【連載】食べる?食べない?ー「kitchen Dog!」南村友紀のハッピークッキング#5
「Kitchen Dog(キッチンドッグ)」代表の南村友紀さんは、ゴールデンレトリーバーと暮らす生粋のレトラバー。 Kitchen Dogは、犬の消化・吸収・代謝を考えて、安心安全な犬のゴハンを真面目に製造・販売する犬用食品ブランド。 さらに美味しさも追求しているため、多くの愛犬家に親しまれています。
レトと暮らし、さらに犬ゴハンのプロともいえる南村友紀さんの連載、第5回目!
犬って、何を考えているのかな?
犬の頭の中を覗くことができたなら、面白いでしょうね。
自分の子供や兄弟の頭の中だって見えないんですから、犬の考えてることはもっとわからないけど、毎日一緒に暮らしていると、こうしてほしいああしてほしい、というのは何となく理解ができます。
かといって、完璧に伝わっているわけではもちろんありません。
飼い主さんは、自分のフィルターを通して自分にいいように理解しているだけなのでしょうか。
本当のところ、全部わかってあげているとは思えませんよね。
アニマルコミュニケーターというのも、私は信じていない。信じたい気持ちはわかるけどね?
気まぐれバビちゃんとの知恵くらべ
ところで、我が家のバビちゃん、近頃ごはんができたとたんに、バクバクっと食べるときと食べないときがあります。
2年前までは、もう一頭のミカミくんという食いしん坊のおにいちゃんがいたので、つられて負けないようにバクバク食べていましたが、本当のペースはそうではなかったみたい。
競争相手がいなくなると、実はとてもおっとり食べる犬だったのだということが判明しました。
それでも、ご飯を残すということは滅多になかったんだけど、最近、朝ごはんを見にくるだけ見にくると、私の顔をちらっと一瞥して「食〜べない!」と言ってよそへ行ってしまいます。
そんな時、病気でもない限りは飼い主としては「これはどう?」「あれなら食べる?」と、色々と違うモノをお皿に載せてみるものです。
バビちゃんの場合は、大好きな牛肉を焼く匂いがすると、誘惑に負けて食べに戻ってきたものですが、最近はさらに要求が高度になり、野菜やごはんが混ざっていると牛肉でさえいらないと言い始めました。
いや、言ってるに違いない! と、飼い主は思う。
そこで、野菜やごはんを混ぜて栄養バランスを良くしたお皿を見てプイっと離れかけた瞬間に、肉だけを入れたお皿を後出ししたら、戻ってきてぺろりんと平らげたのでありました。
やっぱり具合が悪いわけじゃないんだな。
余計なものを、食べてる場合じゃないんだよね、ということか?
犬も、年齢を重ねてくると、いろいろなことを考えて策を練り、飼い主を操って自分の快適なように過ごせるよう、仕向けることができるということなのか?
おかげで最近の我が家は鶏肉拒否運動、牛肉しか食べないよということで、コストが高くついて困っているという状況です。
ストレスにご注意
ある日、これはもしかして?と思い当たることがありました。
大の仲良しだったミカミくんが亡くなったあと、実はバビちゃんは相当寂しい思いをしているのではないだろうか。
私に異常に甘えるようになったのもそのころからで、年をとったためか?とも思っていたのですが、もしかしてお兄ちゃんがいなくなったから?
我が家のご近所には、家族同様におつきあいをしてくださっているS家があります。
ミカミくんが元気だったころは、バビちゃんは毎日のように朝から夕方迎えに行くまで、その家で過ごしていました。
なぜなら、私がバビちゃんを連れて毎朝出勤前にその家にコーヒーを飲みにお邪魔していたのですが、そのまま会社に行こうとすると、バビちゃんは「行きたくない!」と言って、隠れてしまうからでした。
もちろん、私の会社で一日中いるよりも、明らかにその家の方が居心地もサービスも良いからでしょう!
