニアの疑い、前庭疾患、左耳の外耳炎。
・14歳で関節炎と脾臓腫瘍、眼瞼(まぶた)腫瘤。
・16歳で痙攣発作
出戻ってきた愛息子!
ロビンくんは、オーナーの山本さんが繁殖した男の子。といっても山本さんは専業ブリーダーではなく、愛犬に子どもを産ませたくてブリーダーの資格を取られたそう。
出生後、無事に巣立っていったロビンくんでしたが、とある事情で6歳を前に出戻ってきました。
「少し高齢のオーナーさんで、躾や近隣の方とのトラブルで困っている様子でした。何度か相談を受けたので、預かって躾をしたり、様子を見に行ったりしていました。
結局、ロビン本人に問題があるわけではなかったのですが、環境面も考えて私たちが引き取ることになったんです」(山本さん=以下「」内同)。
山本さんが引き取る前は、庭の奥まったところで飼われていたというロビンくん。そのせいか、とっても寂しがり屋になっていました。
「普段からいつも目が届く所にいるんですよ。それでも、洗面所に行ったりとか、ちょっと離れるのも嫌がるんです。5分も離れると鳴いてしまいます。
お母さん犬がいた頃は大丈夫だったのですが、今は私か主人が一緒にいないとダメですね。“スーパー寂しがり屋”です」。
“寂しがり”対策として、お出かけに連れて行くのはもちろん、仕事も在宅にするなど、ロビンくん中心の生活になりました。
また、引き取り当時は衛生面に多少問題があったものの、すぐに病院で診てもらったこともあり、体調の心配はなかったそうです。
ベーシックごはんからバラエティ食へ
ちょっとイレギュラーな子育てになりましたが、そこはロビンくんの両親も立派に育てあげた山本さん。ベーシックなフードと手作り食で、しっかり健康な体をつくりました。
「お父さん犬が皮膚に少し疾患があったので、フードは色々と試して『ビタワン』のドライフードにしていました。ロビンもシニアまでずっとそれです。
元々食いしん坊なのでよく食べていたのですが、シニアになって体調の波もあり、食欲にバラツキが出てきました。
そこで、調子が悪いときはドライに手作り食を加えるようになりました。サツマイモや人参、鶏ミンチなどを細かく刻んで混ぜ、圧力鍋で煮たものです。
調子が良いときは、手作り食の代わりにウェットフードと普通に炊いたお米にしています。ウェットは『ペディグリーチャム』のビーフ、ささみ、チキンのローテーションです。
それと、途中で食べなくなったときは鰹節をかけてモチベーションを上げていたのですが、今では催促するくらいお気に入りになりました。
おやつはあまりあげてきませんでした。ただ最近はビスケットや手作りのササミジャーキー、干したサツマイモ、パンの耳のラスク、魚肉ソーセージ、お麩など、色々あげています」。
シニアになってすぐは、ふやかしたドライフードをあげていたものの、臭いが強くなるせいか食欲が減退。そのためドライフードはふやかさず、手作り食を加える方法になりました。
また、脾臓を悪くして薬が必要になってからは、好物のバナナやあんぱんに薬を入れて食べさせることも。
薬を飲ませる目的のほか、これまであまりおやつをあげていなかった分、もうあまり厳しくせず、好きなものを食べさせたいという気持ちもあるそうです。
それから、体調が悪くごはんが食べられない時は、『メイバランス』という人間用の栄養飲料をシリンジであげたりもされています。
かかりつけ医を変えたのは⋯
実家に戻って寂しさは解消、おいしいごはんもモリモリ食べて、第二の犬生を謳歌したロビンくん。シニアになるまでは大きな病気もありませんでした。
「結果的には違ったのですが、ウチに戻って少し経った頃、肥満細胞腫の疑いで手術をしました。胸から首にかけて腫れがあり、腫れ方が急だったためそういう診断になったようです。
肥満細胞腫を想定した手術だったので、取りこぼしがないよう、かなり大きく切除したと思います。
それから11歳頃に右耳が外耳炎になり、耳血腫も併発して跡が残ってしまいました。
次は12歳で、左眼に黒い点を見つけて病院に行ったところ、メラノーマという診断でした。ただ小さかったので経過観察になり、その後も悪化はしませんでした」。
この少し後、山本さんは病院を変える決断をします。
理由は、ロビンくんより前に迎えていたコーギーのソラちゃんが、この病院で亡くなってしまったこと。
胃捻転の手術中に亡くなったのですが、急を要する手術の前に長く待たされ、診察や術後の説明なども、心から信頼できるものではなかったそう。
新しくかかりつけ医になったのは、ちょうどその頃に開院した親戚の先生でした。
自宅からは少し遠かったものの、元々お父さん犬の癌治療等を相談していて、信頼関係ができていました。
初対面の時に噛まれてしまい、ロビンくんには少し苦手な相手だったというソラちゃん。でも最期には、信頼できるかかりつけ医との縁を結んで旅立っていきました。
サプリとスパルタが元気の源!?
