レトリーバーと過ごす“今の想い”と“幸せだった記憶”を大切にするために…『手元供養』という選択。
愛犬との別れは辛く悲しいものです。何年経っても平気になるなんてことはないでしょう。ですが悲しみだけに囚われず、楽しかった日々のことを思い出し、一緒にいてくれたこと、愛してくれたことを感謝する時間を持つことは癒しの時間となるはずです。今回は「手元供養ドットコム」というサイトを運営している水門秀夫(スイモンヒデオ)さんに手元供養の考え方や実際の方法をお伺いしました。
『手元供養』ってどういうもの?

Konstantin Zibert/shutterstock
少しずつ耳にするようになってきた「手元供養」という言葉。
手元供養が広まり始めた背景とその考え方はどのようなものでしょうか。
「まずは人間の場合でご説明しますが、お墓というと先祖代々のものが実家や田舎にあるというのが多いと思います。お仏壇も然りです。
そうなると気軽に行くことが難しい場合が多いので、それより手元に置いておける小さな骨壺などを用意して毎日手を合せる方が良い場合があります。これが手元供養です。
ペンダントのように身に付けられるようなものにして故人を忍ぶというのも同様です」。(水門さん)
続いてペットの場合ですが、こちらは供養というよりもお別れに対する心の整理の付け方や、その後の暮らし方に関係してくるといった傾向が強くなっているようです。
「ペットが亡くなってお骨にしたけれどまだお別れしたくない、物理的なものが自分の手元に欲しい、残しておきたい、という気持ちを実現できるのがペットの手元供養だと思います」。(水門さん)

美しいガラスのミニ骨壺 (公式サイトより)
何年も愛犬のお骨をそのまま家に置いている、という人がたくさんいます。
ちなみに私もどうしようか迷いつつも未だ方法を確定できず、結果的に大きな骨壺を10年以上手元に置いているひとりです。
「また、手元供養というと全部持っておかなければならないのか、お骨を分けて持っていても良いのか、というようなご質問も多いのですが、それも全部ありなんです。商品の販売だけでなくそういうこともお伝えしています」。(水門さん)
手元に少しでもお骨を持っている、置いておく、ということが「手元供養」。
もちろん「全部持っている」という今の私の状態も手元供養なのでした。
手元供養をするための方法(アイテム)の実際
手元供養をするためには必ずしも何かを購入しないといけないというわけではありませんが、象徴的な「モノ」を持つことで気持ちが落ち着く、手を合わせやすくなる、ということがあります。
そこで、代表的なものを挙げていただきました。
・デザイン骨壺(一番需要が多い)
全部残しておきたい人向け
お骨はそのままに、骨壺を自分好みのデザインのものに変更する
・アクセサリー
片時も離さず身に付けておきたい人向け
少量のお骨をペンダントなどに入れてアクサセリーとして身に着ける
遺灰などから人工ダイヤモンドを作ることも可能

いつも身に付けていられるガラスのペンダント (公式サイトより)
・ミニ仏壇
仏壇という形を重要視して納得したい、形式をきちんとしたい人向け
マンションなどにも置けてインテリアとしても成立するようなデザインのものが多く作られている
仏壇の中に骨を入れる場所があるのでそこに入れても良いし(入れなくても良い)、後述するミニ骨壺を置いても良い
・ミニ骨壺(ガラス・真鍮などで作られた分骨用の入れ物)
お骨を少しだけ手元に置いて祀っておきたい人向け
デザイン性に優れたものが多く出ており、どこにでも飾りやすい。(旅行などに持っていく人も)
ミニ仏壇のところに置いておくこともできる
・陶器のオブジェ(手元供養ドットコムオリジナル)
触れて癒されたい方、持ち歩きたい方向け
特殊な製法により遺骨をパウダー状にして、表面上になるべく遺骨が来るようにして焼き上げた陶器(全部遺骨だと成形できないので全部ではない)
手元供養ドットコムのオリジナル商品「手元供養陶器」は、職人さんが一つ一つ丹精込めて製作してくれます。 (公式サイトより)
「心の中で手を合わせるということでも良いのですが、何か物理的なものがないとピンと来ないというのが現実だと思うのです。そのためにも形があることは必要だと思っています」。(水門さん)
お骨を手元に置いておく時に注意する点
なかなか手放せない愛犬のお骨。
無理して手放す必要はありませんが、手元に全てそのまま置いておく場合に特に注意が必要なのが保管方法です。

