【取材】今も30分の散歩が欠かせない17歳のスーパーレジェンド!14歳まで病院とも無縁だったその健康の秘密とは #22こま
平均寿命が10〜12歳と言われる大型犬のレトリバーたち。しかしそんな平均を物ともせず、年齢を重ねても元気なレトリーバーを憧れと敬意を込めて“レジェンドレトリーバー”と呼んでいるRetriever life。その元気の秘訣をオーナーさんに伺うのが、特集『レジェンドレトリーバーの肖像』です。今回登場するのは、なんと17歳というスーパーレジェンド、こまくん。14歳まで病院とは無縁、16歳でも湖でSUPを楽しむというお達者過ぎる健康長寿の秘密とは。
こまくんプロフィール
年齢&性別
17歳の男の子(2006年7月3日生まれ)
体重
22.9kg(MAX 29kg)
大好きなこと
食べること、散歩、遊ぶこと
既往歴
・14歳頃、肘が床ずれのような状態に。半年かけて薬で改善。同じ頃に馬尾症候群を発症し、レーザーで治療。
・16歳の時、数年かけて大きくなった頭部のイボを切除。
いつまでも子どもで
落ち着きがなく、今でも仔犬のような性格のこまくん。犬好きでいつかはラブをと思っていたご主人と、当時は犬が苦手だったという奥さまに迎えられ、竹内家の一員になりました。
「最初は本当に恐る恐るで、触ることもできないくらいだったんです。それで仔犬の時に抱っこもしてなくて、それが今でも心残りなんですよ。
でも預けトレーニングをしてからは、マウンティングのような行動がなくなり、むしろ私を守ってくれるような感じになったので、私も慣れて大丈夫になっていきました」(奥さま)。
「小さい頃は本当に落ち着かなくて、他の犬の迷惑になるかもとドッグランにも行っていませんでした。他の犬には興味がなく、無愛想だったということもありますが(笑)。
でも不思議と物を壊したりとか、置いてあるものを勝手に食べたりとか、そいうことはほとんどありませんでした。
いつまでも子どもみたいに感じるのも、もしかしたら子どもがいない私たちのために、そういう役割を演じてくれているのかもしれません」(ご主人)。
健康で活発だったこまくんは、食欲旺盛で体を動かすのが大好き。散歩は朝晩しっかり1時間ずつ、17歳になった今も20〜30分は歩きます。しかも、本人はもっと行きたがるのだとか!
それからおでかけや水遊び、レトリーブにも目がなく、つい昨年までSUPやディスクレトリーブを楽しんでいたそう。
今年に入って少し足腰が衰え、ディスクは難しいと感じているご夫妻ですが、おでかけやSUPにはできるだけ連れて行きたいと、涼しくなる時季を今から楽しみにされています。
14歳まで医者知らず
若い頃は医者知らずだったこまくんも、14歳頃からは病院のお世話になることが増えてきました。
「14歳の時、肘が床ずれのような状態になったのですが、これがなかなか治らなくて。
かかりつけ医とは別に、関節に強いという評判の病院にも行き、薬で治療してもらいました。完治まで半年くらいかかっています。
それから同じ頃、馬尾症候群になりました。症状としては、首と頭がずっと下がっているような感じです。
この時も肘の時と同じ病院にかかり、通院でレーザー治療することになりました。冬は2週間に1回、夏はもう少し低い頻度でしたが、割と長く通ったと思います」(ご主人)。
肘と馬尾症候群を治療してくれた病院は、この時以来、第二のかかりつけ医のような存在に。元々のかかりつけ医では普段の健診や相談をするなど、上手に使い分けられています。
その後16歳になった頃、4年程かけてかなり大きくなっていた頭部のイボを手術で切除。以前に一度良性の確認はしていたものの、こまくんなら全身麻酔も可能との見立てで実施しました。
この判断と手術をされたのも第二のかかりつけ医で、術後の検査でも改めて良性が確認されたそうです。
散歩よりごはん!