13歳になり、軽い前庭疾患と左耳の外耳炎があった後、立て続けに足腰の症状が現れます。
「急に歩けなくなったので病院に連れて行ったのですが、着いた頃には歩けるようになっていました。念のため調べてもらうと、椎間板の軟骨に石灰化が見られるとのことでした。
治療は痛み止め程度で、あとはサプリの『アンチノール』を処方してもらいました。これは今でも飲み続けていて、元気になった実感があります。その後ヘルニアにもなっていません。
それから14歳になってまた歩けなくなり、このときは左後脚の関節炎でした。症状はすぐ治りましたが、先生に“年齢も年齢だし、もうそんなに歩かせなくていいよ”と言われて。
私はそれでもいいかなと思いましたが、散歩担当の主人がスパルタで(笑)。その後も変わらず行き続けました。でも今もロビンが元気なのは、そのおかげかもしれません」。
ご主人ももちろん厳しいだけではなく、年齢に合わせてペースをゆっくりにしたり、散歩の後にはしっかり身体を拭いてあげたりと、“優しいスパルタ”を実践されています。
この後は、右の下まぶたに腫瘤ができたり、痙攣発作を起こしたこともありましたが、何れも重い病状には至らず。
唯一深刻だったのが、かかりつけ医も山本さんも一度は覚悟を決めたという、脾臓の疾患でした。
板に乗せて病院へ
最初の異変は14歳の時でした。
「寝たまま全然起き上がれなくなって、顔すら上げられない状態になったんです。ベッドから動かすこともできないので、ベッドごと大きな板に乗せて病院に運びました。
年齢的に詳しい検査をするのもリスクになるので、エコーで診てもらったところ、脾臓の腫瘍が破れて内出血しているのではないかとのことでした。
それで溜まった血を抜くのと同時に、“これで助かる子は30%くらいだけど、とにかくやってみましょう”と、止血剤で出血を止める処置をしてもらいました。
一通りの処置は終わり、入院させるか聞かれましたが、家に連れて帰ることにしました。入院してもダメかもしれないくらい危険な状態だったので、それなら家でと思ったんです。
“家までもたないかもしれない”と言われながら病院を後にし、30〜40分車を走らせて、何とか家まで辿り着きました。
家に着いても横になったまま動けず、2〜3時間置きに私たちが体位変換する以外は、2日間トイレもせずに寝たままでした。
食事ももちろん摂れず、当日は水を口に含ませるのがやっとでした。ところが、2日目に好物のバナナを口のそばに持っていったら、少しだけ食べたんです。
これはと思ってリンゴやフライドポテトなど、とにかく好きなものを口に持っていったら、少しずつ食べ始めました。
3〜4日経つと、野菜とごはん、そして元気になりそうな鶏の肝を煮た流動食が食べられるようになり、そして立って歩けるようになりました」。
奇跡の復活を遂げたロビンくん。この後も15歳と16歳で同じ症状に見舞われますが、何れも1回目よりは軽症でした。
好きなものが食べたい、そしてご夫妻の側に行きたいという、“食いしん坊&寂しがり屋”パワーで、倒れる度に立ち上がっています!
