2018年12月1日6,312 ビュー View

【てんかん】急な発作にパニックを起こさないために。症状・診断方法など

てんかんは多くの犬種に見られる脳疾患で、レトリーバーも例外ではありません。いつ発症するか予測がつかないため、発作が起きるとどのような状態になるか、どういった対処法や治療法があるかを、あらかじめ頭に入れておきましょう。

病気のサイン

レトリーバー病気

Lunja/shutterstock

全身の様々な機能を、脳は制御しています。そのため脳に障害が生じると、呼吸機能から運動機能、さらには性格まで、影響は広範囲におよぶ可能性があります。

 

てんかん発作の前兆として、落ち着きなく動き回ったり、よだれを垂らしたり、飼い主さんを探して不安そうな様子を見せたり、どこかに隠れたりといった行動が現れるケースが知られています。

 

そういった前兆をほとんど見せずに、急に発作を起こすこともあります。

 

症状

最初の発作は、1~5歳で起こるパターンが多数を占めます。老齢になってからのけいれん発作は、脳腫瘍が原因であることもあるので、いずれにしてもけいれん発作が起こったらなるべく早めに獣医師に相談しましょう。

 

てんかんでは主に、全身性のけいれん発作が症状として見られます。軽度なものから重度のものまでありますが、転倒して意識を失い、四肢が伸び切り、背中のほうに向かって体を反らせた状態で通常は10秒以上けいれんが続きます。

 

同時に泡を噴くような感じでよだれを流したり、毛が逆立ったり、失禁が起こることもあります。さらにその後、四肢をバタバタさせて泳ぐような動きを見せたり、咬み運動と呼ばれるような口の動きが出現するケースもあります。

 

1回の発作が5分以上続く、あるいはけいれん発作を連続して繰り返す「重責発作」は、命にも危機が迫るため緊急の処置が必要。

 

発作は年に1回程度から、数日に1回程度までと幅があり、発作は自然におさまることがほとんどです。

 

原因

レトリーバーには、遺伝的な素因が関係すると考えられる「特発性てんかん」が見られます。

 

脳腫瘍、外傷、腎不全、低血糖症などの病気が原因でてんかんが引き起こされるケースもあります。

 

診断方法

てんかんの診断には、問診や症状の把握が重要になります。飼い主さんは発作を目の当たりにすると焦ってしまうかとは思いますが、可能な限りスマホで動画を撮影するなどして、獣医師の診断材料を確保してください。発作の継続時間や間隔なども忘れずにメモをしておきましょう。

 

動物病院では、神経学的検査、血液検査、レントゲン検査などを組み合わせてほかの脳疾患の可能性がないかも総合的に見ていくことになります。診断の補助とするために、全身麻酔をして脳波の測定やMRI検査を行うこともあります。

 

治療法

てんかんを完治させることは、残念ながらできません。けれども、抗けいれん薬を飲ませることで発作をコントロールすることはできます。

 

いつからどのくらいの量の抗てんかん薬を服薬させるかは、発作の間隔と程度によります。獣医師とよく相談して治療方針を決めましょう。

 

てんかん発作を目にするのは飼い主さんとしてはつらいものですが、レト自身は痛みや苦しみは感じていないので、冷静に見守ってあげてください。

 

治療費

診察料(再診料):1,000~2,000円

抗てんかん薬:300円~2,000円

※症状や病院によって相場は異なります。あくまでも参考金額です。

 

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