そして、その家にもルーちゃんという犬がいて、いつも一緒に寝たり、遊んだり、食べたりしていたのです。
ミカミくんが亡くなったあと、わたしはせっかくバビちゃんと暮らしているのに、毎日よそへ預けていて、自分が一緒にいる時間が少ないのが寂しいな、一緒に過ごす時間を増やさなくちゃ、なんて勝手に思い、S家に預けるよりも、毎日会社に連れて行って一緒に過ごそうと考えました。
バビちゃんにとっては、生活習慣が望まない方向に変わってしまったようです。
毎日、他の犬とのコミュニケーションがないまま、今になって考えれば、楽しみは私との朝晩のお散歩だけになってしまいました。
私が日中打ち合わせなどに出かけると、会社には何人ものスタッフがいるのに、私を玄関でじっと待つようになり、寂しい顔をするように…。
そんなころから、徐々にごはんもあまり食べなくなってきたというわけです。
しかしたまにS家に行ってルーちゃんと遊び、一緒にごはんを出されると、匂いをチェックもせずにバクバクと食べるので、これにはもうわたしも完敗。
さて、定期的にお食事をお送りしているキッチンドッグ!のお客様からも、たまにこんなお電話をいただきます。
「ごはんを残すんですけど、何かヘンなもの入れたんじゃないですか?」とか、「お腹を壊したんだけど、何かヘンなもの入れたんじゃないんですか?」とか。
まあ、ゴハンのせいにしたい気持ちはわかりますが、果たして本当にそれだけなのでしょうか?
現代の飼い犬たちは、毎日朝晩決まった時間に十分な量の食事が努力もせずに自動的に提供されることが当たり前になっていますが、間欠採食動物である彼らにとって、それは実は自然ではないことです。
そして、犬たちの感じているストレスについて、わたしたちはどれほどのことを理解しているでしょうか?
ストレスとホルモン、ビタミン、病気の関係
ミカミくんがいなくなってしまったストレス。
毎日楽しく過ごしていた大好きなS家の環境から引き離されてしまったストレス。
毎日私の会社に連れていかれるストレス。
会社の隣にいる、夕方になると庭で吠え続ける姿の見えない犬の声。
バビちゃんにとっての暑さや寒さ。etc.…
バビちゃんは様々なストレスにうちのめされているのかもしれません。
ストレスとは、瞬時にして大量のビタミンCを消費させ、コルチゾールやアドレナリンという食欲を失わせるホルモンも分泌させます。
そして、継続的なストレスは、何と言っても病気のもとになります。
ごはんを食べない、食べてくれない、と悩む飼い主さんは、意外と多いもの。
毎日毎食ドライフードしかあげていない、というわんちゃんに、ゴハンの内容を見直すのももちろん必要ですが、彼らの感じているかもしれないストレスについて、もう一度犬目線でよく考えてあげてはいかがでしょうか?
犬はひとり(1頭か?)で生きているのではないのです。パックで暮らす動物です。
1頭だけ飼っているお宅なら、ヒトの家族がパックです。
そして、彼らはとても深い愛情とコミュニケーションを必要としています。
それが、健康や食欲にもダイレクトに現れるのです。
バビンカの今日のごはん
お友達から送っていただいた大きなテビチ、二日間かけて煮たら、見事なコラーゲンがプルップルに。
牛肉そぼろ、キャベツ、豚肉、ご飯と一緒に、カルシウムをピヨカルで補給して。(ピヨカルは、キッチンドッグ!で販売している卵殻カルシウムです。)
南村友紀 プロフィール
2001年に犬のためのビスケット&デリカテッセンショップ「キッチンドッグ!」をオープン。手作りごはんに悩む飼い主さんたちを正しい知識でサポートしながら、「愛と幸福とおいしいゴハンを!」をモットーに活動している。
お料理教室も大人気!
次号につづく!
「Kitchen Dog」南村友紀さんのハッピークッキングは、連載としてお届けしていきます!
レトリーバーたちにふさわしい「ごはん情報」をお届けしていきますので、これからも楽しみにしていてくださいね。
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