2020年5月3日3,427 ビュー View

【レトリーバーを守りたい】しかし“病気への思い込み”がそれを邪魔したこと~子宮蓄膿症とてんかんを例に~

レトリーバー大好き! レトリーバー最高! そんなレト愛の深い読者のみなさまは病気についてもたくさんの知識をお持ちのことと思います。私もできるだけアンテナを張って勉強しているつもりですが、逆にその努力が「そのことはもう知っている」というバイアスになり、落とし穴になった経験があります。命は助かりましたが、今思い出しても後悔してしまう出来事です。

未避妊だから気をつけていたはずでも…「子宮蓄膿症」

Prystai_/shutterstock

 

子宮蓄膿症に関しては未避妊のメスにだけ該当するものですが、「思い込み」に関しては誰もが持つ可能性があります。

 

私の「思い込み」が招いた失敗はこのようなものでした。

 

Ruby(ゴールデンレトリーバー、メス)は未避妊のまま11歳を過ぎ、そのことによっていくつかの病気のリスクがあることは理解していましたが、ヒート後の変化に気を付けていれば何とかなると思って日々を過ごしていました。

 

そう、私は「大事に至る前に気がつくことが出来る」と思い込んでいたのです。

 

異変に気が付いたのは11歳3か月を少し過ぎた旅先でのことでした。

 

いつもより少し元気がないような気がしていたのですが、元々おとなしい子でしたしシニアなので、実はその時はそれほど重要視していませんでした。

 

けれど帰宅後に食欲がなくなり、これはおかしいと不安になります。

そして翌朝食事を抜いて病院へ連れて行きました。

 

レトに食欲がないというのは緊急事態ですから、検査および万が一手術ということになることを考えてのことでした。

 

結果「子宮蓄膿症」と判断され、即入院、そして手術となりました。

 

「その病気のことは知っている」という勘違いが生んだ失敗

Petr Jilek/shutterstock

 

子宮蓄膿症が怖い病気だということは知っていました。

 

膿が溜まった子宮が破裂してしまったら助からないことも多い、ということも理解していました。

 

ですからヒート後はマメにティッシュで拭いて汚れが付かないかどうかチェック

するなどして、陰部の変化に気をつけていたのです。

 

ですが、致命的な知識不足がありました。

子宮蓄膿症には「開放性」と「閉鎖性」があることを知らなかったのです。

 

私の頭の中には「子宮蓄膿症になると陰部から膿のようなものが出る」ということだけがインプットされていて、その知識を疑うことがありませんでした。

 

運悪くRubyは膿の出ない(出づらい)上に破裂のリスクが高いと言われている「閉鎖性子宮蓄膿症」でしたので、私はすっかり「今回も大丈夫」と思っていたのです。

 

先生に閉鎖性の話を聞いた時は晴天の霹靂ともいえる思いでしたが、冷静になってみると思い込みによって生まれたミスであり、ただの勉強不足だったと思うようになりました。

 

Rubyは11歳のシニアでも健康状態は良く体力もあったのですぐに手術をして事なきを得ることができましたが、持病などがあったらと考えると恐ろしくなります。

 

早期発見という意味でRocca(トイプードル)はヒート後にエコー検査をするようにしました。(今は避妊手術済みなので検査は不要になりました)

 

てんかんはけいれんを起こすもの、という思い込み

Karina Eremina/shutterstock

 

恥ずかしながら「思い込みその2」です。

 

てんかんはレトリーバーにも多くオスメス関係なく起こる病気なので、気にしている方も多いのではないでしょうか。

 

この「てんかん」に関しても私の思い込みがありました。

 

<てんかん→発作→痙攣>

こんな図式が出来上がっていたのです。

 

しかし痙攣を起こしたわけでもないのにRubyは「てんかん」と診断されました。

14歳6か月の時のことです。

 

症状としては「突然落ち着かなくうろうろと歩き回る」というものでした。

 

10歳を超えたころからでしょうか、1年に1度くらいそのようなことがあり、何件か病院にも行ったのですがすぐに治まることと頻繁ではなかったことから、どこに行っても「様子を見ましょう」ということで終わっていました。

 

けれど14歳半のある日、いつもより異常を感じて病院へ行くと「動き回るタイプのてんかん」と言われてそのまま入院することになります。

 

私の思っていたてんかんとは逆。

てんかんは動けなくなるのだと思っていましたから…。

 

てんかん以外の脳疾患の可能性? 脳腫瘍・髄膜炎・脳炎の疑い

Sergey Nivens/shutterstock

 

てんかんにも種類があるのだと知ったものの、その原因は何かということは不明のままでした。

 

何となくもやもやしながら退院後は神経の専門医に往診に来てもらい診察とリハビリを行う日々。

 

そしてそこでてんかん以外の脳疾患の疑いがあると告げられることになります。

 

可能性としては、脳腫瘍・髄膜炎・脳炎。

 

頭の中が真っ白になりましたが、脳疾患からの異常行動と考えるとその可能性は確かに否定できません。(今だから冷静に考えることができますが当時はプチパニックでした)

 

その後の詳細は割愛しますが、結果としてはそのいずれかでもなくほっとしたものの、原因は今も不明のままです。

 

てんかんの特効薬はないのでしょうし、それは仕方がありません。

 

ですが、てんかんの種類や起こりうる症状についてもう少し詳しく知っていたら早い段階で何かしらの手を打てたのではないかという気持ちがあるのも確かです。

 

「てんかんだったらこういう症状」という思い込み。

 

そのことで病院に行くタイミングや先生への伝え方が間違ってしまったということはないか? と今でも考えてしまうことがあります。

 

多少知識があることに対しても疑ってみることはとても大切

illes Studio/shutterstock

 

私は医療の専門家ではないので病気についての解説はできませんが、経験は宝だと思っているので今回は私(Ruby)が経験した病気を例にとって書かせていただきました。

 

もしかするとまだ「思い込み」があって、間違えていることがあるかもしれません。

 

でも病気そのものの知識よりも、知識の付け方や考え方の見直しのきっかけにしていただきたいのです。(病気については専門家に相談しましょう)

 

普段から特殊な病気ではないものに関しては情報がたくさんあり、友人知人からも話を聞くことがあると思います。

 

ですが、情報は日々更新され、医療は進歩しています。

 

大切なのは「自分はわかっていると思わないこと」ではないでしょうか。

 

 

執筆者:Roco

『ヒトとイヌ』を永遠のテーマにしているフォトグラファー&ライター。

撮影・執筆の他、写真のレッスンも行う。

フォトグラファーになるきっかけを作ってくれた英国ゴールデンのRubyは15歳2か月で虹の橋へ。 現在の愛犬はトイプードルとオーストラリアン・ラブラドゥードル。

子供の頃からの夢は「ドリトル先生になること」

 

 Facebook:Roco ~LoveLetters~ 写真と言う名のラブレター

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