【取材】 お空にいる子も一緒にドライブ!夢をオーダーできる立体イラスト
「世界にひとつ」という特別感があるオーダーメイド。様々な種類がある中で私がはまっているものの一つに「愛犬をイラスト化してもらう」というオーダーメイド商品があります。イラストだから実現出来る夢の世界。愛犬だけでなく自分も一緒にイラストにしてもらうことで「若いころ憧れていたあのオープンカーでRubyとドライブしたい」「愛犬と家族が全員揃っている姿を見てみたい」「私を若く可愛く」など、写真で表現するには困難な状況を実現してきました。今回ご紹介するのは古くからの友人で私と同じ「犬バカ」を自認しているグラフィックデザイナーの「きみしまゆきこさん」。イラストのこと、犬との暮らしのことなどじっくり聞いてきました!
目次
ちょいリアルとキャラクター化、オーダーを受けている商品のタイプは大きく2つ
まずはどんな商品があるのかをご紹介しましょう。
1.ドッグポートレート
肖像画とも違う、ちょっとポップアートな感じもするポートレート
リアル寄り、でもリアル過ぎないという絶妙なバランスが持ち味のイラストです。A4サイズの額装なのでインテリアとしての役割も大きくなります。
「いただいた写真を見ながらあまり細かくリアルになりすぎないようにPCで描いていきます。テイストは確立していますが、バランスを取るのに必要なのは引き算ですね。ただし目だけはリアルに近くなるように描いています。」
私はすでに愛犬3頭全員を描いてもらっており、オプションでポストカードやグリーティングカードも作りました。表情から毛の流れまでそれぞれの個性を見事に捉えていて、性格まで手に取るようにわかるようなのです。
「目だけはリアルに」という意味も、仕上がったポートレートを見ると良く理解できます。
作品に命が吹き込まれるというのはこういうことなのかもしれません。
2.オリジナルイラスト
イラストだからできる、 ワンコ、ニャンコはもちろん、 お空に居るコ達も一緒にドライブ。
今や看板商品となったこのオリジナルイラストは「いたずら描き」から始まりました。
HP上でずっと描いていた、本人曰く「いたずら描きみたいなもの」である絵日記の絵が評判になり商品化されたのです。
それゆえ最初は少しとまどいもあったとのこと。
「おままごとも脳内イメージを絵にしてその絵で遊んでいるような子供でした。絵日記はそんな私にとって日常的に描いているもので、仕事で描いているイラストとは全く違うタッチの絵でしたから、それを商品にするという感覚がなかったのです。でも周囲の勧めが強くて。(笑)」
このシリーズのイラストは「キャラクター化」がポイント。犬も人も「キャラクター」として仕上げることでポップな世界観が表現されています。
簡略化すると似せることが難しいと思うのですが、写真や飼い主さんからいただいた情報とじっくり向き合うことで同じ犬種でも違いがわかるように描かれています。
クスッと笑えるかわいい一コマ漫画、商品化される元となった絵日記「Goofy Days」などもあるので要チェックです。
一番人気かつ本人イチオシなのは「ポップアップアートボックス」
オリジナルイラストにはいくつかのタイプがあり、その中で一番の人気商品が「ポップアップアートボックス」です。
イラストをパーツごとに切って立体化させているので独特の雰囲気がありとてもかわいい上に、イラストならではの様々なシチュエーションを試せるのも魅力です。
「車シリーズは自分でも良いアイディアだったなと思っています。思い出の車、憧れの車など、お空の子も今いる子もみんな一緒に乗ることができますし、描いている(作っている)私もとても楽しくなります。」
愛レトとの思い出の車や憧れの車でみんな一緒にドライブ!
こんなに素敵な夢を実現できるイラストって本当に素晴らしいです。
そして立体にすると、絵や写真を飾るという習慣があまりない私たち日本人にも雑貨のような感覚で受け入れやすくなります。
小さ目で飾る場所を選ばないのでお誕生日や記念日のプレゼントにする方も多いそうです。
実はこのシリーズも沢山持っている私。
もはやコレクターかもしれませんが、写真とは違うイラストの「自由さ」にはまっています。
きみしまさんにとっての犬の存在、犬との暮らしのこと
きみしまさんが描く犬たちが生き生きしているのは彼女が犬を愛しているからに他ならないのですが、改めてきみしまさんにとっての「犬とは?犬との暮らしとは?」について聞いてみました。
すると意外なことに「12歳まで犬が怖かった」との答え!