病気も少なく、シニアでの手術も乗り切ったこまくんの健康ボディ。どんなものを食べてつくられたのでしょう。
「基本はずっとドライフードです。3歳頃までは色々な種類を試し、便の状態が一番良かった『ロイヤルカナン』に落ち着きました。
サイズは、食べ応えが欲しいようなので大粒にしています。それから水をあまり飲まないので、水をかけてあげています。
あと、10歳までは人間の食べ物をあげてなかったのですが、もうシニアだから楽しみをあげたいと思い、乳製品や肉類などもあげるようになりました。
12歳くらいが寿命かもしれないと思ってそうしたものの、こんなに長生きするなら、もう少し我慢させても良かったかもしれませんね。
好物は生クリームやソフトクリーム、それから特に好きなのが鴨肉で、ヨダレの最高記録を出しています(笑)」(ご主人)。
こまくんは今に至るまでずっと食欲旺盛で、食い付きが落ちたことすらありません。
また、食事は散歩の前にしているそうですが、その理由は散歩に集中できないから。ごはんを食べずに散歩に行くと全然集中できず、すぐ帰ろうとするのだとか。
散歩好きでどこまでもグイグイ歩きたがるこまくんも、食の誘惑には勝てず。やっぱりごはんが一番なのですね。
変化もあります
17歳を目前に、ごはんも散歩の意欲も衰え知らずな一方、体には変化が現れています。
「去年の手術から今年の春までは、ここ数年で一番というくらい元気でした。
でも3月初め頃から、散歩中のおしっこの回数が10回から3回くらいに激減し、代わりに家で尿漏れしたり、時々はウンチもするようになったんです。
かかりつけ医に相談すると、腰が下がっていることを指摘されたのですが、それは病気ではなく老化ということでした」(ご主人)。
「ほんの少し前まで走り回っていたのに、今ではダッシュするのはごはんの時くらいです。ごはんの時はグルグル回るくらいすごい勢いなんですけど(笑)。
ほかにも、耳が遠くなったり、寝たら少しのことでは起きなくなったり、あと寒さにも弱くなってきました。
一昨年に寒い夜は暖房を入れるようになり、去年からは昼も入れています。暖房の近くに陣取るなんて、若い時は全然なかったんですけどね。
それから性格面では、我が強くなりました。以前はおやつをねだってきてもダメと言えば諦めてたのに、今はしつこくて、もらうまで諦めません(笑)」(奥さま)。
今後のトイレ対策として、朝晩の散歩以外のトイレ外出を増やしたり、家の中でトイレができるようにすることも考えているそう。
それから体重も減ってきていて、特に下半身が細くなっているため、マッサージなどでケアしてあげたいとも仰っていました。
思い出づくりもまだこれから!
体には色々と変化が出てきたものの、17歳とは思えない元気さをキープできているこまくん。その秘訣を伺いました。
「散歩ではグイグイ引っ張って歩いたり、家の中では段差もどんどん越えて歩き回っていたのですが、それが結構な体力づくりになったのかもしれません。
引っ張って歩くのは言うことを聞かなかったからですし、段差もそのままにしていただけなのですが、それが却って良かったのかなと。
それから、心身を休める時間があったことも。共働きで日中に留守番をさせることも多かったので、その時間が独りで静かに休める時間になっていたのではないでしょうか。
一緒にいることも大事だと思いますが、私たちがいるとどうしてもテンションが上がってしまい、なかなか芯から休まらないと思うので」(ご主人)。
「秘訣ではないんですけど、今感じているのは“ここまで頑張ってくれてありがとう、いてくれてありがとう”という感謝の気持ちです。
そしてこれからは、今まで以上に外に連れ出そうと思っています。年齢的に気を付ける部分はありますが、心配し過ぎず、できる範囲で。
“おいぬ様”が祀られている御岳山に登ったり、またSUPにも行きたいですね。前回SUPに行った時は、もう16歳だし、手術の前で何があるか分からないからと思い切って行きました。
その手術も無事に乗り越え、今も元気でいてくれているので、次は17歳でのSUPを目標にしています!」(奥さま)。
ポジティブで笑顔の絶えないご夫妻にして、スーパーレジェンドでも元気いっぱいなこまくんあり。
これからもたくさんの思い出をつくって、世界記録級のレジェンドを目指してください!
取材・文/橋本文平(メイドイン編集舎)
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