2018年12月1日255 ビュー View

【肘関節形成不全(肘異形成)】肘関節の解剖学的な異常。成長期は特に注意を

ラブラドールとゴールデンなどのレトリーバー種は、成長期に前肢の肘関節の軟骨に異常が生じることがあります。成長過程に起こるので、飼い主さんは愛レトの成長期には注意して観察するようにして、早期の発見に努めてあげてください。

病気のサイン

レトリーバー病気

Dariia Pavlova/shutterstock

骨が活発に成長する生後5ヵ月齢から9ヵ月齢に多く発症します。この時期、なんとなく歩き方がおかしいと思ったら、肘関節形成不全の初期症状かもしれません。

 

痛みを伴う病気なので、そのうち運動を嫌がるようにもなります。よく見ると前肢の形がおかしいと気づく飼い主さんもいるようです。

 

症状

骨の成長過程になんらかの原因で、肘を支える橈骨と尺骨にずれが生じて、関節面に弱い部分ができ、軟骨の一部が欠けたりはがれたりします。

 

肘関節形成不全があっても、まったく症状が見られない場合があります。

 

重症例では、肘の曲げ伸ばしができなくなり、前肢を伸ばしたまま竹馬のような歩き方になります。

 

肘関節形成不全の症状が出ていなくても、肘関節形成不全があると二次性の肘関節の関節炎へと進行するケースが多いため、成犬になったときに跛行になる可能性があります。

 

50%以上は両脚に症状が現れ、強い痛みを伴うのも特徴。成長がストップする1歳くらいが、もっとも痛みの強い時期だとされてます。

 

原因

肘関節形成不全を発症しやすい犬種がいることから、遺伝的な素因があると考えられています。それらの犬種が大型犬に集中しているのは、大型犬は小型犬や中型犬と比較すると成長期に急激に骨が成長するからでしょう。

 

骨の成長期に運動をしすぎたり、肥満になるほど急激に体重が増加したりすると、肘関節の成長に異常が生じるとも言われています。

 

診断方法

一般的にはレントゲン検査と触診や歩様検査などで診断をします。必要に応じて、CT検査を行うケースもあります。

 

治療法

内科療法としては、まずは肘関節への負荷を軽減させるために体重の減量を検討するでしょう。同時に運動制限と、痛みを取り除くために鎮痛剤や消炎剤を使用することが多いかと思います。理学療法を行う場合もあります。

 

外科療法では、はがれたり欠けたりした軟骨を手術で取り除く方法があります。これによって痛みが緩和されるのが最大のメリット。とはいえ肘関節の弱さは解消できていないため、過度な運動は引き続き控えなければなりません。

 

橈骨と尺骨のずれを修正する手術も行えますが、軟骨は再生できないため完治はのぞめません。

 

予防法

解剖学的な異常なので、肘関節形成不全を予防することは不可能です。けれども、肥満にさせない、成長期に過度な運動をさせないといった飼い主さんの管理次第では、症状が出ないですむかもしれません。

 

2006年より、ジャパンケネルクラブ(JKC)が発行する血統書には、日本動物遺伝病ネットワーク(JAHD)による肘関節形成不全と股関節形成不全と膝蓋骨脱臼の評価のスコアが記載されるようになりました。

 

あくまでも任意の検査と記載なのですが、それらの疾患の発症がない血統から子犬を選べば、将来発症する可能性は低いと言えるでしょう。

 

JAHDのホームぺージでは、任意で公開された、犬種ごとの診断・登録結果を見ることも可能です。(http://www.jahd.org/result

 

治療費

診察料(再診料):1,000~2,000円

内科治療:鎮痛消炎剤1錠300円~500円

外科治療:300,000円~

※病院や症状や処置内容によって治療費は異なるため、あくまでも参考料金です。

 

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