『黒ラブが、犬カメラマンとしての人生を拓いてくれた!』―田尻光久[ゴルの魅力VSラブの引力]
現在16歳のラブラドールレトリーバーのさくらちゃんと暮らす、カメラマンの田尻光久さん。ゴールデンとの多頭飼育も経験しました。レトリーバーたちを笑顔にさせるのを最優先に、休日と旅行の計画を立てるようになったとか。さくらちゃんを迎えて人生に転機が訪れたと語る田尻さんの、文字どおりの“レトリーバーライフ”を、田尻さんが撮影した表情豊かな写真とともに紹介します。
初めて飼った犬がラブラドール・レトリーバー
カメラマンの田尻光久さんは、16年ほど前に初めての犬を迎えました。それが、ラブラドール・レトリーバーのさくらちゃん。
「16歳4ヵ月(2019年7月現在)ですが、つい最近まで現役で愛犬撮影会の看板犬も務めてくれていました」とのこと。
さくらちゃんを迎えるきっかけは、当時はまだガールフレンドであった妻が希望したから。
「カメラマンとして駆け出しの頃で、収入が不安定で不規則な生活の中で犬を飼うなんて……。と、あまり乗り気ではなかったのですが、彼女に連れられてペットショップを見るうちに、だんだんと犬と暮らしたいという気持ちが高まりました。ある日、ペットショップの奥から出されてきた黒ラブの子犬に、ふたりとも『かわいい!』と釘付けに。そして、我が家に迎えることを決意したんです」。
田尻さんはちょうどその時期、写真家のブルース・ウェーバーが撮影したモノクロのニューファンドランドの写真が印象的で、黒い大型犬に惹かれていたそうです。
「でも17年前は、デジタルカメラよりもフィルムカメラで仕事をするカメラマンが多かった時代。黒い犬は露出補正などが必要で、被写体としてはむずかしい。カメラマンとしてはチャレンジになるなぁ~、とは思いましたが」と、田尻さんは笑います。
飼い主の気持ちを読み取る能力が抜群
3月生まれで5月に田尻家にやってきたので、春にちなんで“さくら”ちゃんと名付けられました。
「ニコニコと笑顔でボクたちのあとをついてくるのが、それはもうかわいくて。へそ天でひっくり返って寝ている姿も、しあわせな心地でずーっと眺めていましたね」と、田尻さんはさくらちゃんのパピー時代を振り返ります。
「実家で犬を飼った経験があった妻に、『お世話をたくさんしてあげるとすぐなついてくれるのよ』と言われ、初めての犬と早く仲良くなりたくて、トイレやごはんの世話を一生懸命やりました。夜中に起きたりもして」と、田尻さん。
その甲斐あってか、さくらちゃんとは早くから意思の疎通ができるようになったと言います。
「愛犬撮影会の仕事では、さくらを同行させることが多いのですが、『看板犬をやってもらいたいなぁ』と思っていると、ちゃんとセットのところへ移ってちょこんと座ったりして(笑)。それから、自宅では『さくら、携帯持ってきて』と声をかけると、くわえて持ってきてくれるんです。さすが、レトリーバー。特別なことを教えたりはしていないんですが、すごいでしょ? 飼い主としてもすごく感心させられます」。
さくらちゃんに妹ができた!