シニアライフのお役立ち
病気と闘いながらも、調子が良ければ今もグイグイ歩くというロビンくん。スパルタ散歩や川遊びなどで鍛えた足腰は健在ですが、ケアも必要になってきました。
「足腰の対策は、以前からフローリングにタイルカーペットを敷いているのと、今は『Help ‘Em Up Harness』という、前後両方を支えられるベルトタイプの介護ハーネスを使っています。
車に乗るときや段差の移動、トイレなど、“自力ではきつくなったけど、補助してあげればできる”という場面で重宝します。抱えるようなときは布タイプのハーネスを使っています。
ほかに買って良かったと思うのは『ブレスエア』です。お母さん犬の頃から使っていて、リビングと寝室、長時間おでかけするときは車にも敷いていました。
ここ1〜2年、たまに寝ながらウンチしてしまうことがあるので、簡単に洗えてすぐ乾くのは助かります。
あと、お漏らし対策に布製のマナーベルトも使っていますが、洗う回数を減らすため人間用の尿漏れパッドを付けています」。
このほか、物ではありませんが“触るボディランゲージ”も役に立っているそう。
耳が聞こえないだけならジェスチャーも使えますが、目も見え難くなると、触ることが唯一のコミュニケーションになってきます。
山本さんは寂しがり屋のロビンくんを安心させるため、若い頃からよくボディタッチをしてきました。おかげでシニアになってもタッチを嫌がらず、しっかりコミュニケーションが取れています。
儲けもん
山本家に戻ってきて10年余り。大きな環境の変化も病気も乗り越え、16歳というレジェンドになれた秘訣は、どんなところにあったのでしょう。
「やっぱり、寂しがり屋と食いしん坊に応えてあげたことでしょうか(笑)。とにかく独りになるのがストレスだと感じたので、私も主人もできるだけ一緒にいるようにしてきました。
それから食に関しては、身体をつくってきたこともですが、何より食べたいという気持ちが、何度も病気から復活できた原動力になっていると思います」。
もしかしたら、あのままずっと寂しい暮らしをしていたかもしれないロビンくん。ご夫妻の下に戻り、一緒にいられて、どんなに安心で嬉しかったことでしょう。
家族で一緒に過ごせる普通の毎日が、ロビンくんにとっては最高の幸せだったに違いありません。
そして山本さんも、ロビンくんが生きていてくれる今の日々を、“儲けもん”と思って大事にしたいと仰っていました。
“儲けもの”とは、思いがけない形で手に入ったものや幸運のこと。愛犬と出会い、一緒に暮らし、そして長生きしてくれることは、まさに“儲けもん”ですね。
取材・文/橋本文平(メイドイン編集舎)
★「#レジェンドレト」で投稿お待ちしています!
レトリーバーライフでは、取材にご協力頂けるレジェンドレトを探しております!
12歳を超えたレトたちは、「#レジェンドレト」をつけてInstagramに投稿してみてくださいね。
編集部から取材のお声がけをさせて頂くかも!?
おすすめ記事
-
【レトオーナー必見!】カインズでしか手に入らない、こだわりのベッド・ウェア5選!【カインズわんわん祭り2024・開催中!】
「カインズ」と聞くと、ホームセンターのイメージが強い方も多いかもしれませんが、実は獣医師が監修したペット用品や、こだわりの設計が詰まったアイテムが勢ぞろい!
今回は、レトリーバーに最適な、カインズオリジナルのベッドとウェアをご紹介。実際に商品を使用しているレトリーバーオーナーの声とともに、その魅力をお届けしちゃいますよ。
さらに、10月23日(水)から12月2日(月)まで、まとめ買いでお得に商品がゲットできる「カインズわんわん祭り」も開催しています!
この機会に、ぜひ愛レトにぴったりの商品を探してみてください。
(PR 株式会社カインズ)
PR -
【掃除機革命!】ゴミ捨て不要・抜け毛がからまない・ナノイーX搭載のパナソニック『セパレート コードレス掃除機』に驚愕
レトリーバーにどっぷりハマって見えた、新たな事実…。それは彼らの換毛期はバラバラで、一年中抜け毛が激しいということ。しかも在宅時間が増えたから、今まで以上に抜け毛が気になって仕方がない…!
今回ご紹介するのは「スティック本体のゴミ捨て不要/抜け毛がからまない/ナノイーX搭載/超軽量」の革命的な掃除機。
編集部も驚愕した、今の時代にふさわしい掃除機の全貌をご覧あれ!(ハッキリいって、見なきゃソンです)
(sponsored by パナソニック株式会社)
PR -
【累計1億2000万食突破!完食率95%】「ココグルメ」がレトリーバーの夏バテ予防にぴったりな理由とは!?
みなさんは、犬も夏バテになることを知っていますか。とくにレトリーバーは、厚い被毛や活動的な性格から注意が必要です。
夏バテと上手に向き合う秘訣は、なんといっても食事。
累計1億2000万食を突破し、完食率95%。フレッシュフードの王道といえる「ココグルメ」は、夏を元気に乗り越えたいレトリーバーにぴったりなのです!
「今だけ初回限定500円」のキャンペーン情報もありますので、最後までお見逃しなく!
(PR 株式会社バイオフィリア)
PR -
【取材・看板犬】大型犬の聖地!湘南のドッグカフェ&ラン〜看板犬はゴールデンのマーリー〜
レトをはじめとした大型犬オーナーが頭を悩ませるのは、彼らが存分に楽しめるドッグラン探し。広いのはもちろんのこと、そこに集まる犬種だって私たちには重要!
