【取材】「こんな元気な15歳はいない!」と獣医も驚くラテ。年齢に合わせた環境作りでいまだに介護いらず。 #21ラテ
平均寿命が10〜12歳と言われる大型犬のレトリバーたち。しかしそんな平均を物ともせず、年齢を重ねても元気なレトリーバーを憧れと敬意を込めて“レジェンドレトリーバー”と呼んでいるRetriever life。その元気の秘訣をオーナーさんに伺うのが、特集『レジェンドレトリーバーの肖像』です。今回登場するのは、レトらしいやんちゃで食いしん坊な男の子、15歳のラテくん。獣医さんも「こんな元気な15歳は見たことない」と驚く、その健康の秘訣とは!?
ラテくんプロフィール
年齢&性別
15歳の男の子
体重
22.5kg(MAX 29kg)
大好きなこと
食べること、車に乗っておでかけすること
既往歴
・3カ月の迎え入れ時、ケンネルコッホ(伝染性気管支炎)とコクシジウム(寄生虫)あり。薬で完治。
・6歳でホルモン異常が原因と思われる尿漏れに。
・7歳の時に右肩を痛め、薬とサプリ『アンチノール』で1年ほど治療。
・8歳の健康診断で肝臓の数値が悪化。サプリ『ヘパアクトプラス』で現在も治療中。
6年越しの願い
大型犬と暮らすのが夢だったというオーナーの藤井さん。ですが、一軒家を建ててからラテくんを迎えるまで、なんと6年もかかったそう。
「なかなか主人に賛成してもらえなくて、ことあるごとに説得していました。泣き落としや、家出したこともあったんですよ(笑)。
そんな説得を6年続けて、ついにペットショップでラブの女の子を抱っこするところまで漕ぎ着けました。
それでやっと主人も迎える気になってくれたのですが、その子に病気があって。
治るまで待とうとしましたがあまり改善が見られず、代わりにと勧められたのがラテだったんです」(藤井さん=以下「」内同)。
まさに待望の子だったラテくんですが、ラテくんも迎えた時は寄生虫や気管支炎などがあり、回復まで1カ月ほどかかりました。
それで “病気がちな大人しい子”だと思っていたら、回復後はやんちゃでびっくり。大好きな洗濯物や、障子に携帯電話までガブガブしてしまう、なかなかの暴れん坊でした。
また、元気過ぎて家から脱走し、ラテくんを知っていたご近所さんが連れ戻してくれたことも。
ご近所さんとは、朝晩の散歩や、フェンスからの顔出し挨拶などで仲良くなったそうで、中には久しぶりに会い“生きてたのね〜!”と涙する方もいらっしゃるのだとか。
やんちゃながらも、ご家族と地域にしっかり守られて、健やかな成犬期を過ごすことができました。
食欲が一番!
仔犬期以降は大きな病気をしていないというラテくん。やはり旺盛な食欲が元気の源になっていたようです。
「とにかく食べることが好きな食いしん坊で、元気の秘訣と言われたら、それが一番じゃないかなと思います。
食事はずっとドライフードが基本ですが、時々お腹を壊したりすることもあり、フードの種類は体調を見ながら変えてきました。
最初はペットショップで与えられていたもの、その後はレトリーバー専用などの市販フードを色々と試して、転機になったのが6歳の時でした。
中耳炎のような症状が出て病院に行ったら、アレルギーがあることが判ったんです。種類も多くて、鶏、鹿、マグロ、鮭、小麦、米などたくさん。
それでネットなどでアレルギーのないフードを調べ、行き着いたのが“なまず”のドライフードでした」。
馬肉も検討したものの、よりリーズナブルだったなまずの『ブラックウッド5000』を選択。ネットで20kg単位で購入されています。
おやつもアレルギー対応のものを探してきましたが、ここ2〜3年は食べる喜びを優先し、身体の状態を見ながら普通のおやつもあげているそう。
また最近は流石にフードの食い付きも悪くなってきたため、生の馬肉ミンチや、馬肉ミンチを野菜と煮込んだものを汁ごとかけたりして、食欲増進と筋力アップを図っています。
何かトッピングがあると俄然やる気が出るというラテくん、お気に入りはなんと鰻。白焼や乾燥の骨などを刻んで少しずつあげていて、若返りや関節、毛艶にも良い効果があるのだとか。
因みに、旺盛な食欲を維持できた理由の一つに歯の丈夫さも挙げられました。歯のケアとしては、仔犬の頃から歯磨きガムの『クロロデント』をあげてきたそうです。
食べる量が減ったり食べムラが出てくると、不安や寂しさを感じてしまいますが、シニア期の変化としては自然なこと。うまく受け入れて対処してあげたいですね。
足腰ケア
ほかにも、ラテくんにはこんな変化が出てきました。
