2019年4月29日1,188 ビュー View

【疑問を解説】レトリーバーの耳は、なぜ垂れているの?

犬には垂れ耳と立ち耳、があります。レトリーバーと名の付く犬種は、すべて垂れ耳。その理由を知れば、なるほどと納得できることでしょう。レトを愛するみなさんのために、マメ知識を紹介します。

なぜ垂れ耳の犬種ができたのか

レトリーバー,垂れ耳

国際畜犬連盟(FCI)にはおよそ340種類の犬種が登録されていて、FCI非公認の犬種も含めると世界には800以上の犬種が存在していると言われます。

 

FCIに公認されている純血種のうちでは、立ち耳よりも垂れ耳の犬種のほうが多数。

 

犬の近縁動物で、祖先であるという説があるオオカミを始め、イヌ科の動物のほとんどは立ち耳です。ですが、なぜ現存する純血種は垂れ耳のほうが多いのでしょうか?

 

その理由のひとつは、犬は人とともに暮らしていくうちに、人に対して従順な個体を選別して交配を重ね、幼形成熟(ネテオニー)と呼ばれる育種がなされていきました。

 

幼形成熟とは、幼体の特徴を保っていること。犬の場合、垂れ耳、尖っていないマズル、大きな丸い目などが挙げられます。

 

人には、見た目が幼く見える生き物をかわいいと思う本能があります。

 

立ち耳の犬種も、生まれてからしばらくは耳が垂れています。

 

垂れ耳のレトリーバーたちが、どこかやさしくあどけないような表情に感じるのは、私たちの本能的な感覚なのかもしれません。

 

立ち耳のシェパードではなく、垂れ耳のラブラドールやゴールデンが盲導犬や介助犬などで活躍しているのも、ユーザーのみならず公共の場で出会う人々に威圧感を与えず安心できるからだと言われます。

 

余談ですが、ドーベルマンは以前は断耳を施して耳をピンと立たせていました。

 

警察犬や警備犬として、いかにも強そうに見せるという心理的な作戦も、断耳の目的のひとつとされていたのでしょう。

 

けれども、動物愛護の観点から近年は断耳はされなくなり、本来の垂れ耳のドーベルマンが増えています。

 

同じドーベルマンでも、垂れ耳ではどこかやさしい表情に見えるから不思議なものです。

 

仕事上、垂れ耳が不可欠だった

レトリーバー,垂れ耳

レトリーバーは水鳥猟のサポート役として改良されました。

 

ハンターは水鳥を撃ち落とす際に、ハンティングのパートナーであるレトリーバーたちのすぐ近くで銃を発射します。

 

当然それは大きな音で、レトリーバーの耳にもかなりの衝撃を伴うことでしょう。

 

その衝撃波を軽減するには、立ち耳よりも垂れ耳のほうが役立ちます。

 

まずひとつ、耳介をすっぽりと覆うような肉厚の垂れ耳をレトリーバーが持っている理由が、明らかになったのではないでしょうか。

 

撃ち落された水鳥を回収するために、レトリーバーは水に入って泳ぎます。

 

その際に、耳介に水が入るのを防ぐのにも、垂れ耳のほうが立ち耳よりも有利です。

 

やはり、レトリーバーが仕事を行う上で、垂れ耳はなくてはならないものだったと言えるでしょう。

 

犬の耳は人間よりよく聞こえる?

レトリーバー,垂れ耳

犬は人間よりも小さな音を聞くことができると言われています。

 

1928年にW.エルゲルマン氏によって行われた実験によると、直径3ミリの玉を3センチの高さから落としてみたところ、人間は6メートル以上離れると聞き取れなかったのに比べ、犬は24メートルの距離から聞き取れたそうです。

 

この結果から単純計算すると、犬は人間の4倍の聴力を持っていると考えられます。

 

リズム感を調べた実験によると、犬はメトロノームの打つ速さが毎分100回から96回に減るだけで気づくとか。

 

ちなみに人間は、ストップウォッチなどを使って数えなければ同様の変化がわからないそうです。

 

野生時代、そして人間の狩猟のパートナーとなってからも、犬は嗅覚や聴覚を活用して獲物を探し出していました。

 

視力は人間に劣りますが、犬にとっての聴力は狩りを行う上で重要なツールであったと想像できます。

 

超音波が聞こえる!?

レトリーバー,垂れ耳

犬笛という笛をご存じですか? これは、犬にだけ聞こえる音で犬に合図を送る道具です。

 

犬笛は、牧場などの広大な範囲内で、ハンドラーの視界から牧羊犬が離れてしまっても、ほかの人に迷惑をかけず合図が出せるというすぐれもの。

 

日本ではノーリードは条例で禁止されていますが、愛犬をノーリードにできるドイツなどでは、森に愛犬を放ったときに犬笛で呼び戻すということもあるようです。

 

犬笛が使用できるのは、人間では16~2万へルツである聴力が、犬では約80~3万8000ヘルツあるから。3万ヘルツ前後の超音波は犬だけに聞こえるのを利用しているのです。

 

飼い主の帰宅がわかるレトリーバー

犬の耳の力は、トータルで人間よりはるかにすぐれていることがわかったかと思います。

 

ところで、家族のだれかの帰宅を、自宅にいるほかの家族よりも先に愛レトが気づいたという経験はありませんか?

 

いち早く玄関に向かっていったりするのを、愛レトの超能力だと思ったことがあるかもしれません。

 

実はそれは、愛レトは遠くの音を人間よりも早く、そして正確にキャッチしているから。飼い主さんの足音を聞き分けて、玄関近くに駆けつけるのです。

 

もちろん、飼い主さんのことが大好きで早く会いたいから、すぐれた能力を使ってくれているのは間違いありません。

 

やさしい表情を漂わせる愛レトの垂れ耳に秘められた歴史と力を知れば、ますます愛レトに対する理解が深まったのではないでしょうか。

 

 

こちらの記事も合わせてチェックしてみてくださいね。

【レトも楽しめない】自転車散歩は危険!罪になるケースも

いいなと思ったらシェア

おすすめ記事

特集

特集一覧