愛レトに付いたマダニは取らないで!正しい知識で予防と対策を
春になるとマダニとノミの活性が高まります。あとで後悔しないように予防策は早めに講じて、マダニを遠ざける生活を! もしマダニを見つけてしまっても、安易に取り除くと危険なことも覚えておいてください。
人の命をも脅かすマダニに要注意

KenSoftTH/shutterstock
まず最初に、マダニと、布団やカーペットなどに生息しているダニとは異なる種類なので混同しないようにしてください。
さて、今回ピックアップするマダニ。
人が命を落とすこともある、恐ろしい伝染病を多数媒介するので要注意です。
マダニは草木や葉先などに潜みながら、寄生できる動物が通りかかるのを待ち構えています。
日本に生息するマダニは、沖縄から北海道まで全国に10種類以上。
森林だけがマダニの住処だと思っている方も多いようですが、川原や都市部の公園の草むらにもいるので注意が必要です。
マダニは、寄生した犬や人の体内に口器を差し込んで吸血します。ところが、ノミとは違ってマダニに刺されたからといって痒みは現れません。
けれども、アレルギー性皮膚炎、貧血、ダニ麻痺などの病害が生じる可能性があり、愛レトが罹患して重症化すると死亡する恐れがある「バベシア症」や、私たち飼い主にも共通して感染する危険性がある「ライム病」の病原体を媒介するのが恐ろしいところ。
犬バベシア症
マダニを媒介して犬の体内に侵入した、バベシアと呼ばれる原虫により発症。犬の赤血球の中でバベシアが増殖して、貧血や赤い尿が出るのが主な症状です。重症になると発熱や嘔吐や下痢が起こり、命を落とすケースもあります。
ライム病
マダニが媒介するスピロヘータという細菌が原因で発症する、人と動物の共通感染症(人獣共通感染症)。抵抗力の弱い子犬や老犬が感染した場合、数日間から数年間の潜伏期間を経て、元気消失、食欲不振、発熱、神経症状などが出現します。
人が罹患した場合には、歩行異常や神経過敏といった神経症状のほか、皮膚や関節に炎症が生じます。
マダニが愛レトについていても取らないで

Tamonwan apaikawee/shutterstock
マダニは散歩中に、愛レトに向かって飛び降りてくることもめずらしくありません。
そのため、ノミは地面から愛レトに飛び移るので初期は四肢やお腹で発見するケースが多いのに比べて、マダニは頭部や耳などにくっついて見つけることも多くなるでしょう。
吸血前のマダニのサイズはだいたい1~5mmです。
万が一マダニが愛レトにくっついているのを見つけても、決して飼い主さんが指でつまんだりして取ってはいけません。
無理にマダニを引っ張ろうとすると、愛レトの体内に口器が残って炎症を起こす可能性があるからです。
体内に残った口器を取るため、結局は動物病院に行かなければならなくなります。
マダニは血液でお腹が満たされると10mmほどに膨らみ、自発的に口器を引き抜いて自然と愛レトから離れる可能性はあります。
とはいっても、愛レトにそのままとどまり、また空腹になると別の部位を吸血するので、マダニを発見したらまずは動物病院で処置をしてもらうのをおすすめします。
獣医師は、スプレータイプの駆虫薬を使用してマダニを犬の皮膚から引き離すことがほとんどかと思います。
マダニが寄生しないように予防が肝心

135pixels/shutterstock
命を脅かすような病原菌を媒介するマダニは、とにかく寄生しないように予防をするのが肝心!
