2019年5月6日1,449 ビュー View

【連載】「消化」について思うことー「kitchen Dog!」南村友紀のハッピークッキング#4

「Kitchen Dog(キッチンドッグ)」代表の南村友紀さんは、ゴールデンレトリーバーと暮らす生粋のレトラバー。 Kitchen Dogは、犬の消化・吸収・代謝を考えて、安心安全な犬のゴハンを真面目に製造・販売する犬用食品ブランド。 さらに美味しさも追求しているため、多くの愛犬家に親しまれています。

レトと暮らし、さらに犬ゴハンのプロともいえる南村友紀さんの連載、第4回目!

今日は、消化について話しましょう。

最近、というかここ2年くらい、発酵食品について考えています。

野生の肉食動物は、草食動物を仕留めたらまず最初にその胃の内容物から食べると言われています。

草食動物の胃には、消化された状態の植物があるからというわけです。

繊維を分解する酵素であるセルラーゼを体内合成できない哺乳類の中でも、肉食系の動物は臼歯をもっていないため、よく噛んで(歯を左右に動かして)繊維をすりつぶしたりできないために繊維を消化するのが困難なのです。

まあ、胃や腸にはある程度物理的に消化された植物が入っているでしょう。

 

植物の持つ栄養素を利用するには、繊維でできている細胞壁を草食動物に破壊してもらう方が楽チンですもんね。

 

草食動物の大腸には腸内細菌がいるので、ついでにそれも一緒に食べることになりますね。

 

実は、草食である馬だってセルラーゼを持っていないので、馬の子供は生後数ヶ月以内に新鮮な母馬の糞を食べるのだそうです。

そして、糞の中に含まれて出てくる腸内細菌を食べて、自分の腸内に細菌叢を形成させるのです。

 

腸の細菌たちが、消化できないはずのセルロースを食べて、エネルギーを生産したり、ある種のビタミンや脂肪酸を合成したりしてくれます。

犬の腸内細菌は?

犬は、ヒトに比べて1平方センチあたり1000分の1ほどの腸内細菌しかもっていません。

しかも、肉食に近い雑食性のため、腸が短いのです。

もしも肉食動物の腸が長かったら、たんぱく質は長時間腸内にいるうちに腐敗し、アンモニアや腐敗物質が発生してしまうからです。

 

その短い腸では、繊維はとても消化でききらないのでザクザク切っただけの野菜をたくさん食事に入れると消化しきれないという結果になりますね。

 

身体はちくわだ

キッチンドッグ

Shiori tukishima/shutterstock

身体というのは、ちくわのようなものです。

 

身体の中だと思いがちが消化器官、例えば口の中から食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、肛門までは、皮膚の延長です。ちくわの穴の中が外の続きなのと同様に。

 

生き物は、何かを食べて消化し、その最小単位の構成要素に切り刻んてから身体の中に取り入れ、身体の中(本当の中身、ちくわならあの弾力のあるちくわ本体の中)で、もう一度組み立て直して自分を作り続けなければなりません。

 

なぜそんな面倒なことをしなくてはいけないように作られているのか全くわかりませんが、神様はそのように決めたみたいです。

 

人間が、その枠の中で少しでも快適に、楽しく、美味しく食べるという文化を生み出したのはスゴイことだと感動せずにいられません。

 

でも、それは比較的最近のこと。

 

大昔は、人間だって他の動物同様に、生きて行くために命をかけて食糧を手に入れることだけに時間を費やしていたことでしょう。

 

この時代に生まれてきて、よかったなぁー!

 

さて、消化の話に戻りましょう。

食べたものを最小単位の構成要素に切り刻むには、消化酵素が必要になってきます。

 

酵素は自分の体で合成するものなのですが、たくさんあったほうがそりゃあいいに決まっています。

 

消化するためだけではなく、体内に吸収された最小単位の栄養素を自分なりに作り直すときに、たくさん必要なので、消化のためだけに大量に無駄遣いしたくないのです。

 

だからよく聞く『消化の良いものを食べましょう』なのです。

 

犬にとって、消化の良い食べ物とは、なんだろう?

 

肉でも野菜でも、事前消化されているに越したことはないですね。

 

どういう状態かというと、熟成や発酵している状態です。

 

熟成とは、肉などタンパク質の多いものが自分の持っている酵素によってタンパク質を自己分解し、アミノ酸に変化することで旨味が出て柔らかくもなることです。

 

発酵は、乳酸菌や酵母などの微生物が野菜の糖質を分解し、有機酸などを作り出すことです。

 

味噌はその両方ですから、発酵熟成というそうです。

 

熟成は酵素をうまく働かせるための環境(温度、湿度、時間)が整わないと雑菌が繁殖して腐敗するし、発酵はやはり温度や湿度や時間によって段階が進みすぎると、アルコールになってしまったりさらに進むとお酢になったりするので、なかなかコントロールが難しく、プロでないとちょっとキケン?でもありますね。

 

それでも、発酵・熟成した食品は栄養を吸収しやすいだけでなく、美味しいと感じる風味や香りが増すので、私たち飼い主だけでなく、野菜や穀物の消化を苦手とする犬たちのゴハンにも是非取り入れたいと思う今日この頃です。

 

バビンカの今日のごはん

今朝のバビちゃんのゴハンはこんな感じです。

 

様々な野菜を乳酸発酵させる実験中!なかなか奥が深くて面白い。

 

これは、紫色のカリーノケールとトマトと昆布を乳酸発酵させたもの。

 

フライパンにオリーブオイルを少しひき、先ほどのケールとトマトをソテーし、そこに乳酸菌を塗ってラップで密封して10日ほどおいておいた鶏肉と豚肉を適当にカットして一緒にソテー。

 

ケールの漬け汁を加えて蒸し焼きにします。

 

お肉は事前消化が行われているため、ふっくらと柔らかくなっています。

 

白飯と柔らかく茹でたサツマイモ、ミネラルがたっぷりのふりかけを加えて出来上がり。

 

発酵食を食べさせていると、明らかにウンチの質が変わってくるのも興味深いです。

 

同じレトリーバーでも、ゴールデンレトリーバーのゴハンの食べ方と、ラブラドールレトリーバーの食べ方では全然違いますよね?

すごい勢いで飲み込むラブが多いのに対して、ゴールデンはちょっと食べ方がおっとりしていることが多いです。

 

すごい勢いで飲み込む犬には、消化の良い食事を食べさせてあげることがとても大事ですね。

 

南村友紀 プロフィール

レト 2001年に犬のためのビスケット&デリカテッセンショップ「キッチンドッグ!」をオープン。手作りごはんに悩む飼い主さんたちを正しい知識でサポートしながら、「愛と幸福とおいしいゴハンを!」をモットーに活動している。

お料理教室も大人気!

http://www.kitchendog.jp/

 

次号につづく!

「Kitchen Dog」南村友紀さんのハッピークッキングは、連載としてお届けしていきます!

レトリーバーたちにふさわしい「ごはん情報」をお届けしていきますので、これからも楽しみにしていてくださいね。

 

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