「足腰は弱っていますね。長い距離が歩けなくなったり、歩く時にもつれたり。それに座るのも立ち上がるのもしんどそうな感じです。
なので、散歩は近場だけにならないよう、車で公園に行ってから歩かせたりしています。ラテは色々なところを歩くのが好きで、若い時から散歩コースはできるだけ変えるようにしていました。
それから家の環境も負担が少ないように変えてきています。
玄関には工務店に頼んでしっかりしたスロープを作ってもらい、家の中はラテが歩くところ全部に滑りにくいタイルマットを敷きました。
ベッドは、楽に立ち上がれるように大きめの高反発にしています。体圧分散効果もあるものを選びました。
あと、時々尿漏れがあるのでキレイにしてあげたいのですが、立ったり座ったりが必要なシャワーは2〜3カ月に1回にして、普段は水を使わないシャンプータオルで拭いています。
もう一つ、『メディセル』という筋膜リリースの施術も3カ月に一度受けています。血行が良くなってむくみが取れ、脚の可動域も広がりよく歩けるようになりました」。
このほか、食事や水飲みの高さ調節、そして何かあったときのための抱っこ紐や介護ハーネスの準備などもされているそう。
備えは万全ですが、今のところ目や耳はあまり変化がなく、自分で意思表示もできるため、まだ介護という感じではありません。
三度の庭造り
ラテくんの変化に合わせて色々と工夫されている藤井さんですが、さらに大掛かりなことも。
「これまでに3回、庭を改造しています。まず、空き地だった所に主人と父でフェンスやドッグハウスを作ってウッドチップを敷き、庭の原型ができました。
その後ラテが10歳の時、ワイマラナーのファンタを迎えたのを機に、庭の半分を人工芝にして、ウッドチップも馬小屋で使われているような少し良いものに変えました。
それから去年、使っていたウッドチップが手に入らなくなったこともあり、全面を人工芝にしたのですが、この時は業者さんの手も借りています。
肉球にウッドチップが挟まったりするのを嫌がり、ラテはあまり庭に入らなくなっていたのですが、工事後は入りたがるようになったので、“やって良かった〜!”と思いましたね。
あと、ウッドチップは土に還るので腐葉土みたいになって、雑草や、雨後はきのこも生えて大変だったんです。なので私にとっても良い改善になりました」。
庭造りの転機にもなったファンタくんは、いつもラテくんに良い刺激を与えてくれる存在。ファンタくんを迎えた当初は、会う人みんなに“ラテくん若返ったね!”と言われたそうです。
また、その頃にできた近所のドッグランには今も仲良く通っていて、他の犬やワン友さんと触れ合う機会が増えたことも、ラテくんの健全なシニアライフに繋がっています。
よく食べ、よく乗り、よくしゃべる!
かかりつけ医にも“ウチで診ている大型犬で、こんなに元気な15歳はいない!”と驚かれるというラテくん。その秘訣は?
「とにかく食いしん坊でよく食べることだと思います。
あと、車で出かけるのが好きなので、お出かけはよくしましたね。車に乗りたがるラテのために、ドライブに行ったり、近所のコンビニにもわざわざ車で行ったり(笑)。
因みに、車の座席には伏せて乗れるようにフラットボードを敷いているのですが、足元に発泡スチロールも置いて、ラテの重さに耐えられるようにしています。
それと、仔犬の時からよく話しかけていました。“お腹空いてない?”、“ごはんどうだった?”、“今日どこ行く?”とか。
家族とするみたいに、ラテとも日常の何気ない会話をずっとしていた気がします」。
待望のレトだったラテくんを迎えて以来、藤井さんは工夫と愛情に満ちた日々を過ごしてきました。
それでも、振り返れば“家を建てる時、もっと犬仕様にしておけば良かった”、“もっと早くスロープを作ってあげれば良かった”という小さな後悔が頭を掠めます。
どれだけやってもまだ足りないと思うのは、きっと今も愛情が増し続けている証拠。
深い愛情と温かな笑顔に包まれて、ラテくんは今日も元気いっぱいのレジェンドライフを満喫しています。
取材・文/橋本文平(メイドイン編集舎)
★「#レジェンドレト」で投稿お待ちしています!
レトリーバーライフでは、取材にご協力頂けるレジェンドレトを探しております!
12歳を超えたレトたちは、「#レジェンドレト」をつけてInstagramに投稿してみてくださいね。
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