“ただの癒し犬だけど何か?”ラブの姉を慕い能天気に暮らすゴル ―田尻光久「ゴルの魅力VSラブの引力」
現在16歳のラブラドールのさくらちゃんと暮らす、カメラマンの田尻光久さん。さくらちゃんの妹として迎えたゴールデンのきっか(菊花)ちゃんは14歳で先に旅立ってしまいましたが、ゴルとラブの違いなどを感じながら、にぎやかな“レトリーバー多頭飼育ライフ”だったそうです。田尻さんが撮影した写真とともに、きっかちゃんとの楽しい日々を振り返ります!
先住ラブのために迎えたゴールデン
カメラマンの田尻光久さんにとって初めての愛犬である、ラブラドール・レトリーバーのさくらちゃん。
あまりのかわいさに田尻夫妻はメロメロになり、さくらちゃんの遊び相手にと、さくらちゃんが生後8ヵ月の頃にゴールデン・レトリーバーのきっかちゃんを迎えました。
「黒ラブのさくらと違い、きっかは子犬の頃からふわふわコロコロで“ぬいぐるみ感”がすごかったです(笑)」とのこと。
すくすく成長して成犬になったきっかちゃんとさくらちゃんの散歩中、道行く人がまず撫でてくるのはきっかちゃんだったそうです。
「黒ラブよりゴールデンのほうが、やさしそうに見えるんでしょうね。フレンドリーなきっかは、しっぽを真上に立ててブンブン振りながら喜んで撫でられていました。いつもおいしいところを全部持って行くのが、さくらじゃなくてきっかなんですよね。成犬になっても、ゴールデンはどこか“ぬいぐるみ感”が残っているのが得なポイントなのかな」と、田尻さんは笑います。
水を見ると目の色が変わる!
田尻夫妻は、きっかちゃんとさくらちゃんと一緒によく旅行に出かけました。
「きっかは、水を見ると目の色が変わります。渓流を見たとたん、高さ10mほどの崖を転げ落ちるようにして下りて、川へダイブしたことも。しっかり者のさくらは『え? ちゃんと道を歩いて行かないと危ないよ』とでも言いたそうな顔をしていましたね」。
存分に泳いで川から上がってきたきっかちゃんは、田尻さんのもとにヘラヘラしながら帰ってきたそうです。
全国各地の清流を泳いだという、きっかちゃんとさくらちゃん。ある時、2頭そろって堰から50cmほど段差のある下流に数メートル流されてしまったそうです。
さくらちゃんは、同じコースを戻るのは無理だと早々に気づき、90度ほど向きを変えて岸まで泳ぎ、歩いて田尻夫妻のもとへ戻ってきたと言います。
「でもきっかは、もとの地点まで流れに逆らって泳いで戻ろうと、必死。『もー、しょうがないな』と、最終的にはきっかのライフジャケットを手でつかみ上げて川から回収しましたよ(笑)。きっかはまさに“おバカキャラ”。そこが、まさにチャームポイントですね」。
そんなきっかちゃんには“ボケ”という別名もあるのだとか。
「『お~い、このボケ』と、笑いながら叱っていたことから命名。“ボケ~”と呼ぶと、ニコニコと笑顔で駆けつけてくれます。お笑い系キャラのきっかとの生活では、笑いが絶えません」と、田尻さんは目を細めます。
お姉ちゃんラブに頼り切っているかと思いきや…
きっかちゃんは、お姉ちゃんのさくらちゃんと生まれて一度も離れたことがないまま、約8年間を過ごしました。
ところが、さくらちゃんが馬尾症候群を発症し、1ヵ月間の手術入院をすることに。
田尻さんは、さくらちゃんがいないときっかちゃんは心細さや寂しさから、元気がなくなるのではないかと心配したそうです。
「でも、取り越し苦労に終わりました。きっかはさくらを探す様子も見せず、ふだんどおり。それどころか、『愛情をひとり占めできてうれしいな~』とばかりに笑顔で過ごしていました。きっかという犬の個性なのかもしれませんが、ゴールデンは本当におおらかで明るいなぁ、と実感しましたね」(田尻さん)。
ほとんど吠えないきっかちゃんが知らせた異変
田尻家では、たまに猫の一時預かりをすることがあると言います。
交通事故に遭ったと推測される、後肢が麻痺して不自由な猫の滞在中、きっかちゃんにめずらしい行動が見られたとか。
「その生後3~4ヵ月の子猫に寄り添って寝ていたきっかが、夜中に何度も吠えたんです。めったに吠えないきっかが吠えるなんて、ただ事ではないと思い、きっかのもとに駆けつけました。すると、子猫がけいれんをしていて……。そのまま容態が急変して亡くなってしまったのですが、きっかはきっと『助けてあげて!』と、私たちを呼んだに違いありません」。
きっかちゃんにとって、すでに子猫は家族の一員だったのでしょう。
ゴールデンの愛情深さを感じられる出来事であったと、田尻さんは振り返ります。
きっかちゃんが13歳の頃、猫のくぅちゃんが家族の一員に加わりました。
するときっかちゃんは「またなんか、新しいのが増えたぞ」という表情ですんなり受け入れ、きっかちゃんの耳やしっぽにじゃれつくくぅちゃんを、まさに“ぬいぐるみ”のように動かず気にせず横になって休んでいたそうです。
介護も不要で14歳9ヵ月で旅立つ
きっかちゃんは大きな病気をすることもなく、ヨボヨボもせず、シニアライフを過ごしていました。
14歳9ヵ月の頃、田尻さんが軽い気持ちできっかちゃんの血液検査をしに行くと、「貧血気味なので薬を飲みましょう」と獣医師に言われて帰宅。
ところがその日の夕方から体調が急変して、寝たきりに。
なんとか自力で起き上がり排泄することもあったそうですが、2日間ほとんど意識がないまま過ごし、最期は田尻さんが仕事から戻るのを待っていたかのように家族みんなが見守る中で息を引き取ったそうです。
「きっかを亡くしても、ペットロスにはなりませんでした。『きっか、これ以上楽しみ切れないほどに一緒に楽しいことしたよね』と、きっかのためにやり尽くした充足感が残っています」と、現在16歳のさくらちゃんを撫でながら田尻さんは語ります。
田尻さんによると、ラブラドールは献身的な使役犬という印象が強いと言います。
「さくらときっかの個体差かもしれませんが、一方ゴールデンは、自分の楽しいことを最優先に行動しているような気がします。『私が人間と遊んであげてるの。私と一緒にいれば、まわりもみんなハッピーでしょ?』っていうような感じですかね(笑)。人を癒すためだけに生きているかのようなきっかに、いつも心癒されて笑顔をたくさんもらいました」。
きっときっかちゃんは今、空の上から、田尻さん夫妻とさくらちゃんと、妹を失って落ち込んでいたさくらちゃんために新しく迎えた垂れ耳の元野犬の“なつ”ちゃん、猫のくぅちゃんをカメラマンの田尻さんが撮影した写真のままの笑顔の見守っていることでしょう。
取材・文/臼井京音
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