【エッセイ】『自分は愛レトのプロでいよう』かかりつけ医との“関係”をより良いものにして愛するレトリーバーを守ろう
行く頻度はそれぞれ違うものの、犬と暮らしている上で動物病院の存在はとても大きい。たくさんの動物病院の中から自分と愛犬に合っている病院を見つけることは犬との暮らしのクオリティを大きく左右すると思う。まずは一番身近であるかかりつけ医のことを考えてみたら、反省点と今後の方針が見えてきた。
目次
かかりつけ医に『何でも話せるか』問題
人も犬も体調不良で病院にお世話になるのは出来るだけ少ない方がいいけれど、どんなに健康なレトだってワクチン接種・フィラリア予防の投薬、健康診断などで動物病院に通うことがあるはず。
そして多分そのために通うのは「かかりつけ」と言われる病院。
日本医師会によると、「かかりつけ医(定義)」とは…
なんでも相談できる上、最新の医療情報を熟知して、必要な時には専門医、専門医療機関を紹介でき、身近で頼りになる地域医療、保健、福祉を担う総合的な能力を有する医師。
とのこと。
うん。確かに私もそんな風に思っています。
何かとお世話になる一番身近な病院がかかりつけ。
とても頼りになる存在。でも…
最初の「なんでも相談できる」というところにちょっと引っ掛かりがあって。
本当にどんなことも言える? 聞ける? 相談できる?
転居などの理由も含めて今までに幾つかのかかりつけと言える病院があって、どこも信頼して通っていたのには違いないのに、大きな声で「YES!」とは言えない自分がいるのでした。
動物病院って何をしに行くところだっけ?
私が病院に行く理由はざっくり書くとこんな感じ。
・予防
予防接種やフィラリア予防、健康診断などの予防医療に関わること
・治療
何らかの症状がある場合、それを治してもらうための治療
・相談
治療方法や日常生活上での困りごとの相談
・雑談
自分の犬や家庭環境を知ってもらうための会話
列挙しながら思ったのは、病院って基本的に「相談」する場所なのかな、ということ。
雑談は別としても1~3、どれも相談ありきだから。
医療行為は獣医さんにしかできない。でも最終的に何をどうするかは先生が決めるのではなくてオーナーが先生と相談して決めるもの。
どんな小さなことであっても、納得できないことはしたくない。
そうなるとやはり何でも相談できることって当たり前にできないといけないのだ。
良いオーナーとは病院にとって都合の良いオーナーじゃない
本音を言えば、予防接種一つとっても体調を確認しながら慎重にして欲しいし、医学の進歩により薬の種類も変化しているのでその説明もしてもらいたい。
シニアになればお散歩のペースや生活の仕方など、病気以外のことも相談したい。
些細で、そして医師に聞くようなことなのではないのかもしれないけれど、オーナーにとっては大切なことだし、そういうことができるのがかかりつけに行く理由の一つだから。
そして実際に病気になった時、それが大きな病気になればなるほど、かかりつけ医の存在は大きくなる。
愛犬が病気になったら飼い主のメンタルは追い込まれる。
辛い、悲しい、どうしたら良いかわからない。
そんな気持ちの中、決断しなければならないことが多くなり、獣医さんに頼りたい気持ちもどんどん膨らんでいく。
話を聞いて欲しい、ただそれだけのこともある。
でも私はその気持ちにSTOPをかけてしまうことがあるのだ。
医療のことは1度聞いただけでは理解できないけれど、何度も聞いたら悪いから自分で調べようと思ってしまったり、混雑した待合室を見て「今」必要なことしか聞けなかったり。
治療に関しても素人があまり突っ込んで聞いたり意見を言ったりするのは失礼かなと思ってしまい、言葉を飲み込んでしまうこともある。いつもじゃないけれど。
友人には、そういうのは愛犬にとって良くないって言われるし、私自身もそう思う。
なのにいつの間にか相手の顔色をうかがうようになってしまったみたいだ。
「良いオーナーであろう」とすること。その方向が少し間違っているのだ、きっと。
病院側にはそんな意識はあるはずもないのに、私自身が勝手に「病院にとって都合の良いオーナー」を演じようとしているのかもしれない。
これには猛反省している。
セカンドオピニオンや治療法の違う病院の話をするのは超ドキドキ
かかりつけの動物病院っていわゆる一次診療。「必要な時には専門医、専門医療機関を紹介」できる病院。
なかなか治らなかったり、高度医療が必要なんじゃないかとオーナー的に思ってしまったりした時、多くの人の頭の中によぎるのがこの二次診療(セカンドオピニオン)だと思う。
でも「気を悪くするかな」と思うと口に出せなかった、って経験をしている人もいるはず。
オーナー側からすると、かかりつけの先生からそういう提案がないのに「こういう専門病院に行ってみたいんですけど」と切り出すのは結構なハードルだから。
だって、自分で治せると思っているから紹介の話をしないんだよね? だから先生の腕を信じてないみたいになっちゃわないかな、って悩む。
あ、これも思い込みかもしれないけれど。
それと、治療方針についての話もしづらい時がある。
西洋医学一本の先生に東洋医学や代替療法などの話は出せないというのも良く聞く話。
そうなると相談せずにそういう病院にも通い始めることになってしまう場合もあって、残念ながらそれはここかしこで行われているのが現実。
オーナー同士だと気軽に情報交換したり意見交換したりできるのに、一番信頼しているかかりつけの先生に言えないのはちょっと寂しいなって思う。
ちなみに私は仕事柄色々な獣医師の先生と話す機会があるので、数名の先生に「他の治療法や病院の話をされるのは気分が悪いものですか?」と聞いたことがある。
するとみなさん「今は色んな方法があるし、別に気にしないですよ」と。
獣医さんって理系脳だし、そんなにいちいち細かいことを気にしていたら仕事にならないということみたい。
ほっ。ただ「人による」との答えも。
その「人による」が怖いんですけれどね…(苦笑)。
お互い人間だから感情はある。でも相手はプロなのだ
病院(獣医さん)と私の間には小さな溝がある。それはあって当たり前のものでそこを超える必要はない。
その溝には尊敬とか信頼も存在しているから。それぞれの立場があって想いがあってやるべきことがある。
お互い人間だから感情も気分もあって、いつも上手い具合にコミュニケーションが取れるわけではないかもしれない。
でも相手はプロなのだ。
常に動物たちのために勉強をし続け、技術を磨き、誠心誠意向き合ってくれるプロ。
そこを理解できていれば、必要以上の緊張や遠慮は無くしていける気がしている。
そして対等に話ができるよう「何でも相談できる」ように、自分は愛犬のプロでいよう。
Roco
『ヒトとイヌ』を永遠のテーマにしているフォトグラファー&ライター。
撮影・執筆の他、写真のレッスンも行う。
フォトグラファーになるきっかけを作ってくれた英国ゴールデンのRubyは15歳2か月で虹の橋へ。 現在の愛犬はトイプードルとオーストラリアン・ラブラドゥードル。
子供の頃からの夢は「ドリトル先生になること」
Facebook:Roco ~LoveLetters~ 写真と言う名のラブレター
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