2019年5月15日6,576 ビュー View

人を助けたレトリーバーの実話~だからレトはいとおしい!~

人と犬との絆は深く、ときに犬は自分の命の危険を顧みずに人助けをしてくれることがあります。今回は、レトリーバーが人の命を救った実話を紹介します。これらのストーリーを知れば、ますます愛レトへのいとおしさも増すに違いありません。

人を助けたい動物、犬

レトリーバー,助ける

dogist/shutterstock

犬は大切な人を助けたいという思いを持っているようです。

 

人を守ったり救助したりした名犬たちの逸話は数多く残っていますが、レトリーバーをはじめとする銃猟犬は、『理想の犬の育て方』(スタンレー・コレン著/文春文庫)によると、病人やケガをした人の救助で強みを発揮しているそうです。

 

同著から、ラブラドールのボーと、ゴールデンのブレットのエピソードを紹介しましょう。

 

水難から飼い主夫妻を救助したボー

レトリーバー,助ける

Marcel Jancovic/shutterstock

アメリカのコロラド州に住んでいたロバート夫妻が、コロラド川の急流をラブラドールのボーを伴って小さなゴムボートで下っていたときのこと。

 

突然、ボートが大きな岩に激突して、荒れ狂う波の中に裏返しの状態で叩きつけらてしまいました。

 

夫のロブさんはなんとか岸に這い上がれましたが、妻のローリーさんと愛犬ボーは、裏返しになったボートの下で動けなくなっていたとか。

 

やがてなんとか脱出したボーでしたが、安全な岸へ泳ぐことはせず、息をするのもやっとという激しく冷たい流れに逆らい、バランスを取るのも困難な状態でボートのほうへ泳いで戻っていったと言います。

 

そして、再び水中に潜り、酸素の少なくなったボートの下にいるローリーさんのそばへ。

ボーはローリーさんの長い髪の毛をくわえると、水中にその体を引きずり下ろし、ゴムボートの外に出したと言います。

 

さらに、疲弊して泳ぐ体力のないローリーさんに泳ぎ寄ると自分の首輪かしっぽをつかませ、川岸まで無事に引っ張り切ったとか。

 

ロブさんが見つけたとき、妻も愛犬も飲んだ水を吐き続けていて、震えが止まらない状態だったそうです。

 

家族の危機を知らせたゴル

レトリーバー,助ける

Sophie Louise Davis/shutterstock

ブレッドは飼い主のパメラさんが自宅のキッチンにいるとき、キッチンに走りこんできて激しく吠えたと言います。

 

パメラさんは自分の赤ちゃんのトロイくんのためにミルクを作っている最中だったため、「ブレッド、外に出たいの?」と尋ねましたが、ブレッドは吠えては背を向けて廊下に出て行く動作を繰り返したそうです。

 

根負けしたパメラさんがベッドルームに行ってみると、トロイくんの様子がおかしいのに気づいたとか。

 

トロイくんは頭を反り返らせてゼイゼイとあえいでいて、顔色も青紫色になっていたと言います。

 

パメラさんは、シャワーを浴びていた夫を慌てて呼ぶと、夫はシャワー室からベッドルームに飛んできて、トロイくんの体を逆さまにしたそうです。

 

夫は瞬間的に、パメラさんが飲ませたミルクがトロイくんの喉に詰まったと思ったようです。

 

背中をトントン叩いても容態に変化が見られなかったため、夫はトロイくんの胸をさする心肺蘇生法を行ったと言います。

 

パメラさんが呼んでいた救急車とともに緊急医療班が到着すると、すぐにトロイくんの呼吸を安定させたそうです。

 

トロイくんは、両肺ともに肺炎を起こしていたとのこと。

 

もしブレッドがトロイくんの異変を素早く家族に知らせていなければ、トロイくんの命も救えなかった可能性が高いと伝えられているようです。

 

人を助けるのは本能的な行動か

レトリーバー,助ける

Marcella Miriello/shutterstock

水難救助を果たしたボーのケースでは、ラブラドール・レトリーバーは水中から物を回収するために作出された犬種だからだと考える人が多いかもしれません。

 

確かに、レトリーバー種でなかったら、ローリーさんをうまく救出して岸まで誘導できなかったとも言えるでしょう。

 

けれどもいくらレトリーバーとはいえ、自分より大きな人間を取ってくるようには作られてはおらず、ましてや自分の命を危険にさらすのは動物の本能的には考えられないことです。

 

ボーは、自分がいったん脱出したあとに引き返しているのです。

 

これは、家族を助けたい気持ちから取った行動だと言えるのではないでしょうか。

 

危機を知らせたブレッドのケースは、助けが必要な家族がいることを訴える典型的な方法であったと、前述のスタンレー・コレン氏は著書の中で述べています。

 

吠えたり、激しく訴えるような鼻声を出して、助けが必要な人間のいる方向へ走り出すのは、犬たちのコミュニケーションの本能的な手段のようだと言います。

 

余談ですが、耳の不自由な人をサポートする聴導犬の訓練は、この本能的な行動を応用して手をくわえたものだとか。

 

前足でつつくなどして飼い主さんの注意を引いたのち、チャイムや電話などの意味のある音を出している物のほうへ走り、飼い主さんとの間を往復して、音源を知らせるのです。

 

いずれにしても、犬は自分に愛情を注いでくれる家族を、たとえ種は違っても大切な仲間としてとらえ、その命をも救いたいと利他的な意識で接してくれる、いとおしい存在であることは明らかなようです。

 

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