さくらちゃんの遊び相手にもなると、田尻さんはさくらちゃんを迎えて半年後に、ゴールデン・レトリーバーのきっかちゃんを迎えました。
「さくらもまだ成犬ではなかったので、小学生の女の子が親戚の赤ちゃんをあやすような感じで、きっかの世話をしていましたね。耳にじゃれつかれたり背中に乗っかられたりしても、さくらは文句も言わずきっかにつきあっていました」。
自宅ではお姉さんぶりを発揮していたさくらちゃんでしたが、外に出ると低姿勢だったとか。
「近所に45kgある大きなゴールデンがいるんですが、『おじちゃ~ん、こんにちは』と、さくらは段々とお腹を見せながら匍匐前進のような恰好で近づいていって、最後は腹出しの仰向けに。まわりの犬仲間からは一目置かれるおじちゃんゴルも、『さくらだけは、しょうがねぇなぁ』という感じでかわいがってもらっていました」(田尻さん)。
愛犬の笑顔を見たくて全国を旅行
さくらちゃんときっかちゃんはレトリーバー。泳ぐのが大好きな犬種の笑顔を見たいと、田尻さん夫妻は休日には郊外に足を延ばして、川へ向かうようになったそうです。
「最初のうちは、海に連れて行ったりもしたのですが、砂が犬たちの被毛に絡まったりしてあとから手入れが大変で。川ならば泳いだあとも乾かすだけで楽なので、奥多摩やら、清流を探して犬連れで出かけるようになりました」とのこと。
さくらちゃんときっかちゃんを迎えてから田尻さんはさらにアクティブになり、車中泊をしながら全国の山や海や川を旅するようになりました。
「フェイスブックを始めてから、全国にレトリーバー仲間ができたんですよ。その知り合いに、旅先で遊んでもらうこともあります。さくらもきっかも、どんな犬にもフレンドリーで、ニコニコしながらよく遊びますね。泳いでいるときも、本当に楽しそうです。その笑顔を見るために続けている旅では、すばらしい出会いと思い出が増え続けています」と、田尻さんは語ります。
愛犬が馬尾症候群を発症
さくらちゃんが7歳を過ぎた頃、神経の病気である馬尾症候群を発症したと言います。
「下半身に症状が見られる病気だそうで、最初は股関節形成不全と勘違いされました。ですが、MRI検査などで馬尾症候群と診断されたんです」。
手術と1ヵ月の入院生活を送ったさくらちゃんは、その後は後遺症などもなく元気を取り戻したそうです。
さくらちゃんが神経痛にならないようにと、田尻さんは犬が入れる温泉などにも、旅行の際は立ち寄ることもあるとか。
病気をきっかけに、愛犬の健康にも気遣う生活がスタートした田尻家。定期的に愛レトに鍼を施してもらうようにもなりました。
おかげで、さくらちゃんもきっかちゃんもご長寿レトに。
途中からは、保護猫のくうちゃんも加わり、2頭と1匹での車中泊旅行をするようにもなったそうです。
「にぎやかな旅行でしたね(笑)。でも昨年、きっかは14歳でさくらよりも先に旅立ってしまいました」(田尻さん)。
猫と一緒にカートでの散歩が日課
現在も元気なさくらちゃんですが、16歳位からはさすがに足腰が弱ってきて、少し歩いたあとはカートに乗っての散歩が日課になったそうです。
「猫のくうも、カートを見ると自分から飛び乗って『一緒にお散歩行く!』とアピールするんです(笑)。一応くうにもリードをつけていますが、別に外を歩こうとはせず、カートの中から景色を眺めるのが楽しいみたいですね。最初、すれ違う人は大きなさくらに目がいくようですが、『え!? 今、猫もいた?』とばかりに、二度見されることもしばしば」と、田尻さんは言います。
散歩タイム以外の日中、さくらちゃんは2世帯住宅で暮らしている“おばあちゃん”のところで過ごしていることが増えたそうです。
「朝ご飯を食べると、さくらは義母のところへ出勤していきます。ほとんど寝ているみたいですが、お昼にはさくらに持たせた“お弁当”も一緒に食べているみたいですね。おばあちゃんにとっても、さくらはかわいい孫のような友人のような存在なのかもしれません」。
田尻さんは、さくらちゃんを迎えてから人生が変わったと言います。
「今では、犬の雑誌や撮影会などの仕事がほとんどです。真っ黒でよく動くさくらのおかげで、カメラマンとしての腕が相当磨かれました」。
さくらちゃんあってこその、現在の犬カメラマンの田尻さんであることは間違いないようです。
「ラブとゴル、両方と暮らしましたが、ラブのほうがしっかり者で、ゴルは甘えん坊なイメージですね。どちらの犬種も大好きですが、どちらかと問われれば、ゴルよりもアクティブで仕事意識も高いラブのほうが自分には性格が合っているかなぁ」と、田尻さんは微笑みます。
取材・文/臼井京音
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