【取材】 元ラブ飼いさんの決断とは〜ライフステージは変わってもライフスタイルは変わらない〜
愛犬のラブラドールと一緒にキャンプ・雪遊び・水遊びなど、様々なアウトドアライフを楽しんでいた松田真さん、一恵さんご夫妻。16年間共に暮らしたその子が旅立ち、傷心の中考え抜いて次に迎えたのはオーストラリアン・ラブラドゥードルでした。「今でもラブが大好き!」というおふたりがどうして他犬種を迎えることになったのか、そしてなぜそれはオーストラリアン・ラブラドゥードルだったのか、先代犬の思い出と共に語っていただきました。そこでわかったのはラブ飼いさんだけでなく、レトラバーのみなさんにも参考になる犬種選びのひとつの形でした。
目次
初代ワンコは黒のラブラドールレトリーバー、「ベティ」
犬と暮らしたことがなかった真さんと、途切れることなく犬と暮らして来た一恵さん。
その二人が結婚して初めて迎えた犬がラブラドールレトリーバーのベティちゃん(1995.12.8 - 2012.1.31)でした。
一緒に暮らす犬は「ラブ」という選択肢しかなかったという一恵さん。
「なぜ?と聞かれると明確な理由はわからないのですが、とにかくラブしか頭にありませんでした。ラブラドールレトリーバーと暮らすんだ、という気持ちだけしかなかったのです」
当時ご主人は札幌に転勤が決まっており、そこで犬と暮らせる家探しをしてみたものの思いの他難航。そこで松田夫妻は大きな決断をします。
「だったら家を建てちゃえ!」と。
決断して1年ほどして念願の「大型犬と暮らせる家」が完成。
そしてベティちゃんが松田家にやってくることになるのですが、とにかく頭が良いことに驚いたそうです。
いたずらはするけれど、一度ダメと言ったらそれはもうやらない。でも他のものをやる。
それは「これはダメと言われた」「これはダメと言われていない」その区別がつくというこということです。しかし頭の良さを喜んでいるわけにはいきません。
やはり大型犬のラブ。いたずらのレベルも大型でした。
「実家にはずっと犬がいましたが、中型犬までだったのでいたずらと言ってもそれほど大きな破壊はありませんでした。でもベティの破壊力はやはりその比ではなく、そしてなぜかスリッパや椅子の脚といった小さなものではなく、壁や床、幅木、夫の趣味だったステレオのアンプ、と言った大物狙いでした」(一恵さん)
それほどのことがあっても「賃貸だったら大変だったから家を建てて良かったね」と話していたというのですから、おふたりの心も大型です。
ベティちゃんが家族の一員になったことで元々キャンプが好きだった真さんに加え一恵さんもアウトドアにはまり、ベティちゃんと一緒に色々な場所へ行くようになりました。
それは初めて犬と暮らすことになった真さんにとって嬉しい驚きでもあったようです。
「ベティが来て、何でも一緒に出来るんだと言うことを知りました。ラブって本当に人みたいなんですよね。犬と暮らすということへの意識が大きく変わりました」(真さん)
ベティちゃんの旅立ち、重度のペットロスを経て、次の子を迎えようと思うまで
ベティちゃんとの幸せな暮らしは再度の転勤で札幌から横浜に戻ってからも続いていました。
しかし2011年1月31日、16歳7か月という長寿を全うしてベティちゃんが他界。
ベティちゃんに大きな愛を注いできた一恵さんは重度のペットロスに陥ります。
その頃真さんは単身赴任で留守にすることが多く、ベティちゃんを失いひとり外に出ることさえままならなくなった一恵さんは実家に身を寄せていました。
その時にお母さんからの勧めがあり、次の子を迎えることを考え始めるようになったのだそうです。
「ラブが好きで、次の子もラブがいいという気持ちはありましたが、その時の住環境や自分たちの年齢を考えた結果、ラブという選択肢がなくなってしまいました。」(一恵さん)
一恵さんはお散歩中に突然歩けなくなったベティちゃんを抱えて、3キロほどの道のりを歩いて家まで戻ったという経験をしています。
22キロと小さ目だったベティちゃんでしたが、それでもとても大変なことだったでしょう。
再びラブを飼うことは諦め、他犬種を探し始めた時に考えた条件はこのようなものでした。
1.大きさは20キロ以内であること
2.股関節の状態が良いこと
3.ラブと同じように元気に一緒に遊べること
そうして出会ったのがオーストラリアン・ラブラドゥードルだったのです。
大きさもスタンダード・ミディアム・ミニチュアの3種類から選べるため、外せない条件だった20キロ以内をクリアでき、更にブリーディングにおいて股関節形成不全や心臓疾患などの遺伝的要因を厳しく管理していることも大きな魅力となりました。
この健康面に関しての考えはベティちゃんに若い頃から股関節に支障があったこと(周辺の筋肉を強化するなどしてケアしていた結果亡くなる直前まで歩行に支障はありませんでした)、実家の犬に心臓疾患がある子がいたことが影響しているそうです。