コンパクトな仏具セットなら飾りやすい (公式サイトより)
「ご遺骨をそのままにしておくのはお勧めできません。場合によっては病気の治療や投薬などによるケミカルな部分が残っていたり、水分を含んでいる場合もあり、次第に状態が悪くなることが考えられます。また、保存状態によってはカビや悪臭が発生してしまうこともあります」。(水門さん)
ちょっとショッキングな事実…。
お骨をそのまま手元に置いておくなら、温度差に気をつけて湿度管理をしっかりしましょう。
実はお骨を綺麗に保つための一番の対策は「粉骨」することだそうです。
それによって真っ白で綺麗なパウダー状になり、ミニ骨壺やアクセサリーにも入れやすくなるとのこと。
でも粉骨したくない、という場合はどうしたら良いのでしょう。
「一番簡単なのは乾燥剤を入れておいてあげることです。定期的に入れ替えてください」。(水門さん)
開けずに長期間経ってしまった場合、自分で中を確認するのはなかなか勇気がいるものです。
手元のお骨の状態が気になる方は一度専門家に相談するのが良いでしょう。
『手元供養ドットコム』を運営する上で大切にしていること
「おひとりおひとり背景が違うので、きちんとお話を聞いてどうしたいのか、というところを聞き出すようにしています。
サイトからのご注文という形なので、クリックすれば購入できてしまいます。でもそれで決済・配送で終わり、ということにはしたくないのです。
ですから注文が入ったらその後直接やり取りをして、ご事情をお伺いするようにしています」。(水門さん)
顔が見えない相手と繊細な心の話をする。
それはとても大変なことですが、同時にとても大切なことだと水門さんは考えます。

セミナーも積極的に開催している (提供画像)
「心に残っている例なのですが、お話しているうちに“ボタン”を入れたいというご希望があることがわかったのでそのサイズを聞いてみたら、投入口のサイズより大きかったんです。でもうちはオーダーメイドですから、ボタンが入るように口のサイズを変更してお作りすることができました」。(水門さん)」
こうして「オリジナル」の手元供養商品が生み出されていきます。
「ひとりひとりと向き合って販売する。もっとご注文が増えてもこのスタイルを変えるつもりはありません」。(水門さん)
「供養の形」は自分で決める
これからは今まで以上に供養の形が変化していくことでしょう。
こうでなければならない、ということはありません。
「何を選んでもらってもいいんです。自分が納得できることであれば良いのであって、これはいい、これはダメ、ってことはありません。もしかしたら物理的な「モノ」じゃなくてデジテル的な「モノ」になる日だってくるかもしれませんよね」。(水門さん)」

自分の納得できる形を考えよう
供養の形は人それぞれ。家族ごとに決めるのが一番。
手元供養なら分骨して、実家や子供達の家などに分骨することも可能です。
「分骨に抵抗がある方もいらっしゃるのですが、その子を思ってくれている人たちみんなの元で供養してもらえるのは幸せなことだと思います。大切に想う気持ちはみんな同じなのですから」。(水門さん)
物としては有るけれど、身体として有るわけではない。
分骨することは想いを分け合うことだと思えばいいのではないでしょうか。
「入れ物を可愛いものに変えるだけで気持ちも変わります。悲しみを楽しい思い出の方向にシフトしていく、そんなお手伝いができればと思っています」。(水門さん)
水門秀夫(スイモンヒデオ)
1976年6月7日生まれ 大阪府出身
「納骨堂販売」や「仏壇クリーニング」などに携わったことをきっかけに「手元供養」と出会い、自身が一人っ子であること、両親が遠方に住んでいること、父親が次男でお墓がないことから、手元供養の魅力を感じ、同じようなことで困ったり悩んでる方の力になりたいと思い「手元供養ドットコム」を設立
その後、一般社団法人100年人生応援協会の理事に就任し「手元供養マイスター講座」を開催し手元供養を広げる活動しています
執筆者:Roco
『ヒトとイヌ』を永遠のテーマにしているフォトグラファー&ライター。
撮影・執筆の他、写真のレッスンも行う。
フォトグラファーになるきっかけを作ってくれた英国ゴールデンのRubyは15歳2か月で虹の橋へ。 現在の愛犬はトイプードルとオーストラリアン・ラブラドゥードル。
子供の頃からの夢は「ドリトル先生になること」
Facebook:Roco ~LoveLetters~ 写真と言う名のラブレター
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