2021年11月2日648 ビュー View

【エッセイ】しつけ、トレーニングのその先に。築きたいのは『レトリーバーとのフェアな関係』

愛犬との付き合い方も少しは上手になってきたかなと思い始めたのも束の間、また疑問が出てきてしまいました。しつけって何のため? 誰のため? どんな関係を築きたいの? と。服従訓練が全てだった昔のことを思い返しながら、これからの犬との暮らし方を考える日々です。

服従訓練という言葉が当たり前だった頃のこと

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Ovchinnikova/shutterstock

ひと昔、いえふた昔前くらいには“服従訓練”という言葉を使うのが一般的で、犬は服従させることが必要だという考え方の元に、しつけ(トレーニング)が行なわれていました。

 

今思うと非常に悲しい考え方です。

 

私がRubyと暮らし始めたのは1994年。その頃私の周囲で主流だったのは、

 

・訓練士さんに来てもらって一緒にトレーニング

・訓練所に3ヶ月~6ヶ月ほど預けてトレーニング

 

この2つ。

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goodluz/shutterstock

 

大型犬はしっかりしつけないと大変なことになるから、と言う極めて真面目な考え方から選ばれた方法です。

 

当時はトレーニングといえば、訓練所で学び資格を取得した『訓練士』さんにお願いするものでした。

 

まだ日本のドッグトレーニングが未熟だった頃ですから、他に選択肢はなかったように思います。

 

抵抗があっても他の方法がわからない

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Tatyana Vyc/shutterstock

私にとってRubyは初めての大型犬。しかも室内で、都会のマンションで。

 

絶対にしっかりしつけをしたい! しなければ! とかなり力が入っていた私。

 

トレーニングに関して何も知識はないけれど“体罰”もあるらしい(自分が見たわけではないのであくまでも噂だと思ってください)というその方法を選ぶことができず、自分で行なうことにしたのでした。

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belefront/shutterstock

 

自分でと言っても、参考に出来たのは少しの本だけ。

 

ネットで情報を探すような時代でもなく、ペット先進国と言われる海外からの情報もほとんどなく、結局手に入れられたのは“服従訓練”の方法。

 

吠えないように、トイレの失敗をしないように、お座り、伏せ、待てがしっかりできるようにと厳しく教え、そして私の言うことは絶対だと理解させることが正しいと思って必死でした。

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Chernousov family/shutterstock

 

それでも自分では服従訓練だとは思わず、これはしつけなのだと言う気持ちしかありませんでした。

 

「しつけは人間社会で暮らしていくためのマナーのようなもの」だと思っていましたが、どう考えても必要じゃないこともあったように思います。

 

もしくは、必要だったとしても方法を間違えていたのです。

 

少しずつ、しつけに対する考え方が変わっていった

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NotarYES/shutterstock

しばらくすると“家庭犬訓練”という言葉が出始めます。

 

それでもまだ訓練でしたが、それまでは警察犬訓練所が行なっていたものを“それとは別のやり方で”となっただけでも大進歩です。

 

そして徐々にペット先進国である海外から様々なトレーニング方法が入って来ます。

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Juice Flair/shutterstock

 

褒めるしつけや楽しんで行なうしつけというものが主流になり、今や数え切れないほどたくさんの(ある意味乱立とも言える)トレーニング方法が、それぞれの専門家により推奨されています。

 

そしてペットは家族、犬目線で、という考え方も当たり前のようになって来ました。

 

でもここで誤解して欲しくないのは、以前の飼い主が愛犬を大切にしていなかったということではないということ。

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invisible invisible/shutterstock

 

言葉を交わすことができない相手に、意思を伝えるための“正しい方法”を知らなかっただけなのです。

 

しつけ、トレーニング、その先にあるもの

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RegionalStock/shutterstock

しつけ、トレーニングの世界はすでに成熟したように思えます。

 

たくさんの方法があるので、どれが正解ではなく自分たちのライフスタイルや性格、考え方に合ったものを選べばいい。

 

また、成長具合に合わせて変えてもいいと思います。

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Olya Maximenko/shutterstock

 

むやみやたらに違う方法を取り入れてしまうとレトが混乱してしまうのでそこは慎重になるべきですが、オーナーが常に勉強してバージョンアップしておくのは素晴らしいことです。

 

そのような考えに至ってはいるのですが、私の中で答えが出ないものがあります。

 

それは「犬とのフェアな関係」。

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buhai_adeus/shutterstock

 

服従訓練時、私はRubyより“上”であろうとしました。それが正しい犬との関係だと思っていたからです。

 

群れのボスであること、それがお互いの幸せなのだと。

 

ですが、今はその上下関係自体に疑問を感じています。

 

力で押さえつけるのはもっての外だけれど、褒めてしつける方法なら上下関係はないのではないしょうか。

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Soloviova Liudmyla/shutterstock

 

何かを教える時、それは一緒に生活していく上で本当に必要なものなのか。人間側の都合でしかないのではないか。

 

おやつやごはんを使うことは悪いと思いませんが、使い方はどうでしょう。

 

ご褒美ならともかく、食べ物を見せながら「待て」をさせる必要はどこにあるのか。それは強要ではないのか。

 

また、その時の感情で叱ったりしてはいないか。

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Valentine.242/shutterstock

 

そんなことも考えてしまって、頭の中がぐるぐるしています。

 

私と犬の“フェアな関係

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laksena/shutterstock

服従訓練という時代を経てきたからこんなことを思ってしまうのでしょうか。

 

それは分かりませんが、この問題は考え出すと深くて止まらなくなるのです。

 

レトリーバーは優しくて大らかで人を心底愛してくれる犬。だから私たちの願いを受け入れてくれます。

レトリーバー,しつけ,トレーニング

Petr Jilek/shutterstock

 

でもそれでいいのかな? そんなに甘えてばかりでいいのかな? と、違和感を感じてしまう今日この頃なのです。

 

責任を持って最後まで育てること、犬が出来ないことは代わりにしてあげる。

 

だからと言って人間が上ということではないと思うのです。

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AnnaStills/shutterstock

 

何が出来るとか出来ないとかではなく、大切なのは心と心。

 

その上でフェアな関係を築きたい。

 

未熟な私にはまだまだ難しいことがたくさんありますが、これからも楽しく悩みながら犬たちと付き合っていきたいと思っています。

 

Roco

『ヒトとイヌ』を永遠のテーマにしているフォトグラファー&ライター。

撮影・執筆の他、写真のレッスンも行う。

フォトグラファーになるきっかけを作ってくれた英国ゴールデンのRubyは15歳2か月で虹の橋へ。 現在の愛犬はトイプードルとオーストラリアン・ラブラドゥードル。

子供の頃からの夢は「ドリトル先生になること」

 

 Facebook:Roco ~LoveLetters~ 写真と言う名のラブレター

 

 

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いつか大型犬と暮らしたいと願っていた私がゴールデンレトリーバーと出会うまで。 ーRoco#3[ゴルの魅力VSラブの引力]!

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