【取材】レトリーバーと一緒に行うヨガ=ドッグヨガ。楽しむうちに、絆がどんどん深まっていく!
屋外のドッグイベントなどで時折目にすることがあるドッグヨガ。青空の下で愛犬とポーズを取っている姿はとても気持ちが良さそうでやってみたくなりますよね。でも実際に体験したことがあるという方は意外と少ないようです。また「ドッグヨガってどんなヨガ? 何するの?」というように、内容についても実はあまり理解されていません。どんなことをしてどんな効果があるのか、ヨガ/ドッグヨガインストラクターのmicca(ミッカ)さんに教えていただきました。
目次
ドッグヨガ=犬にヨガをさせるの? いいえ、違います!

Zayats Svetlana/shutterstock
人間がするのが通常のヨガだから、ドッグヨガは「犬がするヨガ」なの? と疑問に思ったことがある方はいませんか?
ヨガについては自分がやっていなくても何となくポーズを取っているイメージは湧きます。
で、それを犬に置き換えると…「無理でしょ!」となって「?」マークがたくさん浮かんでしまう。それは仕方ないと思います。

そばにいるだけでOK(提供画像)
「“ドッグヨガ”という言葉がそう誤解させてしまうのだと思うのですが、実際は犬にヨガをさせるわけではありません。ヨガをするのは飼い主さん。その傍に犬がいて一緒にその場を楽しむのがドッグヨガです」。(miccaさん)
イメージ写真だと小型犬を抱っこしたり膝の上に乗せたりしながら行っているものもよく見かけますが、ただ横にいるのでも良いそうです。
極端なことを言えば、飽きてどこかに離れて行ってしまっても構わないのだとか。
「ねばならない」は不要。リラックスしてマイペースに楽しもう
ドッグヨガはしつけやスポーツではない、というのがmiccaさんの考えです。
だからコントロールはしない。

ガス抜きのポーズ 大型犬は上に乗せる必要はない (提供画像)
「その時、愛犬がやりたくないというならばやらなくていいんです。例えば初めてイベントに参加して、知らないところでいきなりやらせようとしても無理ですよね。そうなって当たり前(笑)。もちろん性格もありますし慣れている子もいますが、その子のその時の気持ちを尊重してください」。(miccaさん)
ヨガには様々なポーズを取るイメージがありますし実際にそうなのですが、そこばかりに気持ちを集中する必要はないとのこと。
犬を乗せたり抱っこしたりしながらポーズを取ることがあっても、「触れ合う」ことが目的なので犬にポーズを取らせたり、身体を持って動かすことはしないそうです。
「私の場合はお見せするために抱っこして行うこともありますが、それを無理に真似る必要はありません。自分たちにできること、自分たちのペースで行うようにしてください」。(miccaさん)
レトリーバーのような大型犬の場合は側にいる、ということだけで良いのだとか。
手の届く場所にいる愛レトを触りながらするヨガ。気持ちよさそうです。
「飼い主がリラックスしていること、それが一番重要です。例えばヨガの最後に行う「シャヴァーサナ(力を抜いて横たわる)」は誰もがリラックスできるポーズです。その時に愛犬と一緒にゆっくりするのはとてもおすすめです。このようなリラックス状態を作ることはお互いの健康寿命を延ばすことになると思います」。(miccaさん)
「ヨガ」とは「繋がること」
知っているようで知らないヨガのこと。簡単にいうとどんなものなのでしょうか。

ビーチでドッグヨガ (提供画像)
「人間のヨガは自分の内面を見つめたり内側と向き合ったりするものです。例えば、ヨガをしてみると“自分の身体なのに思うように動かない、なぜ?”ということが起こります。でもだんだん“こうすると動く”ということがわかるようになり、自分の身体への理解が深まり、結果的に自分のことを愛せるようになるんです。それは“自分へのご褒美”と言えると思います」。(miccaさん)
身体を動かすものでありながら、どちらかというと思想的な要素が強い印象です。
また、そもそもヨガはスポーツの一種なのか? という疑問もあります。
でもそこは少し違うようなのです。
「ヨガはサンスクリット語で“繋がる”と言う意味です。なので自分自身と繋がる、宇宙と繋がる、等の考えです。ちょっとわかりづらいですかね(笑)」。(miccaさん)
完全に理解するのには少し時間がかかりそうですが、「繋がる」がキーワードだとしたらドッグヨガは愛犬と繋がること!
ヨガの深いところはわからなくても、愛犬と心を繋げることができるならそれでいい、そう思います。
ドッグヨガがもたらす効果はたくさん!
一緒にヨガをすることによって犬の精神も安定していくということがあるそうです。
そしてその結果社会性が育っていきます。
「みんなで一緒にヨガをすることで社会性を身につけることができます。最初は緊張したり周囲が気になったりしていても、慣れていくとリラックスしてくれます。すると、どこにいても「安心なんだ」「安全なんだ」と言う気持ちが生まれてくるのです」。(miccaさん)