今回取材をしたのは、大型犬が多く集まるドッグカフェ&ラン「Ven! (ベン)kitchen&dog garden」。ここの看板犬はゴールデンレトリーバーのマーリー。だからなのか、集まるワンコたちも大型犬が多数!
取材 -
【取材】「今日はノリが悪い」で炎症発見。12歳&14歳、2頭をレジェンドにしたのは小さな違和感も見逃さない観察力。 #2 大吉
平均寿命が10〜12歳と言われる大型犬のレトリーバーたち。そこで10歳を過ぎたレトリーバーを憧れと敬意を込めて“レジェンドレトリーバー”と呼んでいるRetriever life。その元気の秘訣をオーナーさんに伺うのが、特集『レジェンドレトリーバーの肖像』です。今回は、つい最近まで14歳の黒ラブ・カノンちゃんと暮らしていた大吉くん12歳が登場します。2頭のレジェンドレトを育てあげたオーナーさんのお話には、きっと長生きのヒントが隠れているはず。
連載 -
やんちゃな子犬に優しく寄り添い、大きな心で受け入れてくれたゴールデン。【ほっこり動画】
今回ご紹介するのは、パピーに優しく接するゴルの動画。ウトウトしているところに突撃されても、文句も言わずに受け入れてくれるのです。さらには笑顔って…紳士すぎ!
-
「まだかな…」大好きなパパの帰宅を待つラブラドール。健気な後ろ姿が愛おしすぎた【動画】
今回は、どうしたって愛おしく感じてしまうラブのお出迎えシーンをご紹介。オーナーさんの帰宅を察して一目散に駆けてきたり、帰宅前からソワソワと待ち続けていたり。こんなお出迎えをしてもらえたら、一日の疲れなんて吹き飛ぶでしょうね!
-
【インタビュー】マンボウやしろ〜究極のラブラドール愛と、女性に“飼われてみた”日々〜
元お笑い芸人の「マンボウやしろ」さんは、大のラブラドール好きとして知られています。ラブラドールが大きく描かれたTシャツを5着も所有し、将来の夢を聞かれたら「ラブラドールで軍隊をつくること」と答えるほど。
今は環境柄ラブラドールと暮らせないとのことで、今回はたっぷり触れ合っていただき、ラブラドール愛を語っていただきました。
取材 -
(スイー…)泳ぎが苦手なゴールデンが浮き輪を使って上手に遊んでた。これは可愛すぎる【動画】
ゴルは水や泳ぐのが好きな犬種。水上に落ちたおもちゃを回収したり、水飛沫をあげて楽しむ姿を想像するのは難しくありません。しかし、人にも得意不得意があるように、中には泳ぎが苦手なゴルもいるようで…。
-
「イヤだなぁ…」カッパを着せられて雨散歩だと察したラブラドールから漂う哀愁がスゴい。【動画】
いつもは明るい性格のラブですが、たまにはテンションが低くなってしまうことがあるのです。それはお天気が雨の日。お散歩で濡れることがイヤだったり、お散歩に行けず拗ねた姿が子どものようでクスッとしちゃいます!
特集
-
ゴールデン・レトリーバー とは
ゴールデンのからだの特徴や性格、歴史など基本情報をご紹介!
-
ラブラドール・レトリーバー とは
ラブのからだの特徴や性格、歴史など基本情報をご紹介!
-
【特集】新・家術〜進化型家電と、新しい愛情物語
愛犬たちとのかけがえのない生活をもっと楽しく快適に暮らすために。
-
【特集】15歳を目指す健康術
レトが長生きする秘訣は、まだまだ世界中にあふれているはずだ。
-
【特集】レジェンドレトの肖像ー10歳を超えて
-
【マンガ連載】今日も父はレトバカです
-
【特集】ゴルの魅力 vs ラブの引力
それぞれをこよなく愛する人たちが、その思いを存分に語ります!
-
【特集】レト愛が止まらない!
隠れた著名人のレトファンをインタビュー!
-
【特集】レトを迎えたら。
レトを迎えたらしたいこと。アドバイスも!
-
レトリーバー 病気辞典
獣医師監修のRetriever Lifeオリジナル病気辞典。あなたの愛するレトを守るための情報満載
-
レトリーバー里親/保護犬情報
Retriever Lifeでは、保護犬を一頭でも多く救うための活動支援をしています。
-
RETRIEVER LIFEとは
レトリーバーが、好きだから。国内最大級のレトメディア