「5歳から12歳まで父親の仕事の関係でシンガポールにいたのですが、野良犬が多く囲まれたこともあったので(犬たちは遊びたかっただけかも)とにかく怖くて」
ですが帰国直前、あることをきっかけに「犬っていいな」と思うようになり、帰国後自分のお小遣いで雑種の女の子をペットショップで購入。リッキーと名付け、それから16年その子と共に多感な時期を過ごすことになります。
「日本に馴染めなかったわけではないけれど、シンガポールに帰りたくて仕方なくて、その気持ちを癒してくれたのがリッキーでした。離れたくなくて長期の留学をやめるほど大切な存在でした。亡くなってしまうとそのショックに加えて“犬がいない”という状態に耐えられなくなりました」
そして迎えたのがシーズーのリッキー君(1997.7.19 - 2015.9.8)です。
先代リッキーちゃんが姉妹のような存在だったとしたら、リッキー君は「初めての子供・長男」なのだそうです。ただそれは「育てている」という点であって、精神的には「恋人」「彼氏」。
リッキー君は18歳1か月でお空に旅立ちましたが、今でもきみしまさんの精神的な支えであり、頼りになるパートナーです。
この気持ちは私がRubyに抱いているものととても近く、深く共感しています。
車に乗った姿が絵になるレトリーバーはイラスト向き!
どんな犬種を描くことが多いのか聞いてみたところ、レトリーバーの飼い主さんからの注文はとても多いとのこと。
営業が苦手なきみしまさんはあまり宣伝をしていないのですが、一度注文した人がリピートすることも多く口コミでの広がりも多いようです。レト飼いさんには車好きな方も多いからかもしれません。
描きやすさも聞いてみました。長毛、短毛で言えば長毛の方が毛の流れなどのニュアンスが出しやすく、色で言うと黒は難易度が高いそうです。
「例えばポートレートの場合、グラデーションにしてしまえば簡単に表現できるのですが、それだとテイストが変わってしまいます。黒でも一色ではないけれど、どの程度薄い色を入れるかなどのさじ加減が難しいのです。」
でもそこはプロの技。短毛かつ黒、というレトの中では一番難しいはずの黒ラブも素敵なポートレートが仕上がっていました。
そしてポップなオリジナルイラストでは愛嬌あるレトたちがボックスの中で楽しそうに笑っています。
「難しいと言えば「自転車に乗せて」と言われた時はちょっとびっくりしましたが、やってみたら可愛く描けてお客様にも追加オーダーいただけるほど満足していただけました。オーダーなので他にも色々なチャレンジがありましたが、これからも出来るだけご希望に沿っていきたいと思っています。」
これからの制作活動とレト飼いさんに一言
「いつか個展を開きたいと思っています。でもオーダーではない既成の作品を購入していただくより、オーダーでそれぞれの方へ思いを込めて描いた作品をお渡しして喜んでもらえる方が、私には合っているし作り甲斐があると感じています。特にポップアップアートは作るのが大変ですが、その1枚に物語があり世界観が作りやすいので、一番おすすめしたい商品です。レトリーバーは絵になるのでみなさんぜひオーダーしてください。待っています!」
レトリーバーをモチーフにしたかわいい雑貨やイラストは既成ものもありますが、やはり「うちの子」とは違います。
オーダーは敷居が高いということはありませんし、実際にイラストが出来上がってきた時の喜びは何とも言えないものです。
複数枚のオーダーも可能なので、自分用とプレゼント用というのも良いですよね。
また「メニューにないオプションもまずは相談してみてください」ということなので、気軽に相談してみるのがおすすめです。
私も次はどんな感じにしようか、楽しく迷っている最中です。
きみしまゆきこ - Yukiko Kimishima
Rickey & Co.(リッキーアンドカンパニー)
シンガポール育ちの酒と犬をこよなく愛する絵描き。株式会社バンダイ、ソフトウェア会社を経て、フリーランスとなり、印刷物やWEB、GUI等、デザインに関する事すべて幅広く活躍中。
ニュートラルな感覚であらゆる要望に応えられる才能があるが特に犬を描かせたらピカイチなのはまさに愛情と技術のなせる業。
2頭のシーズー♂(ワンコ歴は30年以上)とコドモ♂とドタバタな毎日を送っている。
・オーダー方法
メールでのやり取りとなります。詳しくはサイトの「ご注文の流れ」をご覧ください。
・オーダー先:
http://www.rickey-net.com/orderillust/index.html
・作品ギャラリー:
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