インド、ビートルズアシュラムにて (提供画像)
また、犬たちは飼い主の精神状態にとても敏感です。人間の気持ちが落ち着かないと、その気持ちは必ず伝わってしまいます。
「飼い主さんも最初“吠えたらどうしよう”などと考えて緊張していると思うんです。でもそうすると犬も緊張して本当に吠えちゃったり。あるあるですよね(笑)」。(miccaさん)
ヨガで自分自身と向き合い、精神を落ち着かせることは自分への癒しになり、愛犬の精神状態を安定させることにも繋がるのです。
更にドッグヨガ独特の「犬がいることで重さや温もり、触り心地、匂い、感触というものがプラスされる」という利点が加わると、その威力は絶大だと思わずにはいられません。
「抱っこが好きじゃない子やレトリーバーのように抱っこできない大きな子でも、ドッグヨガの間、飼い主の側にいることで安心して繋がりを感じることができます。ドッグヨガは自分の愛犬との絆を深めるためのものだと思っています。呼吸を合わせ、心を合わせる作業です」。(miccaさん)
日々の暮らしの中で犬と向き合う時間があまりないという人も少なくありません。
ドッグヨガをすることは意識的にがっつりその時間を作ること、と言えるでしょう。
ドッグヨガを知ったことで愛犬の病気もお互いの精神も安定した
元々miccaさんはヨガのインストラクターでした(現在も)。
ニューヨークで仕事をしていた頃に体調を崩したことでヨガと出会い、帰国してからインストラクターになったのですが、ドッグヨガを知ったのは愛犬のポーキーちゃんが病気になったことがきっかけでした。

愛犬ポーキーちゃんを想う気持ちがドッグヨガと出会わせた (提供画像)
「ポーキーが4歳の時にIBD(炎症性腸疾患)という病気になりました。それですごく後悔してしまって。まだ4歳なのに、と。そしてこのまま死なせることはできない! と思って、一緒にできることを探しました」。(miccaさん)
ドッグダンスやアジリティなども考えたものの、やはりヨガが自分と犬との理想の付き合い方だと思い、勉強を始めたそうです。
そしてポーキーちゃんにも変化が表れました。
ドッグヨガを教えるようになってから、張り切ってアシスタントをするようになったのです。
「私が病気を心配していたことでお互い心配しあって生きていた状態から、一緒に仕事をして生きているというのに変化したのです。そして、不安だとお腹を壊す、ちょっと寒いとお腹を壊す、吐いてしまう、ということをしていたのに、ドッグヨガをするようになったらそういうことがなくなりました。治る病気ではないのですが、11歳になった今も症状は治っています」。(miccaさん)
愛犬と一緒に楽しみながら絆を深められるドッグヨガをもっと広めたい
とても良いものでありながらまだ広まっているとは言えないドッグヨガ。
特に大型犬には「持ち上げられないから」などの誤解があるのか、レッスンの参加者も小型犬の飼い主さんが多いそうです。
「いろんなハードルを下げていって、たくさんの人に体験してもらいたいです。ドッグヨガは犬にヨガをさせるわけではないですし、飼い主さんの身体が硬くても問題ありません。とにかく楽しんでやっていただきたいと思っています。大型犬の飼い主さんが参加しやすいような方法も考えていきたいです」。(miccaさん)
最後に一つ簡単なドッグヨガを教えていただきました。
ぜひ愛レトとやってみてください!
【ポーズの名前】
立位の開脚前屈のポーズ(プラサリータ パドッターナ アーサナ)
【ポーズの効果】
足の浮腫、冷え性、血圧の安定、リラックス、下半身の引き締めなど
手を組んだ際は肩甲骨の柔軟性
【ポーズのやり方】
わんちゃんにはマットで待っていてもらいます
ご自身の肩幅より広めに足を開きます
背筋を伸ばし、息を吐きながら足の付根から前屈していきます
両手をわんちゃんにタッチ
余裕があれば、わんちゃんに頭をタッチ
もっと余裕があれば手を後ろで組んで頭の方に倒します
ゆったり呼吸を合わせて一体感を楽しみます
起き上がる時はしっかり腹筋に力を入れ腰に気をつけながら元の体勢に戻ります
Micca (ミッカ)
全米ヨガアライアンスE-RYT200、日本ドッグヨガ普及協会公認インストラクター、ペット栄養管理士、ホリスティック・ケア・アドバイザー等
アメリカ、インド、日本でヨガを学ぶ。都内を中心に日本、アメリカでヨガ/ドッグヨガインストラクターとして活動中
現在、オンラインレッスンも開催
blog https://ameblo.jp/miccayoga/
HP https://miccayoga.jimdofree.com/
Instagram https://www.instagram.com/miccasts/
執筆者:Roco
『ヒトとイヌ』を永遠のテーマにしているフォトグラファー&ライター。
撮影・執筆の他、写真のレッスンも行う。
フォトグラファーになるきっかけを作ってくれた英国ゴールデンのRubyは15歳2か月で虹の橋へ。 現在の愛犬はトイプードルとオーストラリアン・ラブラドゥードル。
子供の頃からの夢は「ドリトル先生になること」
Facebook:Roco ~LoveLetters~ 写真と言う名のラブレター
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