ノミは気温13度で活発化!万全な対策でレトの心身を守ろう
ノミが活発に行動を始める前に、ぜひ対策を。ノミが増えてからでは、退治をするのはなかなか大変。愛レトも飼い主さんも、心身ともにノミに翻弄される結果になってしまわないように注意しましょう。
気温13度でノミが活発化
気温が13~14度になるとノミは活発になり、産卵を開始します。卵が孵化して幼虫が成虫になるまで、春と秋は3~4週間程度、夏は2週間程度かかります。
室内温度が13度を下回らなければ、冬でも室内でノミが活動していることもあります。
あるデータによると、産卵直前の10匹のメスのノミが30日後には、成虫2,000匹にまで増えるとか。同時に9万個の卵と10数万匹の幼虫を生み出すとも。
ノミを愛レトの体表で見つけたときには、一刻も早く手を打たなければ、家庭内がノミの楽園になってしまうかもしれません。
ノミ対策は、本格的なシーズン到来前の3月に入ったら(地域によってはもっと早くor遅くなりますが)、しっかり始めたいものです。
ノミは手ごわい
筆者はドッグトレーニングを学ぶためにホームスティでオーストラリアに長期滞在しているときに、ノミアレルギー性皮膚炎に苦しめられた経験があります。
正式な病名は「ノミ刺咬症」というそうですが、強烈な痒みで夜も眠れず、オーストラリアの病院で注射までしてもらいました。
足首にポツポツと小さな赤い斑点ができて、痒みを覚えたのが最初です。と同時に、ズボンの中をなにか小さな虫が動いている感触を覚えて見てみると、ノミを発見!
幼少期に祖母の愛猫についていたノミを、ノミ取り櫛で必死に取った経験が蘇りました。メスのノミを指でつぶすと卵が飛び散ると、当時聞いたのを思い出し、まずは粘着テープにノミをくっつけました。
ちなみに、日本で犬に寄生するのは、猫に寄生するのと同じネコノミです。
オーストラリアのホームスティ先には、その後カーペットの上をジャンプしているノミを3匹ほどと、同じ部屋で過ごしていた子犬からも2匹ほどのノミが見つかりました。
それらを粘着テープで仕留めては、水を張った洗面器に入れて退治したのですが……。1時間に及ぶ捜索と掃除機掛けなどもむなしく、翌日にはさらに20匹ものノミを見つけることになり、筆者の皮膚炎も悪化しました。
たまらずに燻煙タイプの殺虫剤を購入して炊いてみたりもしたのですが、ノミは減りません。
あとから調べたところによると、燻煙剤などで死滅させられるノミの成虫は5%ほどに過ぎないそうです。残りの95%の幼虫とさなぎと卵は、多くの殺虫剤ではダメージすら受けないのだとか。
おかげで数日後には、ベッドで寝ていると太ももや背中にゴソゴソとした感触すら覚えるまでに。もう、半分パニック状態で、夜もおちおち寝ていられませんでした。
就寝中などにうっかりノミを飲み込むことで、ノミがサナダムシ(瓜実条虫)の卵を宿していた場合は二次感染すると、以前に獣医師への取材で聞いた記憶が呼び起こされたからです。
オーストラリアのホームスティ先には筆者を含めて4名が暮らしていましたが、ノミ咬刺症を発症したのは2名だけでした。
ノミが人や犬を吸血する際に皮下に残す唾液に対するアレルギー反応が起こらなければ、皮膚炎は発症しないそうです。
ノミが繁殖しないように予防が肝心
筆者は自らの経験をとおして、ノミは増殖させないことが大切だと学びました。
都会だからと、油断することなかれ! 東京都心部の公園でもノミがついてしまったレトリーバーやチワワを知っています。
予防には、気温が13度を超える日が続くようになったら、動物病院で処方をしてもらい、ノミ(&マダニ)の駆虫薬を投与するのがベスト。
動物病院で処方されるタイプの駆虫薬はノミの卵の孵化を阻害できるので、室内がノミのパラダイスになる心配はありません。
皮下に投与するスポットオンタイプのほかチュアブルタイプなど様々な種類があるので、愛レトにベストマッチするタイプを獣医師と相談しながら選ぶとよいでしょう。
ただし、たった1回の投薬ですべてのノミがいなくなるわけではありません。未成熟期のノミを根絶するために、そして新たなノミが愛レトに寄生するのを防ぐためには、定期的に(毎月1回が主流)駆虫薬を投与するのを忘れずに。
また、予防薬として駆虫薬を投与したからといって、ノミがまったく寄生しないわけではないのを知っておきましょう。ノミは一時的に愛レトにつくことはあります。
でも、犬や猫の体表で数時間~数十時間以内に死んでしまうように作られているのが、ノミの駆虫薬です。
散歩中にノミが一時的にもついて欲しくないという場合は、ノミやダニや蚊などの虫が嫌がるアロマオイルをブレンドしたナチュラルな虫除けスプレーを、愛レトの四肢やお腹にスプレーして出かけるのもよいでしょう。
人間用の虫除けスプレーは、万が一愛レトがなめて口にしてしまうと健康被害が生じる可能性もあるので、犬がなめても安心なペット用のものを使用してください。
ノミのシーズン到来前に、愛レトも飼い主さん自身も苦しまずにすむ対策を講じて備えましょう。
こちらの記事も合わせてチェックしてみてくださいね。
臼井京音 プロフィール
ドッグライター・写真家として約20年間、世界の犬事情を取材。30歳を過ぎてオーストラリアで犬の問題行動カウンセリングを学んだのち、家庭犬のしつけインストラクターや犬の幼稚園UrbanPaws(2017年閉園)の園長としても活動。犬専門誌をはじめ新聞連載や週刊誌などでの執筆多数。
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