オーストラリアン・ラブラドゥードル、フィーカちゃんとの出会い
最初にオーストラリアン・ラブラドゥードルのブリーダーを訪問したのは2012年5月でした。
そして同年の12月にミディアムサイズのフィーカちゃん(2012年9月26日生まれ)がやってきました。
これはご自身たちの想定より早かったのだそうですが、そこには大きな理由がありました。
「希望の子が生まれるまで時間がかかるだろうし急いでいるわけでもなかったので、年は越すだろうと思っていました。それが思いがけず12月7日(金)にフィーカの写真が送られてきたのです。翌日の12月8日はベティの誕生日。そして土曜日なので夫婦で見に行ける。これは行くしかないでしょう、と。」(一恵さん)
この話を聞いて私は、これはペットロスで苦しい時間を過ごしていた一恵さんの背中をベティちゃんが押してくれたのではないかと思わずにはいられませんでした。
こうして松田家にやってきたフィーカちゃんは頭が良く、大きないたずらもせず、盗み食いもせず、とても育てやすい子でした。
もちろんパピー特有のいたずらはあったものの、ラブのようなパワーはないので小さなことばかりで気にならなかったそうです。
今までと変わらず、何でも一緒に出来る喜び
ラブラドールレトリーバーからオーストラリアン・ラブラドゥードルへ。実際に暮らしてみてわかったことや感じたのはこのようなことでした。
・サイズは小さいけれど出来ることはラブと同じ
・いたずらも運動も規模が違うだけ
・自分たちも若くなくなってきたのでちょうど良い
フィーカちゃんは活発で運動神経が良く、ベティちゃんと同じように松田さんご夫妻と共にキャンプに行き、海や湖で泳ぎ、トレッキングをし、雪遊びをしています。
新たにカヌー遊びもするようになりました。
「違うのは本当に大きさだけで、一緒に出来ないことは何もありません。もちろん大型犬のラブラドールとは体力や爆発力は異なりますが、私たちも歳を重ねて昔と同じようには出来ないのでちょうど良いと思っています。」(真さん)
フィーカちゃんが5歳の時に更に小さいサイズであるミニチュアのミュークちゃんを迎え入れ、現在は6歳と1歳の多頭いとなった松田家。
同じ犬種にしたのはフィーカちゃんによってわかったオーストラリアン・ラブラドゥードルの飼いやすさと自分たちのライフスタイルとの合致でした。
ラブ飼いさんにとって高いハードルである長毛の手入れについて
短毛種であるラブラドールから長毛のトリミング犬種であるオーストラリアン・ラブラドゥードルに変わって大変だと思ったことはないか、その点も聞いてみました。
オーストラリアン・ラブラドゥードルを迎えようと思った時、この毛の手入れが高いハードルとなり躊躇すると聞くことがあるのですが、松田さんご夫妻にはそれほど大変だという認識はないようでした。
「ベティの時もボディチェックも兼ねて毎日ブラッシングしていましたから、ブラッシングの習慣はついていました。水遊びのシーズンにはお手入れがしやすいように少し短めにカットするという対策も取れますし、その点は臨機応変で良いと思っています。もし長毛を維持したままでとなると毛玉が出来やすくなったりして少し大変かもしれませんね」(一恵さん)
確かに身体を触って変化に気付くことの大切さは短毛でも長毛でも変わりません。
毎日のブラッシングは次第に習慣となり、豊かなコミュニケーションタイムになると考えられます。
また、松田さんご夫妻にとって「毛が抜けない(抜けづらい)」というオーストラリアン・ラブラドゥードルの特性は犬種選びには関係なかったそうなのですが、現実になるとこんなにも楽なのだということを実感しているそうです。
今でもラブが大好き!だからALも大好き!
ラブラドールレトリーバーが大好き。これはずっと変わらない気持ちでしょう。
けれど、取り巻く環境や自分たちの体力には変化が訪れます。
そのことから目をそらさずに真摯に考え、大好きなラブとの暮らしを選ばなかった松田さんご夫妻。
「ラブを飼える年齢や環境であればラブ。でも自分たちのパワーが落ちていることを考えて犬をサイズダウンしたら同じような遊びができるようになりました。また、犬種選びにはそれだけでなく15年後の生活や犬への責任も考えることが必要だと思っています」(真さん)
松田さんご夫妻のお話を聞いて、私は「ラブが大好きだからこその、オーストラリアン・ラブラドゥードルなのだ」と思いました。
それは「共に遊び、共に暮らす」相手としてとても優れた性質を持っているという共通点から来るものだと感じています。
「ライフスタイルを変えずに、ライフステージに合った犬種選びをする」
ラブとオーストラリアン・ラブラドゥードルはそれを可能にする組み合わせでした。
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