2018年12月1日11,617 ビュー View

【膿皮症】ゴールデンに多い皮膚疾患!発症のしくみや治療法を知って早期治療を

高温多湿な環境下で発症しやすくなる、膿皮症。ゴールデンやラブラドールの原産国であるイギリスではめずらしい病気かもしれませんが、日本では膿皮症になるレトが少なくありません。再発が多い皮膚疾患なので、しっかりと知識を得て対処できるように努めましょう。

病気のサイン

レトリーバー病気

SasaStock/shutterstock

膿皮症になるとレトは痒みを覚えるため、皮膚を引っ掻いたりなめたりするようになります。飼い主さんが見てみると、赤いブツブツやフケに気づくかもしれません。

 

症状

ゴールデンなどの長毛種では、高温多湿の季節に症状が出やすくなりますが、室内飼育で加湿器などを使って年中暖かくしている室内では、冬に膿皮症の症状を見せる場合もあります。

 

特徴的な症状は、赤い発疹です。飼い主さんが患部を触ると、フケのようなものが剥がれ落ちたり、膿疱から膿が出てくることもあります。症状が進むと、脱毛や、環状にフケが見られることもあります。病変の中心部が黒く色素沈着を起こす場合もあります。

 

身体のどこにでも出現する可能性のある発疹は、どんどん広がっていくのがやっかいなところ。レトはそうなると痒みによるストレスが増すので、早期の治療が肝要です。

 

原因

犬の皮膚や粘膜に常在しているブドウ球菌などの細菌の数が増えることで、膿皮症が起こります。細菌が増殖する最大の要因は、高温多湿であること。

 

さらに、ほかの皮膚病のせいでレトがなめたり引っ掻いたりして皮膚が不衛生になると、細菌に感染する恐れがあります。

 

アレルギー体質やアトピー体質であったり、甲状腺機能低下症など内分泌疾患にかかっていたりしても、ブドウ球菌などが皮膚や粘膜で増殖しやすい傾向にあります。

 

幼齢や高齢で抵抗力が弱いレトも、発症しやすいので要注意。

 

皮膚のバリア機能を、シャンプーのしすぎなどによって損なってしまうことも発症の引き金になります。

 

診断方法

赤い丘疹や膿疱や表皮小環が特徴的な皮膚疾患なので、獣医師の多くはその臨床症状から膿皮症であると診断することが多いでしょう。

 

細胞診や細菌培養検査で明らかになりますが、それらが行われることはあまりありません。

 

治療法

治療法には、抗菌作用のあるシャンプー療法、抗生物質の内服、抗菌性外用薬の使用があります。

 

抗菌シャンプーはブドウ球菌などの増殖を抑制する効果もあるので、一定期間続ける必要があります。

 

病変が一部だけであれば外用薬を使用できますが、大型犬では抗生物質を内服することになるでしょう。けれども、最近では抗生物質が有効ではないブドウ球菌も見つかっているため、場合によっては治療に時間がかかるかもしれません。

 

中高齢で発症した例では、内分泌疾患を持っていないかを確認する必要もあります。もし膿皮症の発症要因になっている病気が見つかれば、それらの治療も同時に行います。

 

予防法

膿皮症を予防するポイントは2つ。

 

ひとつは、愛レトが皮膚のバリア機能を健全な状態に保てるようにすること。シャンプーはしすぎず、皮膚への刺激が少ない良質なシャンプー剤を使用し、皮膚を傷めないブラシによるブラッシングで抜け毛を除去して皮膚の通気性を保つのが大切です。

 

もうひとつは、こまめな掃除や換気、ドッグベッドを定期的に洗濯するなどして、愛レトの生活環境を衛生的にしておくこと。

 

これらをとおして、愛レトを痒みというストレスに陥らせないように気を付けましょう。

 

治療費

診察料(再診料):1,000~2,000円

外用薬:2,000円~5,000円

内科治療:抗生物質1錠200円~500円

※症状や病院によって相場は異なります。あくまでも参考金額です。

 

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