春からマダニが活発化するので、春になったら動物病院でマダニ&ノミの駆虫薬を処方してもらってください。
以前はスポットオンタイプの駆虫薬を皮下投与するのが主流でしたが、近頃はチュアブルタイプなどチョイスの幅が広がっています。
それらを定期的に投与して、マダニを遠ざける生活を。
実はマダニの寄生自体は駆虫薬で防ぐことはできないのですが、愛レトの体に薬剤の成分が存在する限りは、寄生しても24~48時間以内にマダニが死ぬので、感染症にかかりにくくなります。
マダニは人にも寄生します。虫除けスプレーをしたり、マダニが多く生息する野山に出かけるときは長そで&長ズボンスタイルにするなどして、なるべく飼い主さんにも寄生しないように気を付けましょう。
飼い主さんが注意すべきSFTSと日本紅斑熱

marcinm111/shutterstock
マダニが原因で人が死亡する感染症は、SFTS(重症熱性血小板減少症候群)や日本紅斑熱です。
SFTSは、2011年に発見された新規ウイルスによるマダニ媒介性の感染症で、日本でも300例以上が確認されています。
致死率が高いのが特徴で、6日~2週間ほどの潜伏期間ののち発症すると、消化器症状、頭痛、発熱、神経症状、筋肉痛、意識障害、皮下出血、多臓器不全などが見られます。
現在のところは西日本以南の感染例が多くを占めますが、SFTSのウイルスを保菌するマダニ自体は多数の都道府県で確認されているので、全国的に要注意だとされています。
人から人にSFTSが感染する例は認められていますが、犬での発症は今まで確認されていません。
SFTSの治療に関して、2018年11月に、有効な治療法の開発につながる抗ウイルス薬の知見が得られたことが国立研究開発法人日本医療研究開発機構などによって発表されていますが、今のところは主には対症療法が行われています。
日本紅斑熱は、細菌の一種であるリケッチアに感染することで発症します。
リケッチアを保有しているマダニに咬まれると、2~8日ほどの潜伏期間を経て、頭痛や全身倦怠感や高熱が出現します。
発症すると、紅色の発疹が足首や手首から体の中心に向かって広がってくるという特徴もあります。
日本紅斑熱は抗菌剤による治療が可能です。けれども、治療開始が遅れると死亡する危険性もあります。
大変恐ろしいマダニによる感染症を予防するために、愛レトのみならず飼い主さん自身も予防策を怠らないようにしましょう。
こちらの記事も合わせてチェックしてみてくださいね。
おすすめ記事
-
【年末大掃除の救世主!】レトオーナーはパナソニックの『からまないブラシ』で時短掃除を実現しよう!
今年も残すところ1ヶ月になりました。我々レトオーナーが思わずため息をつきたくなるのが、年末の大掃除。だって“抜け毛”があるぶん、犬と暮らしていない人に比べて何倍も時間と手間がかかるわけですから!
そんな方々にオススメしたいのが、パナソニックのコードレススティック掃除機「パワーコードレス」。ペットの毛がほとんどからまない『からまないブラシ』が新搭載されたのです!
以前、Retriever Lifeでもご紹介して大反響。年末こそ『からまないブラシ』を使ってほしい理由を編集部が力説します!
(sponsored by パナソニック株式会社)
PR -
【取材・看板犬】大型犬の聖地!湘南のドッグカフェ&ラン〜看板犬はゴールデンのマーリー〜
レトをはじめとした大型犬オーナーが頭を悩ませるのは、彼らが存分に楽しめるドッグラン探し。広いのはもちろんのこと、そこに集まる犬種だって私たちには重要!
今回取材をしたのは、大型犬が多く集まるドッグカフェ&ラン「Ven! (ベン)kitchen&dog garden」。ここの看板犬はゴールデンレトリーバーのマーリー。だからなのか、集まるワンコたちも大型犬が多数!
取材 -
【レト飼いさんへ】小型犬の飼い主として知っておいてほしいことーby Rocoー
ゴールデンのRubyと暮らし始めた頃、自分が小型犬を迎える日が来るとは夢にも思っていませんでした。けれどひょんなことからトイプードルのRoccaが家族になって、それから私の思考は随分と変わりました。トイプードルの中でも小さい体重1.6キロのRocca。そのような小さな犬との暮らしは大型犬との暮らしにはない良さとリスクがあります。正直、それまでは小型犬や小型犬の飼い主さんに対してちょっとした不満や疑問がありました。その気持ちが良くわかるからこそ今回は小型犬を飼っている側の人間として話をしてみたいと思います。
-
『愛しのゴールデンをイラストで振り返る』ー絵本作家・ももろ[ゴルの魅力VSラブの引力!]
絵本作家のももろさんは、以前ゴールデンレトリーバーのももちゃんと暮らしていました。ももちゃんは10年前に召されましたが、当時のことをふと思い出して、Twitterで「ゴールデンレトリーバーのたまらなく可愛かったポイント落書き」を発表したところ話題に。たくさんの飼い主さんやレトファンとの楽しいやりとりが生まれました。
今回は、ももろさんにゴールデンレトリーバーの魅力、そしてももちゃんとの暮らしを語っていただきます。もちろん最高に可愛い、描き下ろしイラストとともに。
特集 -
【取材】憧れの、湘南レトリーバーライフ〜愛レト思いの素敵な一軒家〜
大型犬のレトリーバーと暮らすには、できれば広いお家がいい。さらに、海が近くて自然に囲まれた環境だったら…。
今回取材をしたのは、誰もが憧れる“レトリーバーライフ”をおくる、磯さんファミリー。湘南の素敵な一軒家でラブラドールの「はなぞう」と、のんびり暮らしています。
レトリーバーが好きすぎて、レト専門の洋服ブランドまで立ち上げたとか!
取材 -
【インタビュー】マンボウやしろ〜究極のラブラドール愛と、女性に“飼われてみた”日々〜
元お笑い芸人の「マンボウやしろ」さんは、大のラブラドール好きとして知られています。ラブラドールが大きく描かれたTシャツを5着も所有し、将来の夢を聞かれたら「ラブラドールで軍隊をつくること」と答えるほど。
今は環境柄ラブラドールと暮らせないとのことで、今回はたっぷり触れ合っていただき、ラブラドール愛を語っていただきました。
取材 -
【3分間癒されっぱなし】ラブラドールと猫のじゃれあいが、笑えて癒されて幸せな気持ちになる【動画】
犬と猫は仲良く暮らせるのか? 一概に「イエス」とも言えない状況ではありますが、少なくとも心優しいレトリーバーたちは、猫と“うまくやっている”子が多い印象。
今回ご紹介するラブラドールと猫のじゃれあい動画が、それを証明してくれています。
およそ3分間、終始癒され、時にクスッと笑い…あなたに幸せをもたらすことでしょう!
-
「ハウスは嫌だ」ラブラドール・ゴンくんの凄まじい抵抗
ラブラドールレトリーバーのゴンくんは、普段はとってもおりこうなわんちゃんです。だけど、ママさんが仕事であまり遊べなかった日の「ハウス」はこうなります。「だって!全然遊び足りないんだもん!」と大きな身体で抵抗しまくり。その抵抗の仕方もさることながら、ゴンちゃんをなんとかしようとがんばるオーナーさんも(失礼ながら)とても面白いので、ぜひご覧くださいね。こんな楽しいやりとりがあるおうちは楽しそう…だけど、いや、大変そう、かな…。
-
『5頭のラブラドールと暮らす私が、オリジンフードを選んだ理由』【インタビュー】
以前Retriever Lifeでは、「レトも15歳・20歳を目指すポテンシャルがある」というお話をしました。その理由は、レトリーバーとDNAが97%も一致するハイイロオオカミの平均年齢が15歳だから。中には20年以上生きたケースもあるといいます。
そして、長生きの秘訣は彼らの食生活にあると私たちは考えています。先祖犬であるハイイロオオカミが食べていた食事と、それを元に作られたドッグフード「オリジン」について。
また、5頭のラブラドールレトリーバーと暮らすご家族が「オリジン」を選んだ理由とは?
(sponsored by 株式会社Orijen JAPAN)
PR
特集
-
ゴールデン・レトリーバー とは
ゴールデンのからだの特徴や性格、歴史など基本情報をご紹介!
-
ラブラドール・レトリーバー とは
ラブのからだの特徴や性格、歴史など基本情報をご紹介!
-
レトリーバー 病気辞典
獣医師監修のRetriever Lifeオリジナル病気辞典。あなたの愛するレトを守るための情報満載
-
【特集】15歳を目指す健康術
レトが長生きする秘訣は、まだまだ世界中にあふれているはずだ。
-
【特集】ゴルの魅力 vs ラブの引力
それぞれをこよなく愛する人たちが、その思いを存分に語ります!
-
【特集】レト愛が止まらない!
隠れた著名人のレトファンをインタビュー!
-
【特集】湘南レトラブストーリー
湘南で暮らすレトファミリーのリアルなライフスタイル。
-
【特集】レトを迎えたら。
レトを迎えたらしたいこと。アドバイスも!
-
【特集】この夏、レトとこう遊べ!
レトと夏を楽しむ方法を伝授!
-
「kitchen Dog!」南村友紀のハッピークッキング
「Kitchen Dog !」の南村友紀さんがつくる手作り食は、ナチュラルでとっても美味しそうなものばかり。
-
レトリーバー里親/保護犬情報
Retriever Lifeでは、保護犬を一頭でも多く救うための活動支援をしています。
-
迷子犬情報
Retriever Lifeは、迷子犬を家族の元へかえすための活動をしています
-
RETRIEVER LIFEとは
レトリーバーが、好きだから。国内最大